おはようございます。
今日のサロン記事は、いつもと毛色を変えまして、僕がスタッフに共有する指示書(設計図?)を公開したいと思います。
今回は講談社のスタッフさんに共有する絵本『夢幻鉄道』の広告戦略に関する指示書みたいなやつです。
それでは、どうぞ。
絵本『夢幻鉄道』プロジェクト
『課題』
「生成AIによって、オリジナル作品(完成品)で溢れた時代に、僕らは何を作るべきか?」
まずは、エンターテイメントの型(お客さんのニーズ)の推移を整理してみよう!
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これまでエンターテイメント(というか、全てのサービス)は、“プロが作ってお客さんにお出しする”『レストラン型』と、“お客さんが食べたいものをお客さんが作る”『BBQ型』に分かれていた。
【レストラン型】
・レストラン
・ホテル
・有名アーティストのコンサート
・映画、テレビ
・絵画展
【BBQ型】
・BBQ
・キャンプ
・カラオケ
・YouTube、TikTok
・お絵描き体験、塗り絵
それぞれにメリット・デメリットはあって…
『レストラン型』は、クオリティー(品質)が担保されている一方で、「自分が作る楽しみ」が無い。
『BBQ型』は「自分で作る楽しみ」がある一方で、クオリティーが担保されていない。
そんな中、「生成AI」がやってきて、お客さんが「クオリティー(プロ顔負けの作品)」を出せるようになり、子供から爺ちゃん婆ちゃんまでが、AIを使って描いた(ものすごーく上手な)絵をSNSで発信したり、NFTで販売したりして、なんだかウホウホと楽しそうにしている。
レストラン型とBBQ型の良いとこ取りの『ハイブリット型』のエンタメが、ここに爆誕した。
Customer(顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)を整理してみよう!
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【お客さんの今】
① SNSのタイムラインには毎日のように、「上手い絵(by生成AI)」が流れてくるので、「高いクオリティー」は見飽きている。
② YouTube、TikTok、Instagram、X、Facebook、Note、Pococha…といった発信手段(承認欲求を満たす手段)を手に入れ、常に「発信ネタ」を探している。
③ 販売する力(メルカリ)を手にしている。
【競合は何を作っているか?】
①「高いクオリティー」をドヤ顔で販売している。(※レストラン型)
② 買ったところで「ネタ」にならないモノを売っている。
③ 買わせている。
【僕らは何を作るか?】
① お客さんにAIで作らせる。(※ハイブリッド型)
② ネタになるものを売る。AIでは生成不可能な「思い出」を売る。
③ お客さんに売らせる(お客さんが売れるモノを、お客さんに売る)。
そんなこんなで、今日は②「ネタになるものを売る」と、③「お客さんに売らせる」を深堀りしてみる!(※ ①「お客さんにAIで作らせる」は、また今度)
「終着駅」でしか買えない絵本
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一番やっちゃダメなのは「講談社×西野亮廣」によるド派手な大宣伝。
お客さんからすると、そんなものを買ったところで「ネタ」にならないし、それに、大手の思惑に乗るのは、なんかちょっとイヤ!(※ド派手な宣伝は売れてから「勝負所」でやる。映画『えんとつ町のプペル』の公開時のような)
絵本『夢幻鉄道』を手に入れたことが(SNS等で発信できる)ネタになるような、絵本『夢幻鉄道』を手に入れるまでの道のりが思い出になるような、そんな届け方が望ましい。
そこで!
兵庫県川西市を走る「能勢電鉄」さんと組んで、能勢電鉄の終点「妙見口」に絵本『夢幻鉄道』の自動販売機を置いて、そこでしか買えないようにしちゃう!
「妙見口」までは、大阪の「梅田駅」から阪急電車(あるいはJR)でゴトゴト揺られて、「川西能勢口駅」で能勢電鉄に乗り換えて、そこからさらにゴトゴト。ナンジャカンジャで、梅田から1時間ぐらいかかります。
絵本『夢幻鉄道』は、本屋さんでも、Amazonでも買えないので、買うのがそこそこ大変。
でも、だからこそ、絵本『夢幻鉄道』を手に入れるまでの道のりが思い出になり、絵本『夢幻鉄道』を手に入れたことがネタになる(SNSやYouTubeで発信できる)。
【プチ情報】
・妙見山(妙見口にある山)は北極星の神様「妙見大菩薩」を祀る霊場(北極星信仰の聖地)。北極星は人の行き先を指し示す星々の王と言われ、星の動きを支配し、運気を好転させていることから、開運の神様としても知られている。
・妙見山は「妙なもの(亡くなった人)が見える山」で、心霊スポットとしても有名。
たぶん、こんな展開が待っている。
【展開①】
絵本『夢幻鉄道』の制作費はクラウドファンディングで集めるけど、リターン(返礼品)で完成した絵本を送るようなことはしない。
絵本『夢幻鉄道』は、くれぐれも「妙見口」でしか買えない。
となってくると、妙見口で絵本『夢幻鉄道』をまとめて買った人がメルカリで販売するムーブが必ず起きる。が、そこはニヤニヤしながら見守る。
【展開②】
妙見口駅に『夢幻鉄道×能勢電鉄』の「夢幻鉄道スタンプ」を置かせてもらう。
たぶん、絵本の巻末に「夢幻鉄道スタンプ」をペッタンと押すムーブが生まれる。
能勢電鉄からすると終点駅まで利用してくれるお客さんが増えるので、ちょっと嬉しい。
能勢電鉄の車内広告に「妙見口でしか手に入らない絵本があるよ~」的な宣伝が“能勢電鉄さんの方から”あるかも。ていうか、絶対にある(売り上げにモロに繋がるんだもん)。
【展開③】
「終着駅でしか販売しない絵本」が話題になれば、「ウチの鉄道でも!」と経営危機に陥っている田舎の鉄道から声がかかるかも。
その時は、「能勢電鉄編」を一旦終了して、夢幻鉄道の自動販売機を、お声がかかった地域の鉄道の終着駅にお引越しさせる。
先々(1~2年後)、本屋さんや、Amazonで販売すること(流通に乗せること)になった時は「表紙カバー」をゴッソリ変えて、「終着駅でしか変えない絵本」の価値をキチンと残す。
まとめ
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「急いでたくさん売る」「発売と同時に大ヒット!」よりも、時間がかかったとしても「面白いことをする!」が今ものすごく求められている気がします。
引き続きよろしくお願いします。
西野亮廣(キングコング)
【追伸①】
「https://salon.jp/nishino」を付けて今日の記事の感想を呟いていただけたら、西野がエゴサーチで見つけ出してニヤニヤします。
宜しくお願いいたします。
【追伸②】
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