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自分の値段の付け方

2021.06.21 / 西野亮廣エンタメ研究所

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おはようございます。
冒頭の挨拶が思いつかなくて、20分ほど悩んだ挙げ句、「そこまで真摯に向き合わなきゃいけない問題なのか?」という疑問が湧いてきたキングコング西野です。
#サロン記事は冒頭の挨拶に最も時間をかけている説

さて。

今日は『自分の値段の付け方』という、(特に)フリーランスのクリエイターさんにとっては、ハチャチャチャに大切な話をしたいと思います。
フリーランスのクリエイターじゃない人は「へぇ~、そういうものなんだ~」と読み流してください。

 

自分に値段を付けられない

フリーのクリエイターとして活動する際に持ち合わせておかなきゃいけないのは……

・才能
・健康
・チャンス
・値決め

……の4つです。
#あとは愛嬌


才能と健康とチャンスに恵まれても、自分(自分の作品)の値決めを誤ってしまうと、何も始まりません。

まだ何の実績も残していない無名のアーティストが、自分の作品に「100億円」の値を付けてしまうと、作品が一つも売れないまま、アーティスト人生を終えることとなります。

「正しい値決め」って、とっても大事なんです。

さて。

ジワジワと海外戦を進めつつ、同時に僕がやりたいのは、サロンメンバーさんの支援です。

最近だと、飲食関係やTシャツ関係(Tシャツ関係?)も始まりましたが、自分がこんな仕事をしているものですから、やっぱりクリエイターさんの支援は無視できません。

才能があるのに買い叩かれてしまっていたり、
才能があるのに機会に恵まれてもいないクリエイターさんが、このサロン内にもたくさんいらっしゃるので、グイグイッと引っ張り上げようと思っています。


そこで!!


サロンメンバーさんの作品(絵本絡みの作品)をCHIMNEY TOWNのECサイトで販売代行すれば(セレクトショップとして回せば)、結構具体的な支援ができるなぁと思って、水面下でせっさと進めているのですが……

何度かやりとりをさせてもらっているうちに、見えてきた問題があります。

それは、「多くのクリエイターが自分(および自分の作品)の値段の付け方を知らず、あてずっぽうで根付けしている」ということです。

値決めの「根拠」が無いんです。
「大体、これぐらいの値段だと嬉しい」といった調子。

これだと、フリーのクリエイターとしては生きていけません。
安西監督風に言うと、「値決めを失敗したら、そこで試合終了だよ」です。

#同世代に響け

というわけで、「自分に値段を付ける時に、最低限、ここらへんは押さえておいた方がいいよ」という話をしたいとおもいます。

なんだか今日は、すっごく為になる話っぽいですよ。

 

手数料のホント

たとえば、「西野作品の二次創作を西野がBASEを使って販売代行する際の手数料は【売り上げの20%】です」と言われたら、どう思いますか?

「20%は高い」と思う人がいるでしょうし、
「たった20%でいいの?」と思う人もいるでしょうし、
「20%が高いか低いか分からない」という人もいるでしょう。

そうなんです。

自分の作品に値を付ける以前の問題で、【ライセンス使用料】や【販売代行料】などの相場を知らない人がほとんど。

これだと、正しく根付けなんてできないですよね?

というわけで、ここでは【手数料】を掘り下げていきたいと思います


▼ BASEの手数料

まず、今回の場合だと『BASE』というプラットフォームで商品を販売する際に発生する【手数料】を知っておきましょう。

意外と知られていないのですが『BASE』の【手数料】は「決済手数料」と「サービス利用料」という“2種類の手数料”がかかるんです。

それそれの手数料は以下の通り↓

【決済手数料】→「3.6%+40円」
【サービス手数料】→「3%」

仮に1000円の商品をクレジットカードで購入された場合は……1000円×6.6%+40円=【106円】です。

意外とかかってくるでしょ?

当然、商品単価が安ければ安いほど「+40円」は重くのしかかってきます。

商品の値段が1万円の場合の手数料は……1万円×6.6%+40円=【700円】

といった感じ。

商品価格によって、手数料の重みは変わってくるのですが、B A S Eの手数料は「6.6%+40円」と覚えておいて間違いないと思います。
#ザックリだよ


▼ キャラクター使用料

次に、キャラクター(ライセンス)使用料の相場はどれぐらいなのでしょうか?
これなんて、ほとんど知られていないので、キチンと調べてみましたよ。

大体こんな感じです↓


テレビ関係: 4.573%

ゲーム関係: 5.414%

オリジナルアニメーション: 5.200%

タレント関係: 6.000%

デジタルネットワーク関係: 4.571%

絵本関係: 4.724%

オリジナル系: 4.817%

映画系: 5.286%

マスコット系: 5.000%

玩具系: 5.833%

漫画関係: 4.409%

エンターテイメント関係: 4.600%

アート関係: 5.667%

その他: 4.889%


(※日本弁理士会 知的財産価値評価ガイドより抜粋)


ザックリと【5%】です。

本来は、『プペル』を使用して商品(作品)を作る場合は、「売り上げの5%を西野に支払う」が相場となっております。

以上の2つが、相場が固定化されている手数料です。
 

▼販売代行の手数料

ここに「販売代行」の手数料がかかってくるのですが、ここに関しては「誰に販売してもらうか?」で値段が変わってきます。
#ここが今日のポイント

たとえば、「貸しギャラリー」の手数料だと……

【会場費・運営費】=無料
【販売手数料】=「作品は50%」「グッズは30%」

みたいなのがあったりします。
#あくまで一例

「販売手数料50%は取りすぎだろ!」と思っちゃいますが、「○○ギャラリーで個展をしました」という“ブランド”の値段だったり、あとは、ギャラリーによっては、レセプションパーティーで関係者を呼んでくれたりもするので(集客のお手伝いをしてくれたりもするので)、その値段ものっかってきています。

この販売手数料に納得がいかないのであれば、自分で貸しスペースを借りて、自分で個展を開催して、自分で集客をするのがいいと思います。

 

整理するね!

以上の説明で、「西野作品の二次創作を西野がBASEを使って販売代行する際の手数料は【売り上げの20%】」の内訳が、なんとなく見えてきたと思います。

BASEの手数料=約7%
ライセンス使用料=約5%
販売代行=8%

です。

こうすると、「西野の販売代行に【8%】を支払っている」ということが見えてくるので、さっきよりも考えやすくなったと思います。
#こうして手数料の内訳を知っておかないと
#西野の販売代行が高いか安いか分からないよね

仮に一つの作品を作るのに『40時間』がかかったとします。

「時給2000円ということにしたいなぁ」と思うのならば、40時間×2000円の【8万円】が手元に残るように計算して、そうすると商品価格は【10万円】です。


「いやいや、ここは作家としての自分の宣伝も兼ねているから、時給は1600円にしよう!」と思うのであれば、40時間×1600円の【6万4000円】が手元に残るように計算して、そうすると商品価格は【8万円】です。

作家としても、販売代行業者としても、当然、高値を付けた方が実入りが大きくなるのですが、「ここでファンを作って、マネタイズは他で」という考え方もあるので、それは時と場合によります。

只石さん(えんとつ町関連の空間を作ってる建築士の人)が『天才万博』の美術を担当する時は、なんなら持ち出しだったりします。
それは、『天才万博』が彼にとってのショールームになっているからです。
#ここって大事

値段を上げすぎて作品も名前も売れなかったら仕方がないし、作品が売れたのに赤字になっても仕方がない。
なので、今日お話ししたことぐらいは最低限おさえておいた方がいいと思いまーす。

サロンメンバーさんのクリエイター支援を続けます。

現場からは以上でーす!!

【追伸】
サロン記事の感想を呟かれる際は、文章の最後に『salon.jp/nishino』を付けてTwitter(本アカ)で呟いていただけると、西野がネコのようになついて、フォローさせていただく場合がありますので、感想よろ!

https://www.custom-japan.com/ct/

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