おはようございます。
日曜日の今日は仕事のゴリゴリした話をお休みして、ただの日記をお届けします。
友達みたいに喋っていた
持ち前の才能を遺憾なく発揮し、デビュー前から凄まじく売れた僕らは、持ち前の生意気さも相まって、多くの先輩からやっかまれ、居場所を見つけられずにいました。
そんな中、可愛がってくださったのは、僕らを嫉妬の対象(競争相手)として見ていなかった「師匠クラス」の先輩方でした。
劇場の出番や、テレビの収録が終われば、「おい、西野!呑みに行くぞ!」と強引に酒場に連れ出してくださいました。
当時は「なんて、強情なジジイなんだ!」と思っていましたが(#思うな)、今考えると、僕らが“やっかみ”の対象になっていることも、僕らが居場所を探していることも承知で連れ出してくださったのでしょう。
タモリさんにもよく呼び出されました。
僕がシャンパンを入れてウェーイな呑み方をしない理由は、僕にお酒の呑み方を教えてくれたのがタモリさんだったからです。
酔っ払った勢いで絵本作家に転身した僕と、酔っ払った勢いで僕を絵本作家に転身させたタモリさんは、よく二人で子供の頃の話をしました。
「自分達が子供の頃、どんなものに胸を踊らせたのか?」といった。
あれは、処女作『Dr.インクの星空キネマ』の制作中で、「そろそろ出版社を決めなきゃ」という頃でした。
あの時、ある出版社の人から「西野さんの絵本をウチから出すのは構いませんが、子供はカラフルで、丸いものが好きなので、絵のタッチは変えてもらいます」と言われ、タモリさんと二人でプンスカしたことを今でも鮮明に覚えています(笑)。
「少なくとも、俺が子供の頃は、そんなものに胸を踊らせなかった!テキトーなことを言うな!」と(笑)
#大人気ない
#ソッコーで断った
僕が子供の頃に好きだったのは宮崎駿の『天空の城ラピュタ』であり、『カリオストロの城』であり、『風の谷のナウシカ』であり、
松本零士の『銀河鉄道999』であり、『宇宙戦艦ヤマト』でした。
絵本で好きだったのは『ウォーリーをさがせ』と、絵本じゃないけど織田信長とエジソンの自伝が好きで好きで何度も読んでいました。
松本零士作品に出てくる宇宙人の“話し合いに応じてくれない感”がとにかく怖くて、目を背けながら、それでも夢中になって、何度も見ていました。
タモリさんとは「皆はどうか知らないけど、せっかく覚悟を決めて作り手にまわったのだから、俺達が子供の頃好きだったものを正直に作ろう」と約束しました。
そうして完成したのが0.03ミリのボールペン一本で描いた『Dr.インクの星空キネマ』で、そのイズムは今でも続いています。
サロンメンバーの皆さんからすると、何度も聞かされた話かもしれませんが、何度でも言いたいことがあります。
それは、『映画 えんとつ町のプペル ~約束の時計台~』の脚本が過去最高の仕上がりになったことです。
#ニヤニヤ
「よく、ここまで辿り着いたなぁ」と自分でもビックリしています。
でもまぁ、自分の中から出てきたものには違いなくて、子供の頃から今に至るまでに見てきたモノ達が、この場所に連れてきてくれたのでしょう。
そう考えると、子供の頃の僕の胸を踊らせてくれた作品、その作品を生み出してくれた作者、その作品を届けてくれたチームには感謝しかありません。
話が行ったり来たりして申し訳ないですが(一筆書きだから御勘弁!)、『Dr.インクの星空キネマ』の本の帯コメントは、タモリさんと、そして、松本零士さんにお願いしました。
帯コメントを書くような人ではないのは百も承知でしたが、「西野亮廣を生んだのはアンタなんだから責任とってよ!」と謎のオヤジ狩りを発動させて、話をまとめました。
#松本零士さんとは面識がありませんでしたww
帯コメントを書いてくださった御礼に、松本零士さん宅にお邪魔した日のこと。
御礼もそこそこに、二人で宇宙の話や変な町の話をしました。
「御礼」や「挨拶」なんてもんじゃないです。
「これ知ってる?」「何それ、ヤバくない?」といった調子で、1時間、2時間、延々と。
はじめて会った二人なのに。
https://www.gentosha.jp/article/22864/
タモリさんや、鶴瓶師匠、志の輔師匠、そして、松本零士さん…といった大先輩と話すときは、いつもいつも、昔からの友達のような関係になります。
大先輩には、「やっかみ」だとか「穿った見方」だとか「固定観念」のようなものが無く、僕が面白がっているものを真っ直ぐ聞いてくださるんです。
「もうチョイ、詳しく教えて」と。
僕はただ皆と一緒に面白いことがしたいだけのヤツなので、そういう風に受け止めてもらえると嬉しくなっちゃって、「他にもね、他にもね…」と喋っちゃう。
話が通じる人を見つけた嬉しさのようなものだと思います。
松本零士さんは、まだクリエイター1年生だった僕をたくさんたくさん誉めてくださいました。
今日あったばかりなのに、西野亮廣の可能性について、1時間も2時間も熱く語ってくださいました。
帰り道に、「これだけ期待されてるんたから、半端なことはできないぞ!」と思ったことを覚えています。
松本零士さんの訃報は『映画 えんとつ町のプペル ~約束の時計台~』の会議中に聞きました。
すぐに思い出したのは、あの日、友達みたいに二人でキャッキャッとハシャいだ夜のこと。
あの夜があったから今日のこの会議があることを思うと、失った寂しさよりも、感謝の波が大きく押し寄せて来ました。
寂しさが弱かったのは、どこに行ってもゴキゲン宜しくやってそうな松本零士さんの図太さも手伝ったのかもしれません。
どの町に行っても、相手が誰であろうと、「次、こんなことをやろうと思ってんだけど」と言ってそうだし(笑)。
「遠く時の輪の接する処で、また巡り会える」とは松本零士さんの言葉です。
また会えるといいな。
トレードマークのあの変な帽子をかぶっておいてもらえると助かります。
とりあえず、お墓の場所をコッソリ教えて欲しい。
『映画 えんとつ町のプペル ~約束の時計台~』を公開する時に「アンタが作ったんだよ」と報告に行きたいので。
友達にみっともないモノは見せられないので、頑張ります。
どうか、達者で。
西野亮廣(キングコング)
【追伸】
「https://salon.jp/nishino」を付けて今日の記事の感想を呟いていただけたら、西野がエゴサーチで見つけ出してニヤニヤします。
宜しくお願いいたします。
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