「こういう狙いで、このデザインにしたよ」というメチャクチャ具体的な話

投稿日:2022.10.20 / 西野亮廣エンタメ研究所

※この記事の内容は外部に発信していただいて大丈夫です。


おはようございます。
2ヶ月分ぐらいのウンチが出たのですが、絶対にそんなに食べてないキングコング西野です。
#寝てる間に食わされている疑惑
 
さてさて。  
 
皆様も個人で販売サイトを作る機会もあるかと思いますので(今は無くても今後あるかもしれないので!)、今日は、レンタルスペース『見上げる家』の予約サイト(https://iookup.base.shop/)を例に出して、「こういう狙いで、このデザインにしたよ」というメチャクチャ具体的な話をしたいと思います。
 
何かの参考にしてください。
 
「ウチの社員さんに読ませたい!」という経営者さんはコチラ
https://salon.jp/nishino-corporatemember/
 
 

運用コストを極限まで下げる
 

商品を作って、たくさん売ったところで、販売員をたくさん雇ってしまうと赤字になります。
#作らない方がマシ
 
サービスも同じで、「運用コスト」が高くなりすぎてしまうと、どれだけ評判の良いサービスを作ろうが、会社的にはマイナスです。
 
大切なのは「運用コストを下げること」で、『見上げる家』に関しては、「1人も雇わないし、西野の1ヶ月の稼働時間は5分ぐらい」をゴールにしました。
 
端末が2つあれば、『見上げる家』の予約サイト(https://iookup.base.shop/)を見ながら、記事を読み進めてもらえると分かりやすいと思うのですが…
#無理なら大丈夫よん
 
まずは…運用コストを下げるために、商品を365個(365日分)出しました。
 
「1月1日」という商品と、「1月2日」という商品と、「1月3日」という商品……みたいな感じで、お店には『日付』が商品名になっている365個の商品が並んでいます。
 
それを「20○○年1月」「20○○年2月」…といった感じで、12個のカテゴリーに分けました。
 
お客さんは、まず「カテゴリー(月)」を選んで、その次に「商品(日)」を選ぶ…という感じ。
 
なので、ツータッチで目的地に辿り着きます。
 
このサービスの運用にかかる主なコストは月に1度「2022年10月」というカテゴリーを「2023年10月」に書き換えるだけ。
 
たぶん、20秒ぐらいあればできます。
 
購入してくださった方には、鍵の暗証番号が入ったメールを送るのですが、コチラは事前に用意しておいた文章をコピペするだけなので、10秒ぐらいあればいけそう。
 
なので、全日売れたとしても(あり得ないけど)、1ヶ月の稼働は320秒ほど。
5分チョイでしょうか。
 
運用コストは、こんな感じです。
1人が月に5分あればできる仕事ですが、頭の悪い企業だと、この仕事に2人ぐらい雇っちゃうので、気をつけましょう。
 
話を進めます。
 
 

そもそも『見上げる家』を利用する人って、どんな人?
 

ここからはサイトのデザインに関わってくる話です。
 
大切なのは『見上げる家』の輪郭を正しく把握し、「どういう人が利用するのか?」を正しく知ること。
 
『見上げる家』でいうと、「競合がいない」というのが1つあります。
つまり、『目的地』になっている。
 
川西(滝山界隈)で「いい感じのレンタルスペース無いかなぁ~」と探している人は1人もいなくて、『見上げる家』を利用される人のほとんどは「見上げる家に行くぞっ!」という鼻息の荒い変な人です。
 
これが他のレンタルスペースとの大きな違いなわけですが、「これによって、予約サイトにどのような違いが生まれるか?」というと…
 
「トップページに施設案内(取り扱い説明書)を載せるか、載せないか」
 
です。
 
大好きなミスチルのライブに行って、前説のオッサンが出てきて、「ミスチルとはMr.Childrenの略で…」と説明し始めた日にゃ、蹴り倒したくなると思うのですが、まさにアレで、『目的地』には説明は要らない。
 
丁寧に説明すればするほどストレスに繋がります。
 
「予約サイトだから全員が見れる場所に説明をキチンと入れなきゃ」は思考停止もいいところで、引き出しに収納した方がイイ情報は、引き出しに収納した方がイイ。
 
「火気厳禁!」とかは、トップページには要らないんですね。
なので、『見上げる家』の予約サイトのトップには『予約カレンダー』を置きました。
 
このあたりは「目的地となっているサービス」か「競合がいるサービス」かで、デザインが変わってくるので、意識しておいた方が良さそうです。
 
 

取りこぼしがあるとしたら何か?
 

ココを今回頑張りました。
#1人でやったんだよ
 
「目的地となる場所(見上げる家)が、取りこぼしてしまうお客さん」は、どんな人か考えてみたんです。
 
やっぱり、取りこぼすよりも、取りこぼさない方がいいので。
 
いろいろシミュレーションしてみたのですが、「誕生日に使いたい」という需要はありそうです。
自分の誕生日か、嫁の誕生日か、子供の誕生日に。
 
「誕生日に『見上げる家』を借りよう!」と思ってサイトを開いた時に、誕生日の日程が出ていなかったら、「じゃあ、また誕生日が近づいた時に予約しよう」となるわけですが、誕生日が近づいた時には忘れている可能性もあります。
 
さすがに機会損失もいいところなので、1年先まで予約できるように『予約カレンダー』を1年分出しておきました。
 
これで、「誕生日に使おうと思ったけど、まだ予約できない」「あ、忘れてた」が無くなりました。
 
「『見上げる家』で誕生日会をすることを前提にスケジュールを組む」という流れは全然ありそうだなぁと思っています。
 
ザッと説明しちゃいましたが、サービス(商品)の引力によって、サイトのデザインが変わってくるということが伝われば嬉しいです。
 
映画脚本執筆の合間(休憩時間)に、こんなサービスを作っていた世界のNISHINOです。
 
最後にこの記事を読まれた経営者さんの気持ちを代弁させていただきます。
 
「こんな社員が欲しいっ!!!!!!!」
 
現場からは以上です。
 
【追伸】
 
https://salon.jp/nishino」を付けて今日の記事の感想を呟いていただけたら、西野がエゴサーチで見つけ出してニヤニヤします。
宜しくお願いいたします。
 
https://iookup.base.shop/

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