潮流より、竜骨(りゅうこつ)を見ろ

投稿日:2022.12.23 / 西野亮廣エンタメ研究所

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おはようございます。
エンターテイメントと化粧品をお届けしているキングコング西野です。
#いよいよ何屋さん

さて。
今日は『潮流より、竜骨(りゅうこつ)を見ろ』という難しいタイトルでお届けしたいと思います。 
西野の造語(ことわざ)で、結構、元も子もない話です。

 

無理なものは無理
 

「竜骨」というのは船の背骨のことで、結論から言っちゃうと、すっごい残酷な話なんだけど…竜骨が歪んだ船は、どれだけ手を加えようが、どれだけ優秀な船頭を乗せようが、どれだけ潮の流れに乗ろうが、沈むんです。

「その船が目的地に辿り着くのか、それとも航海の途中で沈んでしまうのかは、ほぼほぼ最初の段階で決定しているよね」という。

別の言い方をすると、「竜骨が腐った船の上での努力は全て水の泡になる」という話。

残酷だけど、これが現実で、結果が求められる世界線(ビジネスシーン)では「どこで努力するか?」を正しく選ぶことが、努力することよりも遥かに重要なのに、「努力」を優先して、「努力する場所(自分の限りある時間を注ぐ場所)選び」を後回しにする人って、多くないっすか?

僕のオンラインサロンに入られている方ならば、「デザイナーはお金をかけてちゃんと選べ!下手なデザイナーに任せると、売りにくい商品を売る作業になるので、時間もお金もメチャクチャかかるかから!」という話を4万回ぐらいは聞いたことがあると思うのですが…

現実はどうかというと、

『ニシノコンサル』で相談を受けた会社の商品やHPのデザインがウンコすぎるのを見つけ、「これは、どなたにデザインを頼んだのですか?」と聞くと、「友達のデザイナーさん(だって安くやってくれるから)」と返ってくることが珍しくありません。

掘り下げて話を聞くと、「なかなか良いデザインがあがってこなくて、何度も何度もやりとりして、これで…」と困り果てていて…

これなんて、「竜骨を見ろ」の最たる例で、その船をなんとかしようとする経営者の努力は報われないんです。
お金も時間も溶ける一方。

もっと言っちゃうと、「竜骨が歪んだ船の上での努力」は「努力」と呼んじゃダメです。

「努力」というのは、「確かな竜骨を選び、そこに助骨や甲板や帆を付け足していく作業」のことなので。

僕は主に日本とアメリカしか知らないので(世界200ヵ国の文化を知らないので)、アメリカと比較した日本しか語れませんが、日本人は、すぐに「近くにいる人」と組んじゃって、身内でやりくりしちゃうイメージがあります。

IT界隈は若干違いますが、たとえば演劇シーンで、「あの人をチームに引っ張ってこよう」とか「乗る船を変えない?」みたいな話になることはあまりありません。

CHIMNEYTOWN USAがやっていることって、それとは違っていて、「今、ブロードウェイのNo.1振り付け師は今年のトニー賞にも連続ノミネートされた『エレノア』だから、彼女を口説き落とそう」という話をしています。

瀬戸口と小野さんが何度かアタックして、脚本を送って、リーディング公演を観に来てもらって、公演終わりのレセプションパーティーで、稀代の人たらしNISHINOが「一緒にやろうよ」と口説いて、仲間になりました。

「どの船に乗るか?」「誰と努力をするか?」がメチャクチャ重要(これが、ほぼ全て)で、繰り返しになりますが、この作業(場所選び)をスッ飛ばした上での努力は「努力」と呼んじゃダメ。
確実に報われないから。

そういえば、絵本作家になることを選び、「雛壇」に出ることを拒んだキングコング西野についた山口トンボが、当時、同業者から「泥船に乗ったな」と揶揄されたそうですが、彼ら(同業者)が見ていたのは潮流であり、竜骨ではありませんでした。

潮流は変わりますし、変えれますが、
竜骨は変えられません。
見なければいけないのは竜骨です。

 

乗る船を正しく選ぶには…
 

「日本人は、すぐに近所の人同士で集まって、内々でやりくりしようとする…」という一方で、人見知りを発動させているわけでも、意固地になっているわけでもなく、「そもそも自分達が乗っている船が最高だと思っている」というケースがあると思います。
#というかコレがほとんど

実際は「竜骨が歪んでいるのに」です。

そうなってしまう原因はシンプルで、「外の世界を見ていない(外交していないから自国の商品の価値が分かっていない)」です。

自分の現在地は、他者との比較でしか割り出せません。
「見ること」にコストを割かなかったら、自分達が生み落としたウンコさえ輝いて見える。

『えんとつ町のプペル』が試金石として面白いなぁと思うのは、たくさん見てきた人ほどサクッと参加してくださるんです。
#鼻につく話で申し訳ないです

「乗っかった方が良くないですか?」と言っても、「いやいや自分達で頑張ります!」という日本の地方の人達に対して、ブロードウェイのキャストさんやクリエイティブスタッフさんは「絶対にやるっ!」といった感じ。

たくさん見てきた人の方が口説きやすいんです。

でも、そりゃそうなんです。
『えんとつ町のプペル』の竜骨を見れば一発で、「星を見る」という世界中の人にとって超普遍的なテーマで市民権を獲得していて、オチから何から全員が知っている状態で、10年前に生まれた作品が先週も劇場を満員にしている。

普通に判断すれば、「ここに自分の才能を乗せた方がいい」となる。

でも、たくさん見てなかったら、それが分からないんです。
後輩達には「もっと見ろ」と伝えています。

それは、つまるところ「乗る船を誤るな」ということですわ。
#急に関西弁  

現場からは以上です。

【追伸】

https://salon.jp/nishino」を付けて今日の記事の感想を呟いていただけたら、西野がエゴサーチで見つけ出してニヤニヤします。

宜しくお願いいたします。

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