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イラストを描く際の演出テクニックを少しだけ

2018.04.19 / 西野亮廣エンタメ研究所


ワンポイントアドバイス(イラスト編)


昨日、コメント欄に投稿したところ、意外と評判が良かったので、あらためて、タイムラインに投稿しておきます。
(※イラストに興味がない人はゴメンね)

現在制作中の絵本『ほんやのポンチョ』を例に出して、イラストを描く際の演出テクニックを少しだけ。

添付した画像は『ほんやのポンチョ』のワンシーン。
これまで売り物にならないと思われていた「ポンチョがついついメモ書きをしてしまった本(しるし本)」を見つけた少女が、「この本、面白い!この本には、あなたがいる!」と言う場面。

感情曲線がクイッと上がるところなので、それを演出する為に、事前に雨を降らせておいて、このシーンで雨を止ませます。

つまり、このシーンでは「雨上がり感」を出さなければならないわけですね。
では、どうやって「雨が上がったぞ~」という感じを演出すればいいのでしょうか?

画像を交えて、説明していきます。

画像1
①こちらはラフ画。「この辺にキャラクターを配置して、背景は、こんな感じ」というのをサササッと描き、チームで完成イメージを共有し、その後、キャラクターを一旦外して、背景を仕上げていきます。

画像2
②そして、仕上がった背景がコチラ。
てるてる坊主もいて、窓には水滴がついていて、どうやら外も晴れていますが、しかし、まだまだ「雨上がり感」が弱いです。

ここで、使うのがコチラ↓

画像3③写真を撮った時に現れる「ゴースト」や「フレア」と呼ばれる“現実世界では存在しない光”ですね。(光の線や、光の輪)

たしかに、肉眼で光をみても、こんなものは存在しない(つまり現実世界では存在しない)のですが、
生まれた時から手元に写真(カメラ)がある僕らからすると、この光(ゴーストやフレア)は当たり前のように存在していて、光を放つ太陽や街灯は、ゴーストやフレアを放っていると脳ミソが信じこんでいます。

それを利用して、こう↓

画像4④カメラで撮らないと存在しないハズの「ゴースト」や「フレア」を、イラストにブチ込むわけです。
これによって、「お!陽が射した!」と僕らの脳ミソは判断します。

どうですか?

さっきよりも「雨上がり感」が増した気がしませんか?
アニメーションではよく使われる技術ですが(『君の名は。』では連発していた)、これを『絵本』という紙媒体に落としこんでみると、なかなか面白いです。

試してみてくださいな(*^^*)

以上、『ワンポイントアドバイス(イラスト編)』でした。

画像5⑤最終的に、こうです(*^^*)

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