おはようございます。
ストレッチにハマりすぎて、ストレッチポールの上で寝たいキングコング西野です。
今日は『愛(あるいは偏愛)に溢れた家を作る』というテーマでお話ししたいと思います。
役に立つものには興味がない
ザックリとですが、20代、30代、40代で、僕の挑戦のテーマは違います。
20代は『はねるのトびら』を背負っていたこともあって、とにかく「パス(フリ)」と「受け(リアクション)」に専念しました。
「西野と絡んだら、すっごく得をするよね」という人になることを目指したのです。
30代に入ると『はねるのトびら』も終了し、いろんなものが解かれたので、「誰かにパスを出す」ということをやめ、「自分がシュートを打って、誰よりも得点を決める」ということに終始しました。
20代も、30代も、それぞれの分野で何度か日本一になっているので(#説明がザックリとしている)、それなりに結果は出した方だと思います。
ただ、いずれも「プレイヤー」としての結果です。
そして「プレイヤー」には寿命があります。
なので、40代は、「システム」や「老いないモノ(時間が経てば経つほど価値があるモノ)」に得点を決めさせることに尽力しようと思い、今の活動スケジュールに至ります。
その中でも、自分が一度結果を出したモノや、「これは、まぁ死ぬ気でやればイケるかな」という勝算が見えるモノは後輩に譲り、「それをやってもどうにもならないかもしれないけど、どうにかなった時は面白いな」という“よく分からないモノ”を好んで選んでいます。
そのうちの一つが『町づくり』や『家づくり』です。
僕の家は東京にあるので、今作っている家は必要に迫られて作っているわけではなく、「地元住民の皆様の不安を解消するには、町作りの真ん中に『町づくりを進める人間の家』があるとイイよね」という大義名分と、「機能を後回しにした家(「楽しい」を優先した家)を作ると、どういう運動(流れ)が生まれるんだろう?」という興味で、工事を進めています。
キチンと仕事にするには「宅建免許」を取得するか、「宅建免許」を持っている人とチームを組まなきゃいけないのですが、「『楽しい』を優先した家を建てて、売って、売ったお金で、近所にまた『楽しい』を優先した家を建てて…」を繰り返した「町」を作ろうと思っています。
そうしてできた町は一体どんなのだろう?
その答えは誰も知らないので、一度やってみようと思いました。
あまりにも視界が悪い(どうなるか分からない)ので、会社ではなく、誰にも迷惑がかからないように、個人のお金でやっています。
さて。
そんなこんなで鋭意工事中の西野邸『見上げる家』(@川西)ですが、先日、とある方から「『見上げる家』はローンで買えますか?」という連絡をいただきました。まだ完成前です。
「『楽しい』を優先した家を建てると、内覧よりも前に購入を決める人が出てくる」ということが今回分かりました。
これは面白い発見です。
「機能」ではなく「価値」を買っているのだと思われます。
たしかに僕自身、イイ感じの「寺」が3億円で売っていたら、どれだけ使い勝手が悪かろうが、秒で買います。
#あとでいくらでも回収できるので
逆に、「使い勝手が良いだけの住宅」は1000万円でも買いません。
『見上げる家』はこれから仕上げにかかって(来月完成します)、そこから家具を入れて、一旦住んでみて、「レンタルスタジオ」としても貸し出してみて、
その上で、
「どんな動きが生まれるのか?」を見たいので、まだまだ売るつもりはありませんが、(先ほども申し上げた通り)先々で販売することも視野に入れています。
そんな中、「『見上げる家』の家具の話」を最後にさせていただきます。
「そろそろ家具も決めなきゃいけないよね〜」「どんな家具にしようかぁ〜?」という話をしていた、ちょうど頃、「佐々木茂良さん」の奥さんから連絡がありました。
佐々木茂良さんは僕が大好きな建築家で、数年前にガンで亡くなられました。
【当時の日記】
→https://lineblog.me/nishino/archives/5387607.html
その佐々木茂良さんのアトリエがこの度、売りに出されることとなり、先日、佐々木さんの奥さんから「旦那の思い出が詰まった家具を残したい」という相談がありました。
「西野さんが持ってくれたりしませんか?」と。
『見上げる家』は「ここには、こんな家具を置いて…」というプランが立っていたのですが、こうなってくると話は別で、奥さん同様、僕も佐々木さんの世界は残したいと思っている人間です。
というわけで、すぐに静岡の佐々木さんのアトリエに飛び、ご家族やスタッフの皆さんと会い、そして、佐々木茂良さんのアトリエの家具を引き取ることを決めました。
『見上げる家』には入りきらないので、今度作る予定の『森のひこうきホテル』にも並べようかと。
息子さんからは「西野さん。もし良かったら、『見上げる家』の本棚に、お父さんがよく読んでいた本を並べてもらえませんか?」とお願いされました。
そんなの、やるに決まってんじゃん。
そこ(佐々木茂良さんが愛した家具や本)に流れている時間はお金を出しても買えないものばかりで、そういう愛がたくさん詰まった家にしようと思います。
「役に立つ家」ではなくて、「意味がある家」に。
はたして、この挑戦はどこに着地するのでしょうか?
見届けてください。
最後に、先日お邪魔した佐々木茂良さんのアトリエの様子を撮影したので、添付しておきます。
『見上げる家』では、この(映像の)雰囲気を残します。
現場からは以上です。
【追伸】
「https://salon.jp/nishino」を付けて今日の記事の感想を呟いていただけたら、西野がエゴサーチで見つけ出してニヤニヤします。
宜しくお願いいたします。