『影響力』について

投稿日:2021.02.23 / 西野亮廣エンタメ研究所

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こんにちは。

YouTubeで、園児達による「桃太郎3人+犬6匹+サル6匹+キジ6羽」vs「鬼5匹」というワンサイドゲームの『ももたろう(おゆうぎ会)』を観て、鬼を応援してしまったキングコング西野です。

#いつまでも弱者の味方でありたい

 

さて。

昨日は「ココはこうして、アソコはこんな感じでマネタイズして……」という随分と具合的な話をしちゃったので、今日は、もう少し抽象的な話をしたいと思います。

よく言われることですが、「具体」と「抽象」を行ったり来たりするのが大切なんじゃねーの?

#なんだその態度

着地点を定めずに、思いつくままフラフラと書いてみるので、よかったら、お付き合いください。

なんとなく『影響力』についての話です。

 

『えんとつ町のプペル』のサークル

先日もお伝えしましたが、影響力を手にした人間が、その影響力を武器に作品(商品)やイベントごとに販売&集客をしてしまうと、いつか、影響力が落ちた時に、これまで回っていた全ての作品(商品)・イベントが回らなくなります。

「若者のカリスマ」がアパレルブランドを立ち上げても、個人の影響力で洋服を売ってしまうと、加齢と共に売り上げが落ちてしまう……みたいな感じです。

大切なのは、一度集めたお客さんが次に流れる先を確保しておく(握っておく)こと。

「次は、あちらへとうぞ」を設計しておかないと、影響力や販売&集客活動が消費されて終わってしまいます。

『えんとつ町のプペル』でいうと、

『絵本』を映画化して、

『映画』をミュージカル化して、

『ミュージカル』の会場の物販コーナーで『絵本』を販売する流れを作っています。

ちなみに、せっかくステージセットを建て込んでいる『ミュージカル』の開演前の時間を利用して、『えんとつ町のプペルVR』を打ち出す予定でいます。

VRゴーグルを付けても外しても『えんとつ町』という体験です。

#早くやりたい

「映画→ミュージカル→絵本→VR……」…といった感じで、どこから入ってもお客さんが一周するように「サークル」を設計し、それぞれの作品がそれぞれの作品の集客装置になるようにして、徐々に「西野の影響力を使った集客」を外していきます。

サービスに置き換えて話すと、「ヒット商品」を作るのは当たり前の話で、「『ヒット商品で集客したお客さんをどこに流すか?』までを設計しておかないと、ヒット商品を作った意味がなくなるよ。そして、その流れの中に『個人の集客力』を編み込んじゃダメだよ」という話です。

……話を『えんとつ町のプペル』に戻します。

絵本や映画など、それぞれの作品が『えんとつ町のプペル』のサークルの集客装置となっているわけですが、たぶん、それだけでは弱くて、個人的には『えんとつ町のプペルを想起させるもの』の開発が必要だと思っています。

昨日はミュージカルのグッズの話をしましたが、グッズには「利益を作るグッズ」と「リピーターを作るグッズ」の二つがあります。

「リピーターを作るグッズ」というのは、「よーし、今週の週末は久しぶりにミュージカル『えんとつ町のプペル』を観に行くか」と“想起させるもの”です。

おそらくそのキッカケとなるのは『えんとつ町のプペル』のことなど考えていない「日常生活の中にあるもの」で、『枕カバー』なんかがイイと思います。

泣いても笑っても、人間は布団で寝るので、365日毎日宣伝ができます。

そう考えて、「ディズニー 枕カバー」で検索すると、出てくる出てくる(笑)

さすがディズニー。マーケティングに抜け目がありません。

サロンメンバーさんの中に枕カバーの製造&販売をされている方がいらっしゃったら、御一報ください。コラボしたいです。

#これだからオンラインサロンっていいよね

徒然なるままの投稿の流れで、ミュージカルのチームのプロデューサーさんへの業務連絡になってしまって申し訳ないですが、「利益を作るグッズ」の開発の他に、「リピーターを作るグッズ」の開発にも力を入れた方がいいと思います。

実は後者はキャンペーン(限定)で「プレゼント」にしてもいいぐらいだと思っています。

下手にCMを打つぐらいなら、枕を押さえた方がいいっす。

 

10年後ってどうなるんだっけ?

それにしても、「影響力」をお金に変えやすい時代になったもんです。

クラウドファンディングにYouTube…ナンジャカンジャでオンラインサロンを始めるタレントも増えてきました。

この時、一つ気をつけなければいけないのは、「自分の影響力をお金に変えやすくなった」ということは、他人も、影響力をお金に変えやすくなっているということ。

つまり、「自分を商品とした競争」は激化します。

しかも日本は人口(お客さん)が減り続けている。

これはもう動かしようのない未来なので、これを踏まえて「影響力」と向き合わなければなりません。

影響力の正しい使い方は、「影響力があるうちに、定番商品(ロングセラー)を開発する」ということだと思います。

そこを開発しない限り、次の世代のインフルエンサーにとって変わられるので。

ただ、これが「影響力をお金にしやすくなった時代」の落とし穴だなぁと思うのは……定番商品の開発なんかよりも、自分を商品にして販売した方がラクに稼げるんですね。

だから、皆、そっちに流れちゃう。

「自分の城を作る」と言っても、攻め込まれてしまう城を作っても仕方ありません。

予算(体力)があるうちに、堀を掘って、守りを固めた方がいいと思うのですが、影響力をお金に変えやすくなった時代が、その判断を鈍らせます。

冷静になって考えてみると、5年後の僕には『えんとつ町のプペル2』は作れますが(1のヒットがあるので)、今回の『えんとつ町のプペル1』が作れたかどうかは怪しいところ。

『えんとつ町のプペル1』(の特に宣伝)はキングコング西野亮廣の影響力に頼った部分が大きかったので。

絵本にしても、『えんとつ町のプペル』までの3作(10年近く)は売れてないんです。

#どれも面白いんですよ

それでもトライ&エラーを続けることができた(食えていた)のは、西野亮廣にそれなりに影響力があったからで、影響力が落ちてきた50歳の西野亮廣が「影響力が落ちてきて、お金が作りにくくなったので、絵本でも描いてみるか」といっても、たぶん、上手くいきません。

定番商品(ロングセラー)を作るというのは、それだけ、時間と体力が必要です。

今、多くの方が、フォロワー数や再生回数稼ぎに走り、影響力をマネタイズしていますが、どこかのタイミングで影響力のマネタイズをほどほどにして、定番商品の開発に切り替えた方がいいと思います。

「おい!いつまで、影響力のマネタイズに時間を使ってんだ!」という話です。

今は「影響力がお金に変えやすくなった時代」の一週目なので、まだ、このあたりのシステム整備がされていませんが、このあたりはキチンと考えた方がいい。

歌舞伎なんかは世襲制で、影響力があるうちに、我が子を売り込んで、次に繋いでいます。

#キチンとシステム化して守りを固めている

今日は朝からずっとアトリエに籠っています。

映画をヒットさせて、すぐに次のロングセラーの開発です。

10年後も20年後も100年後も仲間を守ろうと思ったら『作品』しかないです。

圧倒的な強度を持った作品。

子供からお爺ちゃんお婆ちゃんまで楽しめるような、いつまでも古くならない作品。

それを作るしかない。

ミュージカル『えんとつ町のプペル』では一つの正解を出すので11月14日~28日のスケジュールは空けておいてください。

#11月8日も

とりとめもない文章にお付き合いくださってありがとうございます。

それでは脚本執筆に戻ります。

現場からは以上でーす。

【追伸】

サロン記事の感想を呟かれる際は、文章の最後に『salon.jp/nishino』を付けて《本垢》で呟いていただけると、西野がネコのようになつく場合があります。

https://nishino.thebase.in/

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