『意味』づくりにコストをかける

投稿日:2022.05.19 / 西野亮廣エンタメ研究所

※この記事の内容は外部に発信していただいて大丈夫です。



 

「画像処理で尻尾を引っこ抜いた『尻ザウルス』を作っています」という投稿を続けたところ、「見せてください!」の声が多かったのですが、確実に皆様の期待を越えられないことが分かっているので見せることができないキングコング西野です。
#お前ずっと何やってんの

さて。
今日は「『意味』づくりにコストをかける」というテーマでお話ししたいと思います。

「ここからの時代、どう考えたって『意味』が大事になってくるよねー」という話です。

 

買える応援は買え
 

時々、『ニシノコンサル』と称して、西野ごときがクソ生意気にコンサルをさせていただいているのですが、昨日のクライアント(相談者)は、東京・世田谷にある『BRASS(ブラス)』という糞オシャレな靴屋さん。

相談内容は「建物が古いので、どこかのタイミングで建て替え(あるいは増築)しようと思っているのですが、ご助言いただければ」というもの。

「自社フロア(店舗・工場・事務所)以外のスペースを販売or貸し出し」というパターンも候補としてあるそうです。

とても面白く、そして、とても重要なテーマだなぁと思いました。

先日投稿した「意味のあるプラットフォーム」という記事でも書かせていただきましたが、今、あらゆるものが【コモディティ化】していて(=性能・品質などに大差がなくなり、顧客からみて「どの会社の製品やサービスも似たようなもの」に見えるようになっていて)、「安い」や「便利」だけでは選ばれなく(選べなく)なりました。

それと同時に、日本では「人口(お客さんの総数)が減っている」という問題が起きています。

要するに「安いものを、たくさん売る!」という勝負ができないわけです。

さて、この時代は、どのように土地(物件)を扱うのが正解なのでしょうか?
実は、ちょうど、この件について考えているところでした。

皆さん御存知、兵庫県・川西市で進めている「町づくり」のこと。

大きな土地を買って(追加で二回ほど買い足した)、そこにアパートを建てようと思っているのですが、目の前の売上のことだけを考えると、そりゃ、『部屋数』を成るべく増やした方がイイに決まっています。
敷地いっぱいに建物を建てた方がイイし、二階建てよりも、三階建ての方がイイ。

だけど僕らのチームのコンセプトは『look up』です。
敷地いっぱいに背の高い建物を建てて、空を塞いで(見上げる理由を無くして)いいんだっけ?

いいわけないです。

僕らの役目は、空を広くする(見上げる理由を増やす)ことで、「その為に背の低い建物にしました(=空を買いました)」の方がイケているし、そんなチームは応援したくなる。

ここで経営の天秤にかけるのは、「家賃40部屋分」と「家賃20部屋分+ブランド代(応援代)」です。

空を買って、家賃収入を捨てることと引き換えに得られる「ブランド代(応援代)」には相場が無く、プライスレス。

これからの時代に獲りにいかなくちゃいけないのは明らかにブランド(応援)で、土地もお金も時間も、ブランド(応援)を創造する為に使った方が良さそうです。

BRASSさんには、そんな話をさせていただきました。

 

ある靴屋さんの物語
 

そこからBRASSさんとは(建物の話はそっちのけでww)「サービスの中に、どう『意味』を持たせるか?」という話になりました。

話を聞くと、BRASSさんのブーツは一つずつ手作りで、途中まで作っていても、納得がいかなかったらボツにして、またゼロから作ることも少なくないそうです。

基本、お客さんは「完成品」しか見ないわけですが、僕だったら、僕の靴を作ってくださっている時に「納得がいかない!!」と作り直してくれたりしたら、(申し訳なさもあるけれど)そこまで本気で向き合ってくださっていることが嬉しいし、そんな『物語』を経て完成したブーツには一際愛着が湧きます。
#子育てのような

そこで「売らなきゃいけないのは、そこ(制作過程の物語)じゃないですか?」とBRASSさんにご提案させていただきました。

僕なら「自分のブーツ」ができるまでの物語をBRASSさんのYouTubeにアップしてくださって、我が子のアルバムを見返すように、いつでも見れるようにしていただければ、ブーツ代以外のお金を支払います。

それこそが「相場がない商品」です。

YouTubeも、「再生回数」や「チャンネル登録者数」を目的としたものではなくて、基本的には「BRASSさんと僕」が時々見返すモノでいい。

オーダーメイドの一生モノのブーツを買うのなら、どうせなら「生まれてくる様子」は残しておきたいです。

そういった感じで、『便利なブーツ』ではなく『意味のあるブーツ』に仕立てていくことが重要なんだと思います。
そして、これは他のサービスでも同じこと。

「自分の商品に、どうやって『意味』をのせるか?」という議論が、今この時代には求められているのだと思います。

現場からは以上でーす。

【追伸】

https://salon.jp/nishino」を付けて今日の記事の感想を呟いていただけたら、西野がエゴサーチで見つけ出してニヤニヤします。
宜しくお願いいたします。

【BRASS】
https://instagram.com/brasstokyo
 

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