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ムーミンバレーパークで感じたこと

2024.07.31 / 西野亮廣エンタメ研究所



おはようございます。
ムーミンTシャツを着て、ムーミンタオルを首に巻いて、バーバパパのパソコン鞄をブラさげているキングコング西野こと、シンプルにヤバいヤツです。

さて。
今日は、ファミリーミュージカル『えんとつ町のプペル』(日本公演)の劇場情報の公開を明日に控える中、ちょっと話題を変えまして、『ムーミンバレーパークで感じたこと』というテーマでお届けします。

「人を集める空間作り」というテーマは僕らの活動にも共通するところがあるので、忘れないうちに整理しておきたいと思います。

 

とにもかくにも初期設定
 

ファミリーミュージカル『えんとつ町のプペル』(日本公演)のプロデューサーを務められている小栗了さんが手掛けられたショーがあると聞いて、先日、埼玉県にある『ムーミンバレーパーク』に行ってまいりました。

小栗さんのムーミンショーはファミリーで楽しめるとっても可愛らしいショーで、あまりにも微笑ましいもんだから終始、ニヤニヤデレデレしちゃいました。

こういった愛に満ちた仕事をされている小栗さんを誇らしく思い、「『えんとつ町のプペル』も頑張らねば!」と気合いを入れていただきました。

そんな素敵なショーを観ることができる器が『ムーミンバレーパーク』でして、ここは「テーマパークと公園の間」というコンセプトだそうです。

ただ、「公園」とは言っても、そこで働く人がいるわけで(結構たくさんいる!)、集客し続けないと存続させられない【商業施設】であることは間違いありません。

同行したCHIMNEY TOWNのスタッフとは、そのあたりに目を光らせながらパーク内を歩きました。
#ザッキーがやたらお金の流れを聞いていた

というわけで、ここからは商業施設として見たときのムーミンバレーパークの感想です。

まず初めにお伝えしておきたいのは、僕がこれから皆様にお届けするのは「感想」であり、「後だしジャンケン」です。

僕の視点を生んだのは、たくさんの汗を流してムーミンバレーパークを誕生させ、運営しているクリエイター達で、端的に言うと、クリエイター達が一番偉くて、僕はただのコバンザメです。

以上のリスペクトを踏まえた上で、「気になった点」を2つ、「すっごく良かった点」を1つ、皆さんに共有したいと思います。

ムーミンバレーパークに到着して、まず最初に気になったのは「森の開き方(開拓の仕方)」でした。

ムーミンバレーパークは、埼玉県飯能市の宮沢湖のほとりにありまして、森と隣り合わせの立地です。

「林道を歩く」というよりも、湖沿いに伸びた道を歩くコースになっておりまして、このコースには「湖を望める」という狙いがあったと思うのですが、その代償として、「日陰が少ない」がありました。

これは温暖化(暑い夏)が叫ばれている現代では、思っている以上のリスクで、ムーミンバレーパークの帰り道に「お客さんの感想」をひたすら検索したのですが(※ネット上にあるムーミンバレーパークの感想はほぼ全て見ました)、「暑いから」を理由にムーミンバレーパークを選ばないお客さんがたくさんいることが分かりました。

たとえば、これ↓
https://x.com/shisomipakupaku/status/1817948237342605602

当然、「日陰が少ない問題」は運営サイドの方で既に議題に上がっているでしょう。
それもあって、「アンブレラ通り」があったのですが(大量の傘が吊られているアレ)、おそらくムーミンバレーパークに足を運ぶ人が期待しているのは「アンブレラ通り」ではなくて、「ムーミンがいそうな森」で、「木のトンネル」の方が望ましい。

とにもかくにも「暑い」というイメージがついてしまっていて、ファミリー向けのテーマパーク&公園なのに、「夏(夏休み)に人が呼べない」というのは大きな打撃です。

今から打てる手としては…

・コースを作り直して(森の中を歩く商業施設)に変えて、「涼しい場所」というイメージを定着させる。

・夜営業(イルミネーション系)に力を入れる。

・「日陰が少ない」を逆手にとって、要所要所で「日傘」を売る。

…といったところでしょうか。

やっぱり「森の中を歩くテーマパーク」が一番の理想で、たとえば、ムーミンバレーパークに行った人達が、このような写真を撮ってSNSにアップしはじめたら、少し潮目が変わりそうです。



https://smart-school.ma/%E3%83%88%E3%83%88%E3%83%AD+%E3%83%88%E3%83%B3%E3%83%8D%E3%83%AB

ムーミンバレーパークで気になったことの二つ目は、「ムーミンの家が金食い虫になっている(『集客を前提とした建築になっていない)」です。

バーク内には物語に出てくる「ムーミン家(3階建て)」があるのですが、家の中は狭く、階段は細く、さらには階段の傾斜がキツくなっていました。

「物語の実寸大の家」を作ることを目指したと思うのですが、この家にお客さんを入れて回すには、階段で事故が起きないように各フロアにスタッフを配置させる必要があります。

ムーミンの家では「グループごとの移動」になるわけですが、家の中が狭いので、1グループは多くて7人程度。
その7人に対して、スタッフを1人つけ「時間が来たら次のフロアに移動」というスタイルをとっていた(とらざるを得ない)ので、回転率がすこぶる悪い。

経営の視点から見ると「あそこでスタッフ3人分の人件費を持っていかれるのは痛い…」というのが正直な感想で、結論を言っちゃうと、

上る階段とは別に、(物語にはないけれど)降りる階段を設けるか、「そもそも家の中にお客さんを入れない」か。
ココを決めきらないと、このまま高いランニングコストを払い続けることになりそうです。

総じて言えるのは、「建築デザインに『お金が回る仕組み』が練り込まれていない」といったところで、美術館やらラウンジやらを建設する自分達としては、ここは背筋が伸びました。
#ヒヤッとした

オンラインサロン内で当たり前のように議論している「ここでお金を落としてもらう」という話や、それこそ先日の「劇場の3階席の最前列を子供に解放してしまうと、落下防止のスタッフを1人つけなきゃいけなくなるから、最前列は子供に解放しない」といった議論が、建築デザインの時点から必要だということを強く思い知らされました。

ただ、素敵なパークだったことは間違いなくて、「ココとココに手を加えれば、すっごく行きたくなる(また行きたくなる)」というところもたくさんあったので、これからのムーミンバレーパークに期待です。

 

良かったところ
 

短いですが、最後に「良かったところ」についてお話しさせていただきます。

ムーミンバレーパークでブッちぎりに良かったのは「グッズショップ」…もっと言うと「グッズのデザイン」で、世界中のグッズショップを巡っているエンタメをオタクとしては(※ピクサー社内にあるグッズショップにも行った!)、ムーミンのグッズデザインがブッちぎりNo.1でした。

色から何から、もう本当に全部可愛い!!

ムーミンのグッズは作者のトーベ・ヤンソンの原画を元に作られているそうで、トーベ・ヤンソンの絵のタッチは言うまでもなく、トーベ・ヤンソンの絵を活かすために汗を流されているグッズデザイナーさんにはリスペクトしかないっ!

▼素敵↓
https://www.moomin.co.jp/news/blogs/63db74fec4168

そんな中、グッズショップの端っこの方にあった「3Dムーミン」のグッズは、やっぱり残念な仕上がりで、まるで触手が伸びませんでした。
#見た目も色も全てチープ

そんなグッズショップに感動を覚えた翌日に「CHIMNEY TOWNカレンダー2025」の打ち合わせが入っておりまして、担当の源田(高校の同級生です!)から、「皆さんは『西野が描いた』というところ価値を覚えてるんちゃう? というわけで、アンタが描きーや!」と言われてしまい、 「いや、俺、今、メチャクチャ忙しいから、グッズの絵を描いている場合じゃないっ!」とは返せませんでした。

CHIMNEY TOWNカレンダー2025は当初、「西野がラフを描いて、あとはスタッフさんにお任せする」という計画でしたが、ムーミンのグッズを見たら、そんなこと言ってる場合じゃないなぁと思いました。

というわけで、製作を仕切り直して、CHIMNEY TOWNカレンダー2025の12枚のイラストは僕が描きます。
#死んだな

たくさんの気付きをくれたムーミンバレーパークでございました。

明日(朝7時)はいよいよファミリーミュージカル『えんとつ町のプペル』(日本公演)の劇場情報公開!

忙しい夏になりそうです。

現場からは以上です。

【追伸①】
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ファミリー応援シート (ミュージカル「えんとつ町のプペル」)
https://chimneytown.net/collections/musical-family-support

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