「IPの扱い方」と「自分達のアドバンテージ」について、あたらめて考えよう

投稿日:2022.10.15 / 西野亮廣エンタメ研究所

※この記事の内容は外部に発信していただいて大丈夫です。


おはようございます。
相方の「お風呂配信」を30分観てしまったキングコング西野です。
#ふざけるな

さて。
今日は『「IPの扱い方」と「自分達のアドバンテージ」について、あたらめて考えよう』というテーマでお話ししたいと思います。

ちょっと耳の痛い話になりますが、ヘソを曲げずに聞いていただけると嬉しいです。
#すっごい大切な話です

さっそく本題に入りたいと思います。

 

目の前にあるものが見えなくなる


何度も言っていることではありますが…
料理経験ゼロの僕が当てずっぽうで作り始めた「肉じゃが」に対して、主婦の方は「ああ、これは確実にマズくなる」という判断がかなり早い段階でできると思います。
そしてその主婦の判断は確実に合っている。

入れなきゃいけない調味料を入れず、入れちゃいけない調味料を入れるのが料理素人・西野です。
 
主婦の方が何度も何度も「美味しい肉じゃがを作るなら、ヨーグルトは入れちゃダメだよ」と言っているのに、「逆に、ヨーグルト入れたら美味しくなるかも!」「やってみなくちゃ分からないじゃないか!!」と言って、肉じゃがにヨーグルトを入れるのが料理素人です。

「見えている人」と「見えていない人」がいて、たくさん経験をつんだ人は、やっぱり見えているし、素人は何も見えていない。

エンタメ(クリエイティブ)もそれと全く同じです。
僕は、この世界に22年ぐらいいて、ずっと結果を出しているので、皆さんが作るエンタメの着地点は、皆さんよりもずっとずっと見えています。

「確実に失敗する方法」はミリ単位で把握しているので、見つけた時点で「それは、やめた方がいい」とお伝えするようにしています。が、「やってみなくちゃ分からないじゃないか!」という方が少なくありません。

オンラインサロンやDAOまわりで、最もよく見かける失敗は、「自分達でゼロから作ろうとする」です。

「お客さんの満足度」よりも、「作りたい自分」を優先してしまっていて(だったら家でやればいい)、「知り合いのデザイナー」に頼み、目も当てられないデザインを仕上げ、その結果、順当に集客に苦戦し、身内だけでワイワイ。
そんな光景をよく見ます。

オーケストラには「指揮者」が必要で、エンタメの現場には「監督」が絶対に必要です。
クリエイターの暴走(自己満)を抑えたり、全体のバランスを整えたり、予算を投下するポイントを設計する人です。

知り合いのデザイナーに投げて「あとはお願い」をすると、大体、そのデザイナーさんの自己満デザインしか上がってこない。

そして、あなたは監督経験がないので、そのデザイナーさんのミスをミリ単位で指摘できない。

ちなみに、そこで自己満デザインじゃなくて、一発目から確実にホームランを打ってくれる超デザイナーさんがいたとしたら、その人はとっくに引っ張りダコになっているので、貴方が連絡を取ることはできません。

さて。
今日は、この話をメインでしたいわけではありません。
話は、ここから。

いつも「ゼロ→1」をやっちゃう人や、DAOの人達にも言っていることなのですが……『えんとつ町のプペル』を使えるポジションにいるんだから、使った方が良くないですか?

僕が当たり前のように「使っていいっすよ〜」と言っちゃっているので、結構な人が麻痺していると思うのですが、「『えんとつ町のプペル』が使える」って、メチャクチャ異常なことなんです。

普通、あんなの(エンタメ業界の一線でバキバキにやっている人達の共同作品)使わせてもらえないんです。

CHIMNEYTOWNとか、吉本興業とか、電通さんとか、スタジオ4℃さんとか、幻冬舎さんが、メチャクチャ大目に見てくれていて、特例中の特例で、使ってイイ感じになっているんです。

たとえば、少し手厳しいことを言うと(応援してるからだよ!)、大阪の『えんとつ町のハロウィンフェス』のメインビジュアルに入っているアイテムは「かぼちゃ」と「ティムバートン風のグルグルの枝」と「十字架」と「ヨーロッパの古い建物」と「魔女の帽子」です。
#一番よく見かけるハロウィンのデザイン

「なんで、『えんとつ町』というIPを使っておきながら、“どこにでもあるハロウィン”を作っちゃうの? 煙突があった方が良くないっすか?(※煙はあったけど)」という話なのですが、どっこい、使えるIPを正しく使わずに「俺オリジナル」をブチかましてしまう。

そういうデザイナーさんのオナニーに対して、優秀な監督はそれを絶対に許さない。
半人前の僕なんかでも時々現場で叫んでいます。
「そんなことをやりたいのなら、自分の個展(単独ライブ)でやれ」

これもやっぱり「お客さんの満足度」よりも、「作りたい自分」を優先した結果でしょう。
#皆が待ってるのはそれじゃない

目の前に、大間のマグロがあるのに、それは使わずに、自分達でヤキソバを作っちゃう感じ。
今は、大阪のハロウィンフェスを例に出していますが、これ他にも色んな場面で思います。

いつも当たり前のように目の前にあるから、その価値を忘れてしまっている。
自分で(作者本人が)言っちゃうと少し説得力に欠けますが、メチャクチャ勿体無いと思っています。

素人のオジサンオバサンが作る「0→1」のエンタメには本当に誰も興味がないし(あなたも知らない素人オジサンのクリエイティブに興味無いでしょ?)、せっかく「1→100」の切符を持っているのだから、そこを正しく選んだ方がいい。
#勝ち戦をした方がいい

繰り返しになりますが、「使える有名なIP」なんて本来無いんです。
ここを今一度、サロンやDAOの皆で共有しておくと、もっともっと面白い場所に行けると思います。
耳の痛い話してしまってゴメンなさい(ホントに!)。

現場からは以上です。

【追伸】

https://salon.jp/nishino」を付けて今日の記事の感想を呟いていただけたら、西野がエゴサーチで見つけ出してニヤニヤします。
宜しくお願いいたします。

https://youtu.be/45I_FwyIJmI

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