ビジネスの本質ってここだよな

投稿日:2022.06.17 / 西野亮廣エンタメ研究所

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こんにちは!
サロン記事の投稿時間から薄々お気づきかもしれませんが、時差の計算が面倒臭くなってきているキングコング西野です。
#ごめんなさい
#頑張ります

さて。
今日は(この時期に)ニューヨークに来てみて、「ビジネスの本質ってここだよな」と思った話をしたいと思います。


 

「無いもの」がある



メキシコ(カンクン)から、ニューヨーク入りして、5日ほど経ったでしょうか。
時間を見つけては、今年のトニー賞にノミネートされた作品を観てまわっています。

ちなみに今日は、戦時下で人種間の調和が破壊されていく様子が描かれた『パラダイススクエア』という作品を観ました。

昨日と今日で『A STRANGE LOOP』『SIX』、そして『パラダイススクエア』という順番で観たのですが、個人的には、『パラダイススクエア』が一番舞台っぽくで好きでした。
何も考えずに楽しめるのは『SIX』だと思います。

…という話を聞いて、どうですか?

作品の内容って、あんまり見えてこないですよね?
特に、英語が分からないと、楽しめる気がしないですよね。

ですが、『ライオンキング』や『アラジン』は、英語が分からなくても、内容はなんとなく知っているので楽しめそうです。

では、少し前の作品になりますが『Dear Evan Hansen』はどうですか?
2017年にはトニー賞で6部門を受賞した作品です……と言われても、内容をよく知らないし、何より英語が分からないのでコチラはチョット楽しめなさそう。

ブロードウェイを訪れる日本人観光客には、こういう「日本で知られている作品以外は楽しめるかどうか分からない。だって私、英語できないし…」という困り事が当たり前のようにあって、(さすが気づいている人は気づいていて)そういう人に向けて、日本語で『Dear Evan Hansenのあらすじ(ネタバレ)』を紹介しているサイトがあるんです。

そのサイトで「あらすじ」をインプットしていけば、英語が聞き取れなくても、「ああ、このシーンで、これを言ってるんだな」と脳内で日本語変換できて、舞台を楽しむことができます。

僕もよく利用させていただきますし、(なかなか一回じゃ会話が聞き取れない)歌舞伎や能を観に行く時も、そういった「あらすじ(ネタバレ)紹介サイト」を先に読み込んで行きます。
そうすると、舞台がすごく楽しめるんですね。

そんなこんなで、今回も『A STRANGE LOOP』と『パラダイススクエア』を観に行く前に、(日本人向けの)ネタバレサイトを観ようと思って検索したのですが…無いんです。

「ほぼゼロ」と言っていいほど、無いんです。

『Dear Evan Hansen』(@2017)ではあったのに、今年ものすごく話題になった『A STRANGE LOOP』と『パラダイススクエア』には無いんです。
理由はすぐに察しがつきました。

コロナで(移動が制限されていたので)日本人がそもそも観ていないんです。

『A STRANGE LOOP』と『パラダイススクエア』を観た日本人の絶対数が圧倒的に少ないんです。

あるいは、『A STRANGE LOOP』と『パラダイススクエア』は観て、日本人観光客向けに「ネタバレサイト」を作れる状況にあったかもしれないけれど、「そもそも日本人観光客がいないから(誰からも読まれないから)」という理由でやめたのかもしれません。

いずれにせよ、『A STRANGE LOOP』と『パラダイススクエア』のネタバレサイトが無いんです。

ただ、数字は正直に物語っていて、今年4月の日本人出国者数(推計値)は12万9200人で、2022年3月以降2年ぶりに「10万人」を超えています。
そして5月は14万7000人。
コロナ前に比べると「約95%減」という恐ろしい結果ですが、それでも2ヶ月連続で10万人を超え、海外旅行者は徐々に戻ってきているんです。

つまり、『A STRANGE LOOP』と『パラダイススクエア』の(日本人観光客向けの)ネタバレサイトにニーズが生まれるのは時間の問題で、今、このタイミングだと「皆が欲しいものが無い」んです。

サービス提供者の視点からすると「無いものがある」んです。

サービスの本質は「問題解決」で、「問題」が無いことにはサービスは生まれないのですが、今、この段階だと、「英語が分からないから、『A STRANGE LOOP』を楽しめるかどうか分からな〜い」という問題が「ある」んです。
#言ってること伝ってますか
#頑張ってください
 
仕事が生まれるのは「無いものがたある場所」で、この場所に立てるのは(今回の場合だと)「移動が難しい時代に、我先に移動したから」で、サービス提供者は、サービスのアイデアを寝る前に、こういう場所を探し、その場所に行くことにコストをかけることが大事なんだろうなぁと思いました。
 
この場所に立ちさえすれば、いくらでもビジネスは作れます。

たとえばCHIMNEYTOWN USAで仕掛けるなら(たとえばネ!)、『【ネタバレあり】徹底解説!これが「A STRANGE LOOP」だ』という動画をスコップ(藤森君)で撮って、 ミュージカル『えんとつ町のプペル』の公式YouTubeチャンネルにアップして、ミュージカル『えんとつ町のプペル』にお客さんを流すとか。

そうすれば『A STRANGE LOOP』が頑張れば頑張るほど、ミュージカル『えんとつ町のプペル』に興味を持つ人が増える。

「無いものがある場所」を見つければ、いくらでもビジネスは作れるので、「今、『無いものがある場所』ってどこだろう?」と考える癖はつけておいた方がいいかもしれません。
日本でも移動がボチボチ復活し始めているので、今が狙い目だと思います。

現場からは以上です。

【追伸】

https://salon.jp/nishino」を付けて今日の記事の感想を呟いていただけたら、西野がエゴサーチで見つけ出してニヤニヤします。
宜しくお願いいたします。

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