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編集して

2018.02.17 / 西野亮廣エンタメ研究所

編集して


《第2稿》です。
可能なかぎり、575調にしたいです。

━━━

『しるし書店』(※もっとキャッチーなタイトルを付けたい!)

クマハチは、ほんやさん。

あさ は たうえのおてつだい。
ひる は おばあの にもつ もち。
いつも みんなのおてつだい。
じぶんのことは あとまわし。

(お婆さんの荷物を持っているクマハチ)

おかげで おみせは、かんこどり。
きょうも おきゃくが おりません……

(『熊八書店』肩肘をつくクマハチ)

ところがどっこい クマハチは、
おきゃくがいないということを、すっかりわすれて どくしょにむちゅう。

(本棚から一冊の本を取り出すクマハチ)

すきなページに おりめ をつけて、
だいじなぶぶん に せん をひき、
きづいたことを メモメモメモ。

(ペンを片手に本を読むクマハチ)

ほんは、すっかり『しるし』だらけ。

これでは おきゃく に うれません。
ところがどっこいクマハチは、「ガハハハ。これじゃあ、売れねえや」

(気づけば「しるし」だらけになった本を片手に、笑うクマハチ)

あるとき、1人の おんなのこ がやってきました。
おんなのこ はレジに置いてある 一冊の本に手を伸ばします。

クマハチが うっかり『しるし』を入れてしまった本です。

(しるし本を手に取る少女)

「その本は『しるし』を入れちゃって、売り物にならなくなったんだ。ガハハハ。」

おんなのこ は いいました。

「どうして? この本、とっても面白いわ」

(しるし本を読み進める少女。困惑するクマハチ)

「この ほん をよめば、おじさん がおもしろがっていることがわかる。これは せかいにひとつだけの ほん よ」
おんなのこは「『しるし』が入っているから面白い」と言いました。

(しるし本の良さを熱弁する少女)

「ガハハ。もともと売り物にならねえ本だ。持ってってくれ」

さすがに、タダで受け取るわけにもいかず、おんなのこ は自分がとても大切にしていた犬のヌイグルミを、クマハチにプレゼントしました。

(犬のヌイグルミを受け取るクマハチ)

次の日、評判を聞きつけた町の人達が、店に押し寄せました。

「しるし本をくださいな」

皆、他人の為に生きるクマハチが、普段、何を考えているのか、気になっていたのです。

(店の前に大行列)

クマハチが読んで、クマハチが「しるし」を入れた本だけを置く、クマハチの本屋は連日大盛況。

「はやく『しるし本』を作って」と皆がクマハチを急かします。

大好きな読書が仕事になるなんて思いもよらず、クマハチはとても幸せな毎日を送りました。

(大盛況の本屋。しるし本を作っているクマハチ)

あるひ のんきな ひるさがり
ポンチョがてつだい していると
ちゅうざいさん が かけてきて
こえ も からがら さけびます
ポンチョの ほんや が もえてるぞ

(荷物持ちのお手伝いをしているクマハチのもとに、駐在さんが走ってきて、叫ぶ)

店は激しく燃えていました。

何年もかけて集めた大好きな本は、あのゴウゴウと燃える炎の中。
火の勢いはどんどん強くなっていきます。その時でした。

(町の人達が消化活動にあたるが、勢いよく燃え上がる『熊八書店』)

「オイラの宝物を助けないと!」

なんとクマハチは、燃え上がる店内に飛び込んでいったのです。

(炎の中に飛び込んでいくクマハチ)

火の勢いは強く、誰も店に近づけません。

町の人たちは、ただただクマハチの無事を祈るばかりです。

(火の勢いを前に、何もできない町の人達)

まもなく、燃えさかる店からクマハチが出てきました。

服は焦げ、身体中に火傷をおったクマハチ。

そのクマハチが、炎の中から命懸けで持ち出してきたものを見て、町の人たちは驚きました。

(炎の中から、命からがら飛び出してくるクマハチ)

犬のヌイグルミでした。

何十年も守り続けてきた店や、大好きな本が燃えてしまったというのに、クマハチは おんなのこ から貰った犬のヌイグルミを町の人達に自慢気に見せて、「助かったぜぇ。ガハハハ」と笑います。

(犬のヌイグルミを持って笑うクマハチ。唖然とする町の人達)

次の日、おんなのこ がやってきました。

おんなのこ は、自分の家から持ってきた古本をクマハチに渡しました。

「ここにクマハチの『しるし』を入れて、店で売ってちょうだい」

(焼け跡に佇むクマハチに、古本を渡す少女)

そして、町の人達が次々とやってきました。皆、自分の家にあった古本をクマハチに渡します。

「子供の頃に読んだ本なんだ。ここにクマハチの『しるし』を入れてくれよ」

「この小説をクマハチはどう読むかなあ。『しるし』を入れてとくれ。また買いに来るよ」

(古本を持った人々が焼け跡に集まる)

20

気がつけば、たくさんの古本が集まっていました。

「この古本にクマハチの『しるし』を入れとくれ」

誰よりも町の人達を愛したクマハチは、誰よりも町の人達から愛されていたのです。

(焼け跡にたくさんの本が集まる)

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まちの みな から もらった ほん の
すてきなページに おりめ をつけて、
だいじなぶぶんに せん をひき、
きづいたことを メモメモメモ。

そうして、町の人たちは、クマハチの『しるし』が入った せかいにひとつだけのほん をもとめて、また やってきたのでした。

(しるしを入れるクマハチ)

22

(『しるし書店』という看板が出ている。賑わっている)

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