おはようございます。
集合写真で恐怖をお届けしているキングコング西野です。
さて。
今日は「パッケージのデザインをあらためて考える」というテーマでお話ししたいと思います。
すべてのサービス提供者さんに通じる話です。
#たぶん
「キャッチコピー」の役割とは?
まずは、先週日曜日に配信されたVoicyのQ&Aで、西野がなかなか良いことを言っていたので、かいつまんで共有させていただきます。
「CHIMNEY COFFEE@渋谷の『頑張るあなたに小さな一息を』というキャッチコピーは、キャッチコピーの意味(役割)を果たしていない』…というところから始まったお話なのですが…
コーヒー屋さんのキャッチコピーとして、『頑張るあなたに小さな一息を』は間違っています。
「そもそも、『キャッチコピー』に正解or不正解があるの?」と疑問を持たれる方もいらっしゃると思うのですが…あるんです!
まず、『頑張るあなたに小さな一息を』というコピーは誰の胸にも刺さっていない。
なぜなら、“コーヒーってそういうもの”だから。
この事故が起きる理由は、「キャッチコピーの意味を認識していないから」に尽きます。
キャッチコピーの役割が何なのかが分かっていないまま、キャッチコピーを作ってしまっているので、キャッチコピーの役割を果たせていない。
キャッチコピーの仕事というのは、「描写」ではなく、「解決」なんです。
キャッチコピーは、新しい価値観の創造を提案しなきゃいけない。
#そして集客やブランディングに繋げなきゃいけない
そういう風に捉えると、コーヒーのキャッチコピーとして「頑張るあなたに、小さな一息を」は、「新しい価値観の創造」に至っていません。
たとえば、キユーピーマヨネーズのキャッチコピーとは『あなたの料理に、小さな後押しを』じゃないんです。
これだと「描写」なので。
「マヨネーズって、そういうもんじゃん」という。
キユーピーマヨネーズのキャッチコピーは『愛は食卓にある』です。
こうすることで、「お料理を丁寧に作ろう」「お料理を丁寧にいただこう」に意識が向くわけです。
「その時のお供としてのキユーピーマヨネーズ」なわけです。
あとは語感も大事ですね。
「音楽のある生活をおくろう」というキャッチコピーよりも、「NOMUSIC NOLIFE」の方が刺さる。
キャッチコピーに求められるのは「解決」と「語感」であり、くれぐれも「描写」ではありません。
『えんとつ町のプペル』のキャッチコピーは「星を知らない町で、星を探す」ではなくて、「信じぬくんだ」です。
それは何の為にあるのか?
サービスをデザインする時にやらなきゃいけないのは、「サービスの雛型」にサービスを当てはめることではありません。
「商品を出す…となると、キャッチコピーがあった方がいいよね」でキャッチコピーを考え始めてはいけなくて、
キャッチコピーというものは、
「何の為にキャッチコピーが必要なのか?」
「この商品が抱えている問題(キャッチコピーで解決しなきゃいけない問題)は何なのか?」
…これをチーム全体で共有してから考え始めなければいけない。
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サービスデザインの一つ一つに意味(役割)があって、流れ作業で仕事をしていると、ついつい意味(役割)をスッ飛ばしてしまって、「これは、こういうものだから」で仕事を進めてしまいます。
デザインの一つ一つは「歯車」であり、技術者が各歯車の役割を理解できていない商品からはヒットは生まれません。
#以後お見知りおきを
前置きが長くなりましたが、ここからが本題です。
昨日、CHIMNEY COFFEE@渋谷でアルバイトをしたんです。
僕が毎日飲んでいるカフェ・オ・レベース(※メチャクチャ美味しい!)の手渡し会です。
※バチクソ旨いので飲んでみて!→https://chimney-coffee.com/products/shibuya-chimney-coffee-cafeaulaitbase-sweet-minorfiguresorganicoatmilk
その手渡し会で気になったのは、カフェ・オ・レベースのパッケージ(箱)です。
箱も丁寧に作られていて、とっても素敵なデザインなのですが、「…あれ? そもそも、この箱のデザインって何の為にあるんだっけ?」と疑問を持ちました。
というのも、カフェ・オ・レベースのパッケージにアクセスできている人(※手渡し会に参加してくださるお客さんや、ECサイトで購入してくださるお客さん)は、すでにその商品がCHIMNEY COFFEEの商品だということは認識しているわけで、にも関わらず、カフェ・オ・レベースの箱には「CHIMNEY COFFEEのロゴ」がプリントしてある。
「これはCHIMNEY COFFEEの商品ですよ」と説明してくれているわけですが、その商品を手にしている人は、そんなことは全員知っているんです。
これが「紙袋にロゴがプリントされている」だと、紙袋を持って歩いて貰う時に「お店の宣伝」になるわけだから理解ができるのですが、“個人的に”持つ箱にCHIMNEY COFFEEのロゴを入れる意味(その役割)は一体何だっけ?
考えれば考えるほど「かわいいから」以外の理由が見あたらないので、そこで、カフェ・オ・レベース(箱入り)を購入後のお客さんの導線を考えてみることにしました。
カフェ・オ・レベースを消費した後は「瓶」と「箱」が残るわけですが、この箱が本当によくできていて、捨てるのは勿体無い。
中の仕切りは取り外せるようになっているので(昨日、確認済み!)、「入れ物」として再利用できるんです。
友達にプレゼントを贈る時の「入れ物」として使えたりする。
だけどっ!
パッケージにコーヒーのロゴマークが入っているので「コーヒーの箱を再利用した」ということが相手に伝わってしまう。
小物入れとして再利用するにしても、「コーヒーの箱を再利用している」という意味が追加されてしまう。
箱の中に入れているモノが「コーヒー関連」のものでない限り、パッケージにあるコーヒーのロゴが摩擦を起こしてしまうわけですね。
「コーヒーのロゴ」は意味が強すぎるんです。
#ゆえに汎用性が低い
これは、あくまで仮説ですが(※だけど、こうして思考することが大事)、CHIMNEY COFFEEのカフェ・オ・レベースの箱には『コーヒー屋さんのロゴ』は入れない方がよくて、『CHIMNEY TOWN』という文字を箱いっぱいにプリントするか、あるいは、「えんとつ町」のかわいいからイラスト(絵本タッチ or CHIMNEY TOWN Landscapeタッチ)を入れて、汎用性を高くした方が、カフェ・オ・レベースの「箱ニーズ」が高くなりそうです。
#購入の動機が増えそう
…といった感じで、「箱のデザインって何の為にあるんだっけ?」と一つ考えるだけで、ここまで話が転がり、この作業の積み重ねの先に「ヒット」がある。
CHIMNEY COFFEEの箱はまだまだ在庫が残っていると思うので、それは消化するとして、次に発注するタイミングで箱のデザインを見直してみてもいいかもしれません。
今日のまとめとしては「思考を止めるな」といったところでございます。
現場からは以上です。
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