プロジェクト運営のための「シナジーマップ」の重要性

投稿日:2023.08.14 / 西野亮廣エンタメ研究所

※この記事の内容は外部に発信していただいて大丈夫です。



 

おはようございます。
スケジュールの都合上、同じ台風に二度も遭遇することになるキングコング西野です。

さて。
今日は『生産性の無い定例会議はソッコーでやめた方がいいけど、この定例会議は絶対にやった方がイイ!』というテーマでお話ししたいと思います。
 
 

電導率
 

小学校低学年の頃に起きた「ミニ四駆」ブーム(※ビックリマンに負けないぐらいの大大大ブーム!)は小学校高学年の頃には一旦落ち着いたのですが、僕の地元(というよりも僕の友達まわり)では高校時代にブームが再燃。

小学校低学年の頃とは違って、今度は『美術・技術』の授業で会得した確かな知識と技を兼ね備えた高校生が臨む「ミニ四駆」でしたので、そりゃあもう、大変な仕上がりでした。

小学生の頃の改造といえば「軽量化」や「空気抵抗」でいっぱいいっぱいでしたが、高校生にもなると「電気伝導率(※電気を通す性能)」まで考えるようになり、「モーターに無駄なく電気が運ばれているのか?」「無駄なく運ぶには、どの金属パーツ(ターミナル)を使えばいいんだ?」といった議論がなされるようになりました。

余談ですが、この当時の僕は『川西陸軍自転車部隊』と呼ばれる魔改造自転車同好会(※一番フザけた自転車を作ることを競うグループ)にも所属していて、「溶接」や「電気」まわりの知識&技術を無駄に持ち合わせていました。
その男が(工場のオジサン達を味方につけて)作る「ミニ四駆」ですから、凄いのなんのって!

話を戻します。

「ミニ四駆」の改造に関しては、どれだけ上手に軽量化しても、どれだけ空気抵抗を考えても、どれだけ良いパーツを揃えても、結局のところ、それら一つ一つが有機的に繋がっていることが一番大事で(※たとえば電気伝導率が低いと、モーターの回転速度が落ちる)、フザけた話ですが、この原体験が、僕の今の仕事に繋がっています。

昔から僕がよく言っている「シナジーマップ」がそれです。

「シナジーマップ」というのは、自分が取り組んでいる複数のプロジェクト同士「AD(Advertise)= 宣伝・集客」と「ID(Identity)=世界観・ブランディング」と「¥=お金」の流れを可視化した地図のこと。

【※参考動画】→https://www.youtube.com/watch?v=MsYVLEW5EFs&t=17s

結局は「ミニ四駆」の改造と同じで、各プロジェクト(各パーツ)がどれだけ大きなパフォーマンスをしても、そこで生まれたエネルギーが次に繋がっていなかったら、まるで無駄で、リーダーはここの「伝導率」の向上(エネルギーの動線設計)に常に努めなければなりません。
 
 

分からない時代だからこそ「動線」が大事
 

今日、あらためてこの話をさせていただくのは、おもくそ「自戒を込めて」なのですが…AIが入ってきたあたりから(いや、もっと前から)、いよいよ未来がどっちに進むのかが分からなくなって、以前にも増して「よく分からないけど、とりあえず、いろんな分野に種を蒔いておく」をやるようになりました。

『バンドザウルス』なんかがイイ例です。

あれなんて、回収のアテがあって始めたわけではなくて(誰かに求められて始めたわけでもなくて)、「こんな時代だし、とりあえず『AIネイティブのアーティスト』を作っておくか…」ぐらいの気持ちで始めた結果、気がつきゃ幕張メッセです。

ある日突然終わらされてしまう今の時代、一つの収益源で進むのはあまりにも危険で、ある程度「分散」させておく必要があるわけですが、どこに張ればいいのか分からない。

だから「とりあえずいろんな可能性に張っておく」となっている人が多いと思うのですが(僕はそうです)、この時、ついついコンテンツ(パーツ)の開発に目がいってしまいます。

僕らは今、時代に急かされる形で仕事を作らされているわけですが、今日の記事の冒頭で申し上げたとおり、どれだけ上手に軽量化しても、どれだけ空気抵抗を考えても、どれだけ良いパーツを揃えても、結局のところ、それら一つ一つが有機的に繋がっていないと意味がありません。

「気がつけば『いっちょ噛み』のプロジェクトだらけ(※各プロジェクトを売る為に、各プロジェクトごとに宣伝をしなきゃいけない)」となっている人は少なくないのではないでしょうか?

ここは本当に気をつけた方がイイ……というか「気持ちの持ちよう」では必ず見落としてしまうので、会社やチームを持たれている方は四半期ごとに定例会議を設けて、「シナジーマップ」の見直しをした方が良い。

「自分達のプロジェクトで有機的に回っていない箇所はどこなのか?」
「それを回すにはどうすべきなのか?」
「それとも切り捨てるべきなのか?」

という話し合いを(強制的に)した方が良い。

偉そうに語っていますが、CHIMNEY TOWNでも上手くいっていないことは全然あって、「作ったけど、これ、誰が責任を持って売るの?」は頻繁に起きているし、「販売の仕組み化」に手をつけられていない商品なんて山ほどあって、これ(作って終わり)だと作るだけ無駄というか、若手社員の「仕事のやりがい」のオカズになって終わりです。

「シナジーマップをこまめに見直していく」は今、多くのチームに求められていることだと思います。

ちなみに今年2月におこなった「舞台『テイラー・バートン』の予算会議(アーカイブ)」のオンラインチケットが、ここに来て売れているそうです。

【テイラー・バートン予算会議】
https://chimneytown.us/ja/products/2-17-budgetmeeting

作品を観てくださった方が「この舞台は、どうやって作られたんだ?」と興味を持ってくださったのでしょう。
これを受けて「へー」「やったー」と言って終わっちゃダメで、ここにニーズがあることが分かったのならば、ここにお客さんを流す動線を作るのがプロです。

明日の夜(22時)に舞台『テイラー・バートン』の冒頭20分をYouTubeで無料公開するのですが、その概要欄に「オンライン配信チケット」の案内(リンク)と、そして、「オンライン予算会議」の案内(リンク)を入れておいた方が良いでしょう。
#それ以外の情報は要らない

ザッキー、よろ。

とにもかくにも、一にも二にも「動線」です。
一度、見直してみてください。見直す機会を定期的に設けてみてください。

現場からは以上です。

【追伸①】
https://salon.jp/nishino」を付けて今日の記事の感想を呟いていただけたら、西野がエゴサーチで見つけ出してニヤニヤします。
宜しくお願いいたします。

【追伸②】
10月28日(土)に幕張メッセで開催する大盆踊り大会『えんとつ町の踊るハロウィンナイト』の参加チケットはコチラ↓
https://l-tike.com/concert/mevent/?mid=698180

【舞台】『テイラー・バートン』冒頭20分を無料公開!!
https://youtu.be/ZvBe1Ol22pQ

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