フットサルをビジネスにしようとしている人が(たぶん)間違っていること

投稿日:2022.08.01 / 西野亮廣エンタメ研究所

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おはようございます。
アトリエの壁に「睨みをきかせている海老蔵プペル」を立て掛けて、すぐにサボる西野の監視をさせているキングコング西野です。
 
さて。
今日は『フットサルをビジネスにしようとしている人が(たぶん)間違っていること』というテーマでお話ししたいと思います。
一応、保険をかけて「たぶん」という言葉を挟んでおきましたが、お付き合いください。
 
 

ロウソクの売り方
 

このサロンに昔から入っている人からすると「意味変」は馴染みのある言葉だと思います。
その商品のもともとの「セールスポイント(使い道)」を変えて、新たに価値を生み出す行為です。
 
有名なところでいうと、「ローソク」などがそれにあたります。
「電気」というものが出てきて(出回って)、「部屋を明るくするのなら、電気の方がイイよね〜」となり、ロウソク市場は一旦は下火になりますが、どっこい欧州のロウソク市場は実は年々伸びています。

その理由はロウソクの意味が「明るくするもの」から「ぬくもりを感じさせるもの」あるいは「イイ感じに暗くするもの」に変わったことにあります。
明るくするなら「電気」、雰囲気を作るなら「ロウソク」となったわけですね。
 
※ちなみに日本だけは事情が違って、「火は危険」が勝ってしまって(日本っぽい!)、日本のロウソク市場は伸び悩んでいます。
#マメ知識
 
とにもかくにも、まぁ、「意味を変えることで価値を生む」は、他にもいろんな分野であって(ビックリマンチョコとか)、僕らは自分の商品の「意味」を常に疑う必要があります。
 
ちなみに絵本『えんとつ町のプペル』は、「読むもの」から「贈るもの」に緩やかに意味変をして(というか意味を追加して)、売り上げを伸ばしました。
 
 

フットサルの意味
 

そんな中、フットサルの話です。
 
昨日は、ファンタジー作家をきどった記事を書いた西野でしたが、こう見えて、ビジネス嗅覚は鋭く、ビジネスプランを聞くと、…
 
① 絶対に無理
② やってみなくちゃ分からない
③ 絶対に勝つ
④ お金になるけど面白くない
⑤ お金にはならないけど、面白い
 
の5つにすぐに分類する癖があります。
そして、まぁ、その仕分けはそこそこ正確だと思います。
 
個人的には①と④は絶対にやりません。
 
普段は「⑤に重心を置きながら、それだけだと回せないので③をやって、余裕がある時に②をやる」という感じです。
 
フットサルは初めて出会った時からブッチギリで③で、しかも「かなり難易度が低い」と感じました。
ところが、多くのフットサル運営者は「フットサルで食っていく」というところまで持っていけていません。
 
※趣味でやっている人は別。ここでは「フットサルをビジネスにしようとしているのに、できていない人」を指しています。
 
理由は明確です。
「(ビジネスにする際の)フットサルの意味を間違っているから」です。
 
フットサルを『スポーツ』のカテゴリーに入れてしまうと、そりゃ、
フットサルコートなんて自分達で借りれるわけだし、ボールもシューズも自分たちで用意できるし、
チーム分けなんかも自分でできるので、
参加者には「必要経費以外を支払う理由」がありません。
 
くわえて、「知らない人同士がやっているフットサルを観るのにお金を払う人」なんて地球上に存在しない。
 
つまるところ、フットサルをスポーツとして扱った場合は「キャッシュポイント」が一つもない。
当然、ビジネスとして成立するわけがありません。
 
僕がフットサルをした時に、毎度、声を枯らしてしまう理由が答えなのですが、フットサルをビジネスにするには、フットサルを『スポーツ』の棚に並べるのではなく、『コミュニケーションツール』の棚に並べる必要があります。
 
「LINE」や「マッチングアプリ」や「異業種交流会」の並びに、「フットサル」を並べる必要がある。
もしくは『ダイエット』の棚。
 
僕らが生きていくには、コミュニティーは必要で、とくに現代(人検索時代)は「ご贔屓さん」の関係を作れば作るほど、生活が安定します。
 
「商品の相場」や「移動距離」がバグるぐらいのズブズブの関係を作ることが、現代のサービス提供者にとっては最大の保険で、その関係を築けるのならば、フットサルコートのレンタル費に追加でお金を払います。
そんなものは、後からいくらでも回収できるので。
 
そうなってくると、フットサル運営会社のスタッフの仕事は一点、「コミュニケーションの潤滑油になる」です。
 
ほっておくと、お客さんは黙々とフットサルをやってしまいます。
しかし、それだと『スポーツ』になってしまうので、ビジネス的な価値がありません。
 
なので、誰よりも声を出して、声をかけて、空き時間は子供の相手をする。
そこに「コミュニケーション料」が発生しています。
#それで毎回声をからしています
 
なので、フットサルのスタッフは、本来、「芸人」が一番向いています。
 
細かい話をすると、審判も大事。
シュートが決まった時に、短く笛を鳴らすのと、「ピーーーーーーー!」と長めの笛を鳴らすのとでは、盛り上がりが違ってきます。
このへんは、「演出脳」が必要です。
 
なので、僕がフットサルの運営会社を立ち上げるなら、スタッフには芸人を雇います。
一方で、芸人は芸人で、『フットサル』が自分達のホームグラウンドだということを知った方がいい。  
 
コメンテーターの1000倍、人を楽しませているし、コメンテーター以上に「食える仕事」です。
 
ついでに言うと、小さな劇場でトークライブをするぐらいなら、フットサルの合間に運営スタッフとして(審判やガヤとして)ボケ&ツッコミを差し込んで楽しませた方が、客単価は高くなる。
 
多くの人は、その物のビジュアルで、その物の「意味」を決めていて、食べ物をみたら「食べる物」とか考えないし、スポーツウェアを着てやるものは『スポーツ』としか考えない。
 
それによって失っているものは山ほどあるのですが、「意味変」ばっかりは、訓練で身につけていくしかないのかもしれません。
 
そんなこんなで、コミュニケーションツールたるCHIMNEYTOWNのフットサルのユニフォームのクラファン(というか、これは予約販売ですね)が、今夜22時にスタートします。
 
これは、CHIMNEYTOWNのスタッフではなく、フットサルメンバー同士がワイワイ言いながらが立ち上げたプロジェクトです。
 
こういうことだよな。
 
現場からは以上です。
 
【追伸】
 
https://salon.jp/nishino」を付けて今日の記事の感想を呟いていただけたら、西野がエゴサーチで見つけ出してニヤニヤします。
宜しくお願いいたします。

https://www.kamofunding.com/projects/chimney01?p_token=51b32c46dc1b499b86a778361226012a

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