プロセスエコノミーの注意点と「映画 えんとつ町のプペル ~約束の時計台~」の現在地の共有

投稿日:2022.11.14 / 西野亮廣エンタメ研究所

※この記事の内容は外部に発信していただいて大丈夫です。


おはようございます。
背泳ぎのフォームが面白いぐらい美しいキングコング西野です。
#笑いが起きるレベルの美しさ
 
さて。
今日は『プロセスエコノミーの注意点と「映画 えんとつ町のプペル ~約束の時計台~」の現在地の共有』というテーマでお話ししたいと思います。
 
前半は「役に立つ話」で、後半は「西野のオナニーに付き合わされる話」になります。
宜しくどうぞ。
 
 

お客さんは「金ヅル」じゃねーぞ
 

「プロセスエコノミー」という言葉が生まれて、「制作過程を販売する」という選択肢も少しずつ市民権を得てきました。
 
ところが、実際に制作過程でマネタイズできている人(およびチーム)は極々一部で、ほとんどの人は「制作過程を販売しているけど、売れない…」という印象。
 
原因は「プロセスを販売する人の信用がない」や「販売するコンテンツがウンコ」など、いくつかありますが、やっぱり一番は「発信(情報共有)が少ない」に尽きます。
 
ものすごーく当然の話ですが、お客さんからすると「どんなモノが作られるのか?」「どんな人が作っているのか?」を共有してもらわないと、応援(応援購入)のしようがありません。
 
「どんなモノを作るのかは言いません。どんな人が作っているかも言いません。だけど、お金だけ出して。拡散希望!」というスタンスをとっている人(=お客さんを「金ヅル」として扱っている人)を、応援するお客さんがいるわけがなくて、応援されないどころか、「てめぇ、私達のことを何だと思ってんだっ!」という怒りを買っている場面をよく見かけます。
 
僕はよく勘違いをされます。
それは、「好きでVoicyを毎日やっている」「好きでオンラインサロンに毎日2000~3000文字の記事を書いている」という勘違いです。
 
サロンなので全部本音で喋りますが、こういった活動はやらなくて済むなら、やっていません。
クリエイティブだけに時間を割けるなら、それが一番良い。
 
だけど、そうしてしまうと僕のような活動(製作過程をお客さんに共有して、共犯者になっていただく)は立ち行かなくなります。
 
二日酔いでくたばっていようが、脚本が思うように進まずに苦しんでいる最中であろうが、親族や知人のお葬式の日であろうが、毎日情報を発信して、現在地を共有しています。
 
Voicyとオンラインサロンの発信量を文字数で換算すると.「1日平均=6000文字」です。
1ヶ月で18万文字なので、ビジネス書を月に2~3冊で出すペースです。
 
当然、その発信量を可能にするだけの勉強もしています。
#本を読んだり
#現地に足を運んだり
 
そこまでして、ようやく「共犯者」が生まれます。
自分のプロジェクトの時だけ急に姿を現して、たいした発信もせず「制作過程を販売するので、買ってくださーい!」みたいなことは決してしません。
 
お客さんを『金ヅル』とするか、『共犯者』とするか?
この二つを分け隔てるものは、徹底した「発信(現在地の共有)」で、そこをサボってしまう者にプロセスエコノミーなどありません。
 
 

『映画 えんとつ町のプペル ~約束の時計台~』第4稿の執筆に向けて
 

そんなこんなで、ここからは「現在地の共有」の名を借りた、西野のオナニー(思考メモ)の共有です。
 
もう御存知かと思いますが、ただいま『映画 えんとつ町のプペル ~約束の時計台~』をバキバキに制作中でございます。
 
今日の「現在地の共有」というのは、現在公開している『第3稿(→https://note.com/nishinoakihiro/n/ncd9dc2a032c5)』を少し寝かせてみた結果(※「書いたったぞ!どや!」という作者の暑苦しい想いをクールダウンしてみた結果)、『第4稿』の執筆にむけて、いろいろと整理できたので、その部分を共有したいと思います。
 
したがって、「第3稿は皆が読んでいる」という前提で話を進めます。
#読んでない人にも雰囲気だけでも分かるように進めます
 
 

何の物語か?
 

まず、今作品が何の物語なのか?
どんなメッセージを持った物語なのか?
この部分を整理します。
 
『映画 えんとつ町のプペル ~約束の時計台~』は、「待つこと」の大切さを描いた物語です。
 
『速く行きたければ一人で行け。遠くに行きたければ皆で行け』という言葉がありますが、遠くに行く為に、皆で行くには、誰かが誰かを待たねばなりません。
歩むスピードは人によってバラバラなので。
 
このあたりを、もう少し深掘りします。
 
 

「待つ」は相手を信じること
 

前作の「LOOK UP」や「動き出せ」というメッセージの根っこには「自分を信じる」がありました。
「あの日、あの時、あの光を見た自分を信じて、行動しろ」といった。
すなわち、主導権は自分にあります。
 
一方で、「待つ」は、自分に主導権はありません。
待ったところで、追いついてもらえるとは限りません。
待ったところで、戻ってきてもらえるとは限りません。
 
全ては相手次第です。
 
ですが、相手が覚悟を決めて行動した時に、
こちらが待っていないと追いつかないし、
こちらが待っていないと戻ってくることができません。
 
だから、「信じて、待つ」わけですが、これは主導権が自分にない分、前作よりも遥かに勇気がいる“行動”です。
 
そういう風に整理していくと、1のテーマが『信じて、活動しろ』で、2のテーマが『信じて、待つ』は、結構、いい順番(出し方)だと思います。
 
 

今作品で描くべき「ルビッチの成長」は何か?
 

ここが結構、重要なポイントだと思います。
 
今回は、「キングコングの新人時代。仕事のプレッシャーに押し潰されて梶原君が失踪した時の数ヶ月」が物語の下地になっています。
 
梶原君が戻ってくる場所を残そうと思って、すべての仕事をストップさせて、大阪ミナミの部屋で、ひたすら梶原君の復帰を待っていたあの日の話。
 
ここだけ聞くと、「西野さんって、人間が大きい!素敵!」となっちゃいますが、実は「待つ」と決めたのは、梶原君が失踪してから3週間ほど経ってからでした。
 
梶原君が失踪した直後、僕、そこそこ怒ってたんです(笑)
 
「なんで、一文字もネタを書いてなくて、俺の何倍も寝てるヤツが俺より先に白旗を上げとんねん!」と。
#ひどい
 
キングコングは若手芸人の中で一番売れて、二位とトリプルスコアをつけるぐらいに売れに売れていたので、それを潰されたのが当時の僕は許せなかったんです。
 
漫才コンクールが頻繁にあるのに、ネタを書く時間が本当にとれなくて、梶原君が寝ている間にずっとネタを書いていて、「梶原君が起きたらネタ合わせ」というハチャメチャに激しい生活だったので(※気絶して運ばれたことが二度ありました)、自分よりもゆるく生きている梶原君が先にドロップするのが許せませんでした。
「それをやるなら、せめて、俺の方が先だろ!」と(笑)
 
それで、梶原君が失踪した直後は、「もう、いいやっ!一人でやろうっ!」と思って、実は、チョコチョコと準備を進めていたんです。
 
だけど、もう何がキッカケだったか忘れちゃったのですが、一人で生きる準備を進めていたある日、「あ。このまま一人で活動をして、上手くいっちゃったら、もう、アイツは戻ってこれなくなるし、もう『二人でバカ話をする』という選択肢が無くなっちゃうなぁ」と思いまして…その瞬間に「待とう」と決めたです。
 
少なくとも2~3年は待つつもりでいました。
コッソリとアルバイトでもして、食いつなごうと。
 
「待つ」と決めるまでには、こんな変遷があったんです。

これをルビッチに置き換えると…きっとルビッチは、前作の後に「プペル」を甦らせようと、何度か試みたと思うんです。
 
ゴミをくっ付けてみたり。
 
だけど、何度やっても、やっぱり無理で、「そりゃそうだよね。もうプペルは戻ってこないよね」と結論し、次に向かった。
一人で生きていくことを決めた。
 
そして、やってきた今年ハロウィン。
ハロウィンは死者が戻ってくる日ですが、ルビッチは一人で生きていくことを決めています。
 
そんなルビッチに、「お前が、その姿勢をとっていると、戻ってくる人も戻ってこれなくなるぞ」と『千年砦』から腕を引っ張られて、引っ張られた先にあった世界で、「戻ってこないかもしれない人を、信じて待ち続けている時計士『ガス』」に出会う。
 
そこで、ルビッチは「待つ」という行動と、そこにある「信じる心」の「勇気」を知る。
 
「信じ切れずに待てなかったルビッチが、信じて待ち続けているガス」に出会う物語です。
 
今回の物語の『核』は、このあたり。
ここを次の『第4稿』で書こうかなぁと思っております。
#それまでに第3稿を読んでおいてください
 
今日は、ゴッリゴリにクリエイティブな話になりましたが、時々、(僕の思考の整理も兼ねて)こんな回を挟ませてください。
 
とにもかくにも、制作過程を販売するには、こういった現在地の共有がとってもとっても大切です。
引き続き宜しくお願いいたします。
 
現場からは以上です。
 
【追伸】
 
https://salon.jp/nishino」を付けて今日の記事の感想を呟いていただけたら、西野がエゴサーチで見つけ出してニヤニヤします。
宜しくお願いいたします。
 
 
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