今度こそおはようございます!!!!
ようやく、記事の更新が日本時間に追いついたキングコング西野です。
さて。
今日は『時間をロスしていることに無自覚な現代人』というテーマでお話したいと思います。
映画の脚本がかなり進みました
『映画 えんとつ町のプペル ~約束の時計台~』の脚本の完成が近づいています。
ミュージカルのリーディング公演の見学で来たニューヨークですが、前半戦はホテルにガッツリと缶詰で(誰とも会わずに)執筆作業。
ここで、脚本執筆だけに集中できたのが、本当に大きかったです。
前作でも、長野の山奥(電波が入らない山小屋)に籠って、脚本執筆だけに集中する時間を作ることができて、その時も「一つの仕事に集中するメリット」についてお話しさせて頂いたのですが……あらためて、お話しさせてください。
現代を生きる僕らは、いくつかの仕事を同時進行させることが簡単になったじゃないですか?
Aの仕事と、Bの仕事の合間に、Zoom会議を入れる…みたいな調子で。
資料をまとめている途中に、別件の仕事のLINE(確認メール)を返したりすることも。
3〜4つの仕事を同時に進めることができるので、一見、コスパが良さそうな気もしますし、こんなことを書いている僕も、ほとんどの仕事は、その調子で進めています。
#偉そうにすみません
ですが…海外に逃げ、電波の届かない山奥に逃げて、いろいろなものを切り離して、「脚本執筆」だけに集中する生活をしてみると、3〜4つの仕事を同時に進めることが「ロスだらけ」だということを知ります。
これまで僕は、いろんな仕事の合間に脚本執筆を差し込んでいました。
時には「移動中」など。
空き時間に執筆作業を入れることで、時間の無駄を減らしていたつもりでしたが、それをする「執筆の途中」で次の仕事の時間が来てしまい、執筆を途中で切り上げることになってしまいます。
問題は、その後。
次の仕事を終わらせて、再びパソコンを開き、執筆に入る時です。
「前回の続き」から執筆作業を始められるか?というと、そうではありません。
そのシーンでのキャラクターの立ち位置や、心情、果ては、キャラクターのまわりの景色(建物や、山の色や、気温や、空の色や、風の強さ…など)を思い出す作業をしなければなりません。
キャラクターの気持ちを獲得する(キャラクターに憑依する)には、かなり前の段階から読み返して、キャラクターを追体験しなければなりません。
つまり「再起動」(ファンタジー世界の立ち上げ)に、かなり時間がかかっちゃうんです。
これが、朝から翌朝まで、ひたすら執筆をして、他の仕事を全て切り落とすと話は別です。
ニューヨークのホテルの部屋の中が、長野の山小屋の中が、『えんとつ町』になり、『千年砦』になるので、再起動なんて煩わしいことをしなくて済みます。
どうやら僕らは、自分達を忙しくさせすぎてしまったせいで、再起動に充てている時間がかなりあるみたい。
そして、再起動が当たり前になっているので、再起動にかかっているストレス(時間のロス)に気づかずにいる。
厳密に言うと、「再起動しなきゃいけない仕事」と「再起動しなくてもいい仕事」があって、「再起動しなくてもいい仕事」を同時進行させることのロスはあまりないような気もしますが、そこに「再起動しなきゃいけない仕事」が混じっている場合は、よくよく考えた方が良さそうです。
スケジュールを埋めるように、「再起動しなきゃいけない仕事」を入れてしまうと、実は、大幅なロスを生んでいる場合がある。
先日、ミュージカル『えんとつ町のプペル』のリーディング公演の打ち上げで、ニューヨークのクリエイティブチームとも、この話になりました。
皆、売れっ子なので、ついつい、複数の仕事を同時に進める生活になってしまいます。
だけど、『えんとつ町のプペル』というファンタジー作品を作るとなると、別の仕事(あるいは日常生活)から「えんとつ町」に戻ってくる時間(再起動に充てる時間)が無駄でしかない。
そこで話はまとまって、年明けのどこかのタイミングで、ニューヨークのクリエイティブチームの皆とミュージカル『えんとつ町のプペル』を作る合宿をすることになりました。
その期間は、他の仕事を全てお休みして、ミュージカル『えんとつ町のプペル』しかやらない。
「えんとつ町」から外に出ない。
外に出ない(他と接続しない)メリットは、映画の脚本執筆で2度経験しているので、きっと今回も素晴らしい時間になると思います。
このスケジュールの切り方は、忙しい人ほど(たくさん求められる人ほど)勇気のいる作業になりますが(※仕事を入れることができるのに「入れない」という判断をするのって難しいよね)、一度、騙されたと思って試してみてください。
「『再起動』が、かなりのロスを生んでいた」を知ることは無駄じゃないハズです。
そして、知るなら、なるべく早い方がいい。
すっごくオススメです。
現場からは以上です。
【追伸】
「https://salon.jp/nishino」を付けて今日の記事の感想を呟いていただけたら、西野がエゴサーチで見つけ出してニヤニヤします。
宜しくお願いいたします。