なんともクダラナイ話をしたい

投稿日:2022.10.23 / 西野亮廣エンタメ研究所

※この記事の内容は外部に発信していただいて大丈夫です。




日曜日の今日は仕事のゴリゴリした話をお休みして、なんともクダラナイ話をしたいと思います。

 

『キンコン西野の家』の予約サイトのアップデートが楽しい理由
 

本当に、どうでもいい話ですが『キンコン西野の家』(サービス名を「見上げる家」から改名しました)の予約サイトのアップデートにハマっています。
#通称見上げる家

キャッチコピーをつけたり、色味を変えたり、運用コストがかからないように商品説明を書き変えたり。(※明日から「スリッパ持参」にしました)

ラスベガスに来てまでやることじゃないと思うのですが、どっこい、空き時間を見つけては、ひたすら『キンコン西野の家』の予約サイトをイジっています。

※いい感じに仕上がっているから見て!
『キンコン西野の家』↓
https://iookup.base.shop/

場合によっては同じ動作を365回繰り返さなきゃいけないこの作業は、世間的には「労働」と呼ばれるもので、お給料をもらってやるような作業なのですが、どっこい、お金を払ってでもやりたいことになっています。
事実、お金で買った「ラスベガスの時間」を払っています。

自分が「予約サイトのアップデート」にハマっている理由は分かっています。

僕の仕事は「物語(ファンタジー)を作ること」で、この仕事というのは「やればやるほど、時間をかければかけるほど、前に進む」というものではありません。

サロンメンバーさんならご存知の方も多いかと思いますが、実際、『映画 えんとつ町のプペル』の続編の脚本は半年かけた後、一旦、白紙にしています。

1時間かけて書いたブログ(Facebook)を間違って消しちゃっただけでも、結構なダメージがあると思うのですが、単純計算、あのダメージの半年分です(笑)。

まわりが一歩一歩進んでいる中、自分は「筆が進まない」どころか、せっかく描き上げた物語を叩き割る始末。

アニメーション業界は「スタッフの引き抜き合戦」が起きていて、優秀なスタッフは向こう何年もスケジュールが埋まっています。

なので、「脚本が描けたから、スタッフ集合〜!」とはいかず、前もって、スタッフさんのスケジュールを確保しておく必要があります。
その時点で大きなお金が発生しているんですね。

描きあげられるアテもないのに。。

毎日毎日アトリエに籠って、どれだけ祈っても走らない筆を握りしめて、「もう描けないんじゃないか」「自分の才能は枯れたんじゃないか」という不安と恐怖に震えています。

気分を変えようと思って、夜中4時に外に出て、公園で缶コーヒーを一杯。
出てくるのは溜息だけで、アイデアはちっとも出てきやしない。

気がつきゃ、一文字も進まないまま朝が来て、Voicyを録ったり、サロン記事を書いたりしているうちに、気絶したように眠りにつきます。

目が覚めても、アトリエの机にあるのは、どこにも辿り着けなかった暗号の山。
奇跡なんて、ちっとも起きません。

数年後やってくる一瞬に憧れて、今日もアトリエに篭ります。

自分が選んだ生き方なので、皆さんからすると知ったこっちゃありませんが…クリエイティブの現場に当たり前のようにある「やってもやっても進まない毎日」には、きっと大きなストレスがかかっているのだと思います。

予約サイトのアップデートが楽しいのは、その反動で、やればやるほど進むから。
進んだことが確認できるから。
「進み」が確認できる幸せがここにはあります。

だからといって、「そっち」に舵を切ることはありません。
「進みが確認できる仕事」は、どこまでいっても息抜きであり、駆け込み寺であり、僕が戻る場所はファンタジーを創造する工場です。

海の外には、まだまだ日本に入ってきていない面白いエンターテイメントがたくさんあります。

ただ、そこで毎度確認するのは「全然負けてない」ということ。
世界観から作り上げているエンタメは本当に数えるほどしかありません。
シルク・ド・ソレイユとか。
#シルクとディズニーが大好き

今回のラスベガスでも同じ感想を持ちました。
たしかに面白いけど、「歯が立たない」なんて1ミリも思いません。
その時、「アトリエで震え続ける時間が無駄じゃなかった」と、ほんの少しだけ思えます。

言い聞かせているだけかもしれないけれど。

どうしようもない文章をダラダラと綴ってしまってゴメンナサイ。
「自分が思っている以上にストレスがかかっているんだなぁ」という確認と、「だからといって、やめない」という選手宣誓でした。

明日はシルク・ド・ソレイユのGM(すっごい偉い人)に会います。

素晴らしいエンターテイメントを生んでくれたこと。
守り続けてくれたこと。
島国に住む僕にまで届けてくれたこと。

それらを成す為に彼らが引き受けてくれた痛みや恐怖を僕は少しだけ知っているので、その御礼を伝えてきます。

あまり興味がないかもしれませんが、『キンコン西野の家』のアップデート情報は今後もチョイチョイ出てくるかもしれませんが、「ああ、西野が楽しんでやってるんだな」という親戚のオジサンのような優しい目で見ていただけると嬉しいです。

今日もエンタメに恋している西野がラスベガスからお届けしました。

素敵な日曜日をお過ごしください。

西野亮廣(キングコング)

https://youtu.be/hhWjekX831A

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