おはようございます。
日曜日の今日は仕事のゴリゴリした話をお休みして、今ボンヤリと思っていることを、とくに着地点を設けずに(一筆書きで)綴りたいと思います。
上手くまとまらない気もしますが、そこは西野のキュートさで誤魔化したいと思います。
押忍!
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『映画 えんとつ町のプペル』を公開したあたりから、自分の(作品以外の)発信が、多くの日本人のニーズとズレていることは自覚しています。
ちなみに数年前に出版した『革命のファンファーレ』というビジネス書の副タイトルは「〜現代のお金と広告〜」。
お金」と「広告」は全てのサービス提供者にとって必要な情報(自分ゴト)ですから、やはり面白がってもらえるのですが、ここ最近の西野の発信ときたら「作品制作の話」だったり、ようやくマーケティングめいた話をしたと思ったら「ブロードウェイの牙城の崩し方」ときたもんだ。
#誰得のハウツーやねん
ただ、世界のエンタメシーンに出た時のコミュニケーションツールは「フォロワー数」でもなければ、「T Vレギュラーの本数」でもなければ、なんなら「英語」でもありません。
一番のコミュニケーションツールは「作品」で、圧倒的な作品さえ作っておけば、ギリシャ語が喋れなくても、ギリシャ人と繋がることができます。
これらは世界中の映画祭を巡って痛感しました。
#そういえば今週からフランスでプペルが公開されます 。
今、ブロードウェイに仕掛けていますが、現地の才能が集まらないことには勝利はありません。
そして、現地の才能を集めるのは、「お金」でも「英語」でもなく、「作品」です。
ついでに言うと、(昨日の記事でも少しお話ししましたが)Web3の世界でのコミュニケーションツールも「作品」で、日本ではまだまだ浸透していませんが、この時代に、僕ら(あなたも)が手を伸ばすことができる最大のビジネスは「作品制作」です。
世界では、「クリエイター」が最も力を持つ時代がとっくの昔に始まっていて、それは自分達の得意領域だったので、「ありがたい時代が巡ってきたなぁ」と思いつつ、
一方で、日本とのズレを感じつつ、「そのうち日本にもWeb3やクリエイターエコノミーの波が来て、普通に皆と話せるようになったらイイなぁ」と願いつつ、今日も元気に生きています。
さて。
昨夜も遅くまで『映画 えんとつ町のプペル ~約束の時計台~』の脚本執筆と向き合っていました。
街に「火の雨」が降り、待ち人が来なかった男の物語なのですが、昨日は「火の雨」のシーンを書いていました。
昨日(8月6日)は奇しくも、広島に原子爆弾が投下された日です。
「現実とたまたま重なる」というのは〝作品制作あるある〟で、「あ。まただ」という印象。
ちなみに「パンデミック」を描いた絵本『チックタック ~約束の時計台~』を発表した直後にコロナがやってきました。
いつも重なります。
ただ、今作に出てくる「火の雨」というのは、空襲や爆弾のことではなく、僕らの日常を時々襲う「どうしようもないもの」の比喩です。
それは過去、僕の人生にも現れました。
昔から応援してくださっている方はご存知だとは思いますが、僕にとっての「火の雨」は、梶原君を失踪(精神分裂症)まで追い込んだ時代の流れです。
まだ若かった僕らには、どうすることもできなくて、結果、キングコングの時計の針は止まり、僕は何を始めることもなく、家の中で一人「ただ、ひたすら待つ」という日々を過ごしました。
結果的に3ヶ月ほど、家の中で一人で待っていました。
今回の物語の下地になっているのは、その当時の思い出です。だから、やたらと筆が重いんです。
今回は、ずっとずっと奥にしまいこんだ思い出をエグり出す作業です。
なかなか厄介ですが、しかしながら、こうして「物語に昇華できる経験」を持っているのは、作り手としては何よりもの財産です。
たぶん、当時はそこそこツラかったと思うのですが、どうにかこうにか持ちこたえてくれた、あの日の自分に感謝です。
前作では日本中から攻撃された思い出に決着をつけましたが、今回は、それよりももっと前の思い出である「梶原君を待っていた3ヶ月」に決着をつけにいきます。
「自分が動いちゃうと、アイツが帰る場所がなくなる」
「止まってるんじゃない。待ってるんだ」
このあたりのメッセージを上手に描けたら、皆さんの胸に届くかもしれません。
今日も頑張ります。
暑い日が続いているので、しっかりと水分をとってくださいね。
それでは素敵な日曜日を。
西野亮廣(キングコング)
【追伸】
「https://salon.jp/nishino」を付けて今日の記事の感想を呟いていただけたら、西野がエゴサーチで見つけ出してニヤニヤします。
宜しくお願いいたします。
https://youtu.be/3KwfNuzYmnM
今ボンヤリと思っていることを(一筆書きで)
投稿日:2022.08.07 / 西野亮廣エンタメ研究所
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