おはようございます。
日曜日の今日は仕事のゴリゴリした話をお休みして、今、頭の中にボンヤリとあるものを、出てきた順に垂れ流したいと思います。
鼻につく内容も含まれているかとは思いますが、全体的には「感謝しています」という感じのメッセージになると思います。
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「昔話や苦労話を始めちゃったら終わりだな」と思っているのですが、ここを触れないと本題に向かえないので、まずは昔話から。
ほとんどの方が知らないと思いますが、僕(キングコング)は大阪ミナミの地下劇場生まれ&地下劇場育ちで、19歳の頃は毎週「チケットノルマ」を課せられていました。
「チケットノルマ」というのは、「ステージに立ちたかったら、チケットを買いなさい」という鬼契約で、僕らはコンビで毎週20枚…と言いたいところですが、僕らは一番下っ端だったので、先輩芸人のチケットも買わされて(先輩に「これ、売っといて」とチケットを渡される)、毎週50枚ほどチケットを手売りしていました。
もちろん、売れ残ったら「自腹」です。
スケジュールが埋まってしまって手売りができない週は「数万円支払ってステージに立つ」という有り様で、その当時は月給が2~3万円ぐらいでしたので(ひどい時は800円。月給だぞ!)、なかなかハードでした。
んでもって、チケットがビックリするぐらい売れないんですコレが(笑)
そりゃそうです。
なんば高島屋の前を歩く人を半ば強引に掴まえて、よく分からん二十歳そこらの二人組が「キングコングと申します!!今からネタをやりますんで、笑ったら、劇場に来てください!」と謎交渉を始めるんだもん。
100人が100人警戒していました。
梶原君と二人で「チケットを売る用の短いネタ」を作っていって、手当たり次第アタックしていくわけですが、スベるわ、罵声を浴びせられるわ、酔っ払いに蹴られるわ。
結果的に、「チケットを1枚売ることが、そして、人から興味を持っていただくことが、こんなにもシンドイんだ」ということを、骨の髄まで知りました。
重要な時間だったと思います。
あれから20年。
新しくファンになってくれた人が、なぜファンになってくれたのか?
離れていった人は、なぜ離れていったのか?
応援し続けてもらう為には、どうすればいいのか?
何を選んで、何を選んじゃダメなのか?
毎日、ほんとうに毎日、たくさんたくさん考えて、たくさんたくさん仮説検証を繰り返して、今、僕は(舞台屋からすると)奇跡と呼べる環境にあります。
武道館でポンポンッとライブができるなんて普通じゃないし、出演者をまともに公表していないのに幕張メッセ(3フロア)のチケットが即完するなんて、聞いたことがありません。
チケットって本当に売れないんです。
とくに「エンタメ」の。
#講演会の方がまだラク
舞台・ライブだけじゃありません。
出版にしても、奇跡のような環境にあります。
西野亮廣が「『夢と金』は今年一番売れたビジネス書です」と言ったところで、皆さんからすると見慣れた景色で、とくに話題にすることもないでしょう。
ですが、ベストセラーなんて簡単に出せないし(そもそも出版社から本を出せない)、「今年一番」なんて更に。
#日本では毎日200冊の新刊が出ています
アニメーション映画にしてもそう。
処女作をヒットさせて、いきなりアカデミー賞をいただきましたが、そんなの聞いたことない。でも、そのおかげで今は2作目を作らせてもらっています。
ミュージカルもそうか。
2作目でブロードウェイ挑戦なんて、聞いたことがない。
ブロードウェイは「挑戦するのはタダ」という世界ではなく、たくさんの条件が揃わないと、そもそも挑戦すらさせてもらえないのですが、僕らはブロードウェイ戦の出場切符を2作目でいただけました。
僕は今のこの状況が、なんば高島屋で酔っ払いから蹴られながらチケットを手売りした延長線上にあることを知っています。
今立っている場所が「神様がある日突然プレゼントしてくれた打席ではない」ということを、毛細血管の先まで理解しています。
奇跡のようなチャンスをいただいていて、
目眩がするほど大きな挑戦をさせていただいています。
他の誰よりも努力してきた自分と、やっぱり応援してくださるファンの皆様、スタッフの皆様のおかげです。
そんな中、「うまくいかないな」と思っていることが2つあります。
1つはCHIMNEY TOWNの若手が、この数十年に一度にあるかないかの、この奇跡のような状況に気がついていないこと。
集客の苦労をしたことがない彼らに「集客をナメるな」「もっと早いうちから、丁寧に丁寧に告知をしろ」と何度言っても、あまり響きません。
生々しい話をすると、彼らが本当の意味でこの奇跡の重みを知るのは、CHIMNEY TOWNを卒業した先輩方(元社員 ※インターン生ではなく)が、集客で地獄を見て、何年たっても自分のエンタメを始められない現状を見た時か、自分がその立場になった時。
ただ、「痛い目に遭わないと学習しない」は、動物と一緒なので、先輩としては、そうなる前に学習して欲しいと思います。
昨日、YouTubeのチャンネル登録者500万人のオリラジの中田がオリエンタルラジオ(RADIO FISH)の年末ライブのチケットを12時間かけて手売りをして、ようやく120枚ぐらい売っていたけれど(偉いぞ!中田!)、あれが集客の現実です。
#1時間で10枚
死屍累々のエンタメ村において、CHIMNEY TOWNが過ごしているこの時間は、一度手放したら、もう二度と帰ってきません。
とはいえ、若手の勘違いも最近は少しマシになってきたように思うので、ここは根気強く言っていかないといけないのかなぁと思っています。
もう1つ「上手くいかないこと」は、今夜の『毎週キングコング』を観ていただけると少し伝わると思うのですが、
「西野亮廣が現在仕掛けている挑戦が、もうほとんどの人に理解できないものになっている」
ということ。
#梶原君やスタッフは理解してくれています
ブロードウェイのルールや難易度なんて誰も知らないし、「製作委員会の幹事となって長編アニメーション映画を作る苦労」なんて誰も知らないので、凄いかどうかが分からない。
多くの人にとっては「M-1に挑戦する」の方が、よっぽど大きな挑戦で、M-1の方が応援するに値する挑戦だったりします。
「これまでの芸人が誰一人としてやったことがない、とんでもないことをやってんだけどな…」という気持ちはあるにはあるのですが…これはまぁ、僕のアナウンス不足ということで、時間をかけて伝えていくしかありません。
話をまとめます。
もっと分かってもらえたら(というか、もっと普通に話すことができたら)、そりゃ嬉しいんだけれど、それもこれも「活動が大きくなったから生まれる副作用」で、この状況を嘆くよりも、やっぱり感謝すべきなんだと思います。
クリスマス・イブだろが何だろうが、問答無用で今日も仕事が山積み。
誰よりも努力をして、
誰よりも挑戦して、
時に、誰にも理解できない痛みを背負ったりしながら、
誰も見たことも、見せたこともない面白い景色に出会いたいなぁと思います。
もうすぐ天才万博だな。
#呑むぞ
今日も頑張ります。
一昨日あたりから急激に冷え込んできたので、暖かい格好をして、素敵な日曜日をお過ごしください。
西野亮廣(キングコング)
【追伸①】
「https://salon.jp/nishino」を付けて今日の記事の感想を呟いていただけたら、西野がエゴサーチで見つけ出してニヤニヤします。
宜しくお願いいたします。
【追伸②】
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ただの日記

2023.12.24 / 西野亮廣エンタメ研究所
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