会社のカタチを探る

投稿日:2022.08.22 / 西野亮廣エンタメ研究所

※この記事の内容は外部に発信していただいて大丈夫です。



 
 

おはようございます。
「二日酔いばかりしてダラシナイ」と怒られるので、二日酔いを正当化させる為に「二日酔いのメリット」を考えてみたのですが、マジで一個も見当たらなかったキングコング西野です。
 
さて。
今日は『会社のカタチを探る』というテーマでお話ししたいと思います。
「この方向で進めてみるのどうだろう?」という話なので、「それには、こんなデメリットがあるよ」みたいな意見なんかをいただけると嬉しいです。
 
 

「会社」の難しさ
 

「会社」にはメリットがたくさんあるから、世の中に会社がたくさんあるわけですが、
しかしながら、「会社」という形も万能じゃないわけで、当然、デメリットもあります。
 
デメリットの一つと言っても過言ではないのが、「目的達成の為に立ち上げた会社が、いつの間にか、『会社を守ることを目的とした会社』になってしまう」ということ。

全ての「会社」にこの(金属疲労のような)現象が起きているわけではありませんが、決して少なくない数の「会社」が、ここに陥っています。
#皆さんの会社はどうですか?
 
では、なぜ、『目的達成の為に立ち上げた会社』が、いつの間にか、『会社を守ることを目的とした会社』になってしまうのでしょうか?
 
答えは、「経営者(自分)や、社員の生活のことを考えているから」だと思うのですが、もう少し解像度を上げると、「“続ける前提で”起業してしまっている」というのがありそうです。
 
僕は元々、テレビ畑にいたわけですが、「バラエティー番組」でも、この問題は起きます。
 
面白いことを発信したくてバラエティー番組を立ち上げたハズなのに、途中から、続けること(視聴率を維持すること)が目的となり、「延命処置」のような内容に切り替わってしまう。
 
もちろん全てのバラエティー番組がその運命を辿るわけではありませんが、会社同様、決して少なくない数のバラエティー番組が、そこに陥ります。
 
一方、「ドラマ」は、まだもう少しだけ健康で、当然、「視聴者の反応を見て内容が変わる」ということはありますが、泣いても笑っても(多くの日本のドラマは)3ヶ月後には終了するわけですから、まだ「やり切る」ことができる。
 
「続ける前提」のバラエティー番組と、「終わる前提」のドラマがあるわけですが、この二つを天秤にかけた時に、「表現活動」に体重がかかっているのは、どちらかというと「終わる前提」のドラマのような気がします。
 
ここから考えると「面白いことをする」を目的とするならば、「終わる前提」の会社があってもイイのかなぁと西野は考えます。
 
CHIMNEYTOWNは「続ける前提」の会社で、幾多のピンチを迎えながらも、「映画」や「ミュージカル」や「歌舞伎」や「絵本」や「武道館」などなど…ありがたいことに、面白いことがやれている方だと思うのですが、一方で、僕は「終わる前提」の会社を経験していません。
ABテストをしていないのに、「Aの方がイイ」と結論するのは妄想や願望でしかない。
 
「終わりが決まっているチーム(プロジェクトごとに集合と解散をするチーム)」となると、映画の製作委員会や、一部のDAOがそれにあたると思うのですが、それを「会社」単位でやっているケースをあまり知りません。
あるにはあると思うのですが、データがあまりにも少ない。
 
そんな中、この前、こんなことを、ふと考えてみたんです…
 
今、元ピクサーのアートディレクターの堤大介さんが率いるアニメーションスタジオ(トンコハウスさん)と一緒に『ボトルジョージ』というショートアニメーションを作っています。
 
7〜8分のショートアニメーションなのに、製作費は大体1億円ぐらい。
ここから分かる通り、ものすごく本腰を入れて作っています。
 
当然、「この製作費をどうやって捻出するか?」という話にはなります。
ショートアニメーションは、映画館でかけるようなものではなく、どちらかというと世界に対しての「名刺」みたいな扱い(先行投資)なので、「作ったものを売って、マネタイズをする」というところから、少し離れた場所にあります。
 
そうなってくると、製作費の集め方は「クラウドファンディング」や、あとは、制作過程を販売している「オンラインサロン」の売り上げから…という、いつものパターンになるわけですが、僕は、その勝ち方はもう知っています。
 
皆さんご存知の通り、「勝ちパターンに持ち込んで勝つことに人生の時間を使いたくない」というのが僕の本音。
できれば、「やってみなくちゃ分からない」というところに張りたいです。
 
そこで、考えたのは、ショートアニメーション『ボトルジョージ』の為に、『(株)ボトルジョージ』を作って、株主から集めたお金で、作品を作る…というもの。
#プロジェクトごとに法人化
 
当然、『(株)ボトルジョージ』は、ボトルジョージプロジェクトの終了と同時に、解散するので上場なんかもしません。
 
そうなってくると「株主のメリットは何なんだ?」となるわけですが、そこは映画の制作委員会のような感じで、「ボトルジョージの2次利用はアリ」みたいな感じにするとか。
 
都度、相談はいただくものの、「ボトルジョージでグッズを作って、ビジネスをしてもらってもOK」とする。
 
「それを、わざわざ会社でやる必要って何だっけ?」という疑問があると思うのですが、それが分からないからやってみたい。
 
「わざわざ会社にしなくても良かったな」となるかもしれないし、意外と、会社にしたことのメリットがあったりするかもしれない。
 
33人に300万円を出資してもらえれば、製作費の問題は1秒でクリアするわけですが、相応のデメリットもありそう。

一方で、「株主」を集めるのではなくて、友達数人と会社を立ち上げて、その会社でクラファンなどをして1億円を集めて、作品が完成したら、権利だけ分散して、ソッコーで解散。
ズルズル続けない。
#これは問題なくいけそう

もちろん、今、お話ししているのは決定事項ではありません。
この辺りの可能性を探りたいなぁと思っています。
 
ご意見をください。
 
現場からは以上です。
 
【追伸】
 
https://salon.jp/nishino」を付けて今日の記事の感想を呟いていただけたら、西野がエゴサーチで見つけ出してニヤニヤします。
宜しくお願いいたします。

 

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