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『テンパる人』には、相当の職場(給料が安い仕事)しか与えられない

2024.01.11 / 西野亮廣エンタメ研究所



おはようございます。
猫がオッサンみたいに仰向けになって寝ている画像をスマホの待ち受けにしようか迷っているキングコング西野です。

さて。
今日は「『テンパる人』には、相当の職場(給料が安い仕事)しか与えられない」という、なんとも耳の痛いテーマでお届けしたいと思います。

さっそく本題です。
 
 

「面白がる」の重要性
 

衝撃の「聞いてた話と違うやんっ事件」から一夜明け、ミュージカル『えんとつ町のプペル@NY』のクリエイティブチームは猛烈な巻き返しを図っております。

昨日の記事で分かるとおり、(ブロードウェイの民…ていうかアメリカ人は)ものすごい朝令暮改で、見上げた二枚舌なのですが、面白いのが(#面白がっているのは西野だけ説)、今回のように「OK」が出ていたものが直前になってNGになることもあれば、その逆で、「NG」を出されていたものが直前になってOKになることもある。

直前になって「あの~…ちなみに、もっとやれますよ(機会損失)」を知らされることもあるんです。
そっちの「聞いてた話と違うやんっ」もあるんです。

これに関しては「この人達はそういう人達だから」という“悟り”が必要で、幸いなことに度重なる海外トラブルで、西野および数名のスタッフは、この“悟り”を開いております。

というわけで、「再び直前でNGを出されてもダメージが無いようにミニマムで作りつつ、直前で『これはOKですよ』と言われた時の為にDXバージョンのスタンバイもしておきましょう」と、二枚舌シフトを組むことにしたのですが……昨日の大事件をキッカケにスタートした「ミニマムで作る」が、これはこれで面白かったりします。

本来は安全策のハズが、ものすごくクリエイティブなんです。

たとえば…

昨日(公演1週間前になって)突然言い渡された①「俳優の出ハケ禁止」や②「スモーク禁止」に対して、僕らは「記号(ルール)を作って乗り切る」という手を打つことにしました。

①「俳優の出ハケ禁止」に関しては、ステージ上に(舞台袖の壁にそって)キャストの人数分だけ椅子を並べて、「椅子に座っている時=舞台袖にハケている」という“ルール”にしてしまう。

②「スモーク禁止」に関しては、上半身だけで表現できる“スモークダンス”を開発して、「椅子に座っている俳優がスモークダンスをする=ステージ上は煙でモックモク」という“ルール”にしてしまう。

そういった感じで、「俳優が○○をしている時=本番の舞台では△△という演出がなされている」と、“あらゆるアクションを記号化して”(ルール決めをして)、その記号をシレーっとお客さんに覚えていただき(記憶の中にすりこんで)、お客さんにステージ上のビジュアルを想像してもらう。

これは、歌舞伎の「隈取り(顔面のメイク)」に近い表現方法ですね。

隈取りって、「赤色のライン=正義、青色のライン=悪、茶色=バケモノ、幽霊」みたいな“ルール”になっているんです。
おそらく早着替え(スピード感のあるキャラチェンジ)を実現する為に、こういった記号化が必要だったのだと思います。

そんなこんなで、今回の舞台も、その方向(記号化)で攻めることを決めたら、今度は…

「『風が吹いている状態』を記号化するには、俳優にどんなアクションをさせるのが良いのだろう?」

とか、

「『暗転』を記号化するには、俳優にどんなアクションさせるのが良いのだろう?」

という思考実験が始まって、「二回以上出てこないと記号化できない」という面白い問題も出てきたりなんかして、実に楽しい。

(※注)「雨」を記号化しても、雨シーンが一回しかなかったら、それが「雨」だと認識できない。

いろいろ白紙になっちゃったけれど、「それならそれで、その方向でやってやる🔥」でやっているうちに、『住めば都』みたいな雰囲気が出てきました。

この期におよんで、ミュージカル『えんとつ町のプペル』のニューヨークチームは、「それ面白いじゃーん!」「なるほどー、その方法もあるねー!てんさーい!」と盛り上がっているんです。
#地獄の翌日の景色がコレ

話をまとめます。

どれだけの困難が降りかかろうとも、結局のところ「気持ちの持ちよう」で、それだけに、今回のような見通しが見えないチャレンジ(VUCA)において、「思いどおりにいかなかった時に、その状況を面白がれない人」(カリカリしたり、ヒステリックになったり、目がバッキバキになる人)は、チームにとって地雷(負債)以外の何者でもない。

月並みですが、「やったろやないかい!」と、スパッと気持ちを切り替えられる仲間(ピンチを面白がれる仲間)をどれだけ揃えているか?が全てです。

昨日、スタッフを集めて、一番最初に「慌てるな。カリカリするのも禁止」と言ったのですが、一番最初に言っただけあって、これが一番大切。

僕はよく後輩達に「テンパってんじゃねーよ」と言うのですが、普通の人間と喋っていると「テンパる」を生理現象のように(「しかたないことだよね」や「そういう性格だもんね」で)片付けてしまっている節が見られます。が、そこは訓練で治さなきゃいけない。
#仕事をする上で必須となるコミュニケーション能力や計算力や英語力を身につけるように
#練習しなきゃいけない

厳しいことを言うと、窮地に追いやられた時に、いとも簡単には目がパキパキになっちゃうようなヤツは戦線には連れていけない。
そういう人間が一人混じっているだけで、チームのバランスが崩れてしまうので。

なので、今日のメッセージとしては「常に、面白がる訓練をしときなさいよ。『テンパる』を治療できていない人間が働ける場所には限界があるよ」といったところです。

ブロードウェイ戦はまだまだ続きます。
やったりますわ🔥

現場からは以上です。

【追伸①】
「 https://salon.jp/nishino 」を付けて今日の記事の感想を呟いていただけたら、西野がエゴサーチで見つけ出してニヤニヤします。
宜しくお願いいたします。

【追伸②】
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