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よくよく考えたら、『これから書く本』を先に販売するって凄くイイかも

投稿日:2022.12.12 / 西野亮廣エンタメ研究所

※この記事の内容は外部に発信していただいて大丈夫です。


おはようございます。
今朝、Voicyを収録&配信した夢を見て、Voicyを収録&配信することを忘れていたキングコング西野です。
 
さて。
今日は「よくよく考えたら、『これから書く本』を先に販売するって凄くイイかも」というテーマでお話したいと思います。
 
さっそく本題です。
 
 

修正しながら売れる
 

まだ一文字も書いていない最新刊『夢と金』の販売(予約)をスタートさせたことで、担当編集の袖山さんが震えています。
 
「大丈夫かしら?」「間に合うのかしら?」という震えです(笑)。
 
ご心配をおかけして申し訳ないなぁと思いつつも、「よくよく考えたら、『これから書く本』を先に販売するって凄くイイかも…」と思っているのが世界のNISHINOです。
 
というのも、お客さんの反応を見ながら書くこと(修正)ができるので。
 
「お客さんの反応を見ながら書く」だけであれば、これまでだって(サロン内でコッソリと制作過程を公開という形で)できたわけですが、それは「販売」を先に置いていたんですね。
 
なので、制作過程を見て「おお!いいじゃん!」となっても、その商品を購入することはできなかった。
 
今回は「勿論、ここから修正をかけますが、とりあえずラフはこんな感じっす」という感じで中身を共有しながら、お客さんの反応を見て修正をかけながら、販売することができる。
 
勿論、これは「書いてない本の予約をスタートさせてください」というハチャメチャなお願いが通らないとできないこと(出版社と著者の信頼関係がないとできないこと)なので、一般的には使えない打ち手ではありますが、しかし、イイ打ち手だなぁと思っています。
 
そんなこんなで、今日のサロン記事は最新刊『夢と金』の第1章『たったの知識不足で命を落とすな』のラフを共有したいと思います。
 
サロンメンバーさんからすると「すでに知っている話」ではありますが、このあと(2章以降) 「脱・完売思考」「ラグジュアリー戦略(決定版)」「NFTとDAO」…といった話に展開する前に、絶対に(親子で)インプットしておかなきゃいけない内容なので、『夢と金』の冒頭に書かせていただきました。
 
勿論、今日、皆様に共有するのは「ラフ原稿」で、ここから修正をかけます。
「ああ、今回の本はこんなトーンで進んでいくんだなぁ」と思いながら読んでいただけると幸いです。
 
#本の内容の全てをサロンに共有することはありませんので御安心ください
それでは、どうぞ!
 


 
 

【夢と金】たったの知識不足で命を落とすな
 

日本の「自殺者数」は世界第3位で、「自殺率」は世界第10位あたりをウロウロしているそうだ。
 
 自殺の動機は年齢によって違ってくる。
子供の自殺の動機の1位は「いじめ問題」で、その次あたりに「生活の困窮」。
大人の場合は1位が「健康問題」で、その次あたりに「生活の困窮」がくる。
ちなみに、犯罪の動機は、「生活の困窮」が、ブッちぎりで第1位。
 
僕らは、お金が回らなくなったら、自殺を選び、犯罪を選ぶ。
 
このような結果が出ているのに、日本の大人は、子供達に「お金」の話をしない。
お金の「守り方」の話も、お金の「作り方」の話も何もしない。
 
それどころか、「お金」について真面目に語る人間を「銭ゲバ」と嘲笑し、「はしたない」と侮蔑し、お金オンチを量産し、日本の子供達の自殺率と犯罪率の向上に貢献している。
 
極めて犯罪に近い行為だが、残念ながら彼らにその自覚はない。
何の悪意もなく子供達の自殺と犯罪の後押しをしているんだ。
キミの親や、学校の先生はどうだ?
 
貴方はどうだ? 貴方の子だろ? 
ちゃんと勉強して、ちゃんと守ってやれ。
 
知識不足で失われる命があることを知った方がいい。
 
▼ 知床遊覧船沈没事故は何故起きたのか?
 
 2022年4月23日に観光船「KAZU I」が知床半島沖で沈没し、乗客・乗員合わせて26名全員が死亡した。「知床遊覧船沈没事故」だ。
 
連日、メディアは運行会社の社長にカメラとマイクを向け、勢いそのまま日本人は国民総出で彼をタコ殴りにした。
会見で、どこか他人事のように振る舞う彼の態度は責任者のそれではなく、酷いもんだった。何を食べれば、あんな仕上がりになるんだろう?
 
ただ、これは知っておいた方がいい。
 
世の中にヒューマンエラーはない。あるのはシステムエラーだけだ。
「人に失敗をさせるシステム」に不備がある。
 
なので、個人を吊し上げたところで事故の「原因」は取り除けない。
事故の「原因」を取り除かない限り、また同じ事故が起こる。
 
「原因」とは、「ある状態や変化を起こす“もと”となるもの」のことだ。
メディアは、「整備不良」や「無理な運行」を、事故の「原因」としたが、見誤るな。
それらは「過程」だ。
 
「原因」とは、「なぜ、整備不良のまま海に出たのか?」「なぜ、無理な運行を続けたのか?」といった質問の解だ。
 
そのまま「なぜ?」と繰り返すと「整備できなかった」「無理な運行をせざるをえなかった」になり、さらに、「なぜ、整備できなかったのか?」「なぜ、無理な運行をせざるをえなかったのか?」と問い続ければ、最後は「お金」という「原因」に辿り着く。
 
「お金が無かったから」だ。
 
 知床は、2006年7月に「世界自然遺産」に登録され、そこから年間平均100万人(2006年は235万人)の観光客で賑わっていたが、コロナ禍で観光業は大打撃を受けた。
 
 追い込まれた遊覧船の運行会社は2020年7月1日に(4社合同)でクラウドファンディングを立ち上げ、支援を募った。
 2020年7月の時点で会社の運転資金がショートしていることが伺える。
 
 事故直後、その支援ページは消され、今はもう確認できなくなっているが、こんなことになるだろうと思って、支援ページの文章(全文)やリターン(支援品)の内容は勿論のこと、「支援者数」「支援総額」といった全ての数字を控えておいた。
 このあたりの抜かり無さは、さすが西野先生。
 僕らは事故から学ばなくてはいけない。
 
 支援ページには、「国・北海道からの営業自粛要請によりゴールデンウィークから5月末までは運航することが叶わず、6月に入っても需要減退により最少催行人員不足で運休となる日が続き、前年比で6月は95%ダウン、7月は77%ダウン、8月は80%ダウン…」という運行会社の厳しい状況が書かれていた。
 この様子だと、船の整備に充てる「お金」も無いし、安全運行を最優先する余裕も無い。
 
資金ショートが原因になって起きた事故なので、解決策は「経営の見直し」になってくるが、経営は中に入ってみないと分からない。
外にいる僕らは、憶測で語るのではなく、「外に出ている事実」から、「ここは、もっとこうできたよね」という議論を始めるべきだ。
 
目を向けるべきは例のクラウドファンディングだ。
リターン(返礼品)を見てみると、『オリジナルTシャツ』が6000円で出ている。
支援者数は94名。計算が面倒臭いので「約100名」とする。
 
6000円×100名で、このリターンの支援合計は60万円。
ここから「サイトの手数料」が約10%引かれたとして、54万円。
「デザイナーにデザインを発注した」と書かれてあったので、仮に「友達価格」で見積もって、「デザイン費」は4万円といったところ。
残りは50万円。
「Tシャツの制作代」が一枚約1000円だとして、100枚だと、10万円。残りは40万円。
「Tシャツの配送料」が約250円だとして、100枚だと2万5000円。残りは37万5000円。
配送は自前でやらなくちゃいけないので、人件費もかかる。
諸経費もろもろ差っ引けば、30万円残れば良い方か。
 
問題は「この30万円を手にするために、大人が数名かかりでクラウドファンディングの宣伝活動を一ヶ月半続けた」という点。時給はいくらだ?
このクラウドファンディングを見ると、全体の支援総額こそ「622万円」となっているが、リターンの原価が高いモノが多く、人件費がかかるものもあり、300万円残れば良い方だ。
それを4社で割るわけだから、一ヶ月半をかけて、一社に入ってきたお金は約70万円といったところか。
これでは、(社員を抱える)会社は持ちこたえられない。
 
どこまでいっても「タラレバ」の話になるが、もしも、このクラウドファンディングで、各社に200万円が入っていれば、船の整備はできていたかもしれないし、無理な運行を減らせることができたかもしれない。
事故は防げたかもしれない。命は救えたかもしれない。
 
彼らに足りなかったのは「クラウドファンディングの知識」だ。
 
クラウドファンディングが日本に来たのは2011年。
もう10年以上前だ。なぜ、知識を仕入れていない?
『オリジナルTシャツ』なんて、クラウドファンディングのリターンの鬼門中の鬼門だ。
クラウドファンディング初心者がまず最初に手を出して失敗するリターン(返礼品)が『オリジナルTシャツ』だ。
 
「『誰も要らないもの(リターン)』を作ることにお金と時間がかけて、お金を集める」とはどういう了見だ?
今回の目的は何だ? 
Tシャツを売ることか? 
違うだろ。
 
ニーズの無いものを販売することにコストを割いて、お金を作っている姿を見せたら、「この人はお金の計算ができない人だな。支援したところで、お金を溶かしそうだから支援するのはやめておこう」と思われるだろう。
いいか?
お金は「お金を上手に使ってくれる人」のところに集まる。
 
クラウドファンディングを仕掛ける時は、リターン(返礼品)で無駄弾を撃つな。
リターンのラインナップで「お金について考え抜いている姿」を見せろ。
 
 こんな議論は、2011年で終わっていた。
 僕のオンラインサロンで話そうものなら、全員からアクビが漏れる。
 だけど、当時、ほとんどの日本人は耳を傾けなかった。
 当時の日本人が、クラウドファンディングをした人間にどんな言葉を投げたか知っているか? 覚えているか?
 「詐欺」「宗教」…このあたりだ。
 
覚えておくといい。
 
クラウドファンディングで支援にブレーキをかける一番の理由は「ログイン」だ。カード番号を打ち込んだりしなきゃいけないアレ。
 
「支援するのはいいんだけど、ログインが面倒くさい」という声が方々で上がっている。
つまり、クラウドファンディングでより多くの支援を集めたいと思うのであれば、自分の半径50メートル圏内にいる人達に「ログイン」しておいてもらう必要がある。
 
もしもキミが過去、「クラウドファンディングは詐欺だ〜」「クラウドファンディングは怪しい宗教だ〜」と叫んでいたら、キミの周囲には、当然、「クラウドファンディングにログインしていない人間」が集まっている。
 
そんな中、コロナに襲われたキミが「やっぱり僕もクラウドファンディングをします!」と言ったところで、もう手遅れだ。
キミに支援は集まらない。
 
キミのまわりにはクラウドファンディングに後ろ向きな人間しかいないからだ。
キミの未来を潰したのはキミ自身だ。
そしてキミは、キミの周囲の人間の可能性も潰している。
 
 知らないものを否定するな。
中身を確認せず、批判を繰り返した皺寄せがここに出ている。
人の命に関わる問題だ。
恥じろ。そして、こんなバカなことは今日で終わらせろ。
 
説教はここで終わり。
いろいろ厳しいことを言っちゃって、ごめんなさい。
ここからは勉強の時間だ。
夢の現実を学び、強くなれ。
 
(※西野亮廣最新刊『夢と金』 第一章「たったの知識不足で命を落とすな」より)
 
#この内容を子供達に届けてあげてください
 
【追伸】
 
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