おはようございます。
バッテリーで温かくなるダウンを購入したのですが、いちいち「バッテリーで温かくなるダウン」と呼ぶのが面倒くさいので『ホット・ヒーヒー』と呼んでいるキングコング西野です。
『衣装の方向性が少し見えてきた』というテーマでお話ししたいと思います。
ゴリゴリのクリエイティブの話です。
終わらないクリエイティブ
ニューヨークにて、ミュージカル『えんとつ町のプペル』の制作が続いております。
今日は歌レッスン&演技レッスン終わりに、1月におこなうinvestor(投資家向け)公演の劇場の下見に行きました。
Voicyでもお話ししましたが、投資家は「お金を出す人」であり、「想像したい(自分もクリエイティブに口を挟みたい)人」でもあるので、investor公演では小説のように“想像できる余白”を残しておく必要があります。
#その方が彼らは萌えるみたい
なので、美術セットや衣装は用意しないのですが、丸裸の舞台でやるのはさすがに味気ないので照明だけは(用意できる範囲で)用意することとなり、日本からイジツさん(@えんとつ町の踊るハロウィンナイト)に来ていただいて、劇場スタッフさんとアレやコレやと話していただきました。持つべきものは友でございます。
さて。
そのinvestor公演ですが、「衣装は用意しない」と決めているものの、「イメージを掴んでいただく為に一人ぐらいは衣装を着せよう」という話になっています。
そうなってくると、衣装を着せる一人は、やっぱりゴミ人間『プペル』になるよねー。
特に、『プペル』と『ブルーノ(主人公の少年の父親)』は一人二役なので、その違いが衣装チェンジで見せられるとイイ。
そんなこんなで今日は「プペルの衣装」についてのミーティングがあったのですが、ここが日本と海外の違う(面白い)ところで、日本公演(https://www.youtube.com/watch?v=NYPy4vh3_dQ)でのプペルはそれこそ「ゴミ」をまとった“汚いビジュアル”だったのですが、これが海外の一部の方からは「ホームレス」に見えてしまう。
日本よりも「ホームレス」が身近にいるので。
ニューヨークなんて特に。
ホームレスのビジュアルをしたキャラクターに対して「臭い」「汚い」と扱うのは、人権問題にも引っかかってくる可能性もあって、なので海外戦を見越した時にプペルの衣装は見直す必要があるよね…という話になりまして、「子供から人気が出るようにカラーバケツとかをつけた、カラフルなゴミ人間にしてみては?」なんて意見も出ました。
ただ、「子供から人気が出てしまうようなビジュアルをしたモンスターを、町の皆が忌み嫌う」というのは矛盾がある。
そこで、一旦頭の中の情報を真っ白にして、ゼロから色々と考えてみたのですが…
よくよく考えてみると『えんとつ町のプペル』という物語において(「えんとつ町」という異端者が許されない町において)、プペルが一番前に出さなきゃいけない情報は「臭い」や「汚い」ではなくて、「異物である」ということに(今さらながら)気がつきました。
そして、もう一点。
歌舞伎が「隈取り」の色で、敵と味方、時にバケモノを表現するように、ゴミ人間の衣装に実際にゴミを付ける必要はなくて(ゴミを付けることで「これはゴミ人間ですよ〜」と説明するのではなくて)、衣装の中に「これは、ゴミ人間である」という【記号】があればイイ。
というわけで、「異物感(やばいヤツ感)×ゴミの集合体と言い切れる記号」で衣装を再設計すればいいんじゃねえかしら?と思って、アレやコレやと考えてみた結果、「『カラフルなパッチワークの羽織り』を着せる」という結論に至りました。
(ナイトメア・ビフォア・クリスマスのサリーのような)
そして、そのパッチワークを「プペルパッチ(プペルといえば、この柄の組み合わせのパッチワーク!)」にしてしまえば、ポスタービジュアルやグッズなどにも、柄だけで展開できる。
柄だけで「プペルだー!」となりゃ最高。
ラストシーンで飛ばす船のバルーン(熱気球)もプペルパッチだと最高。
そういえば、何年か前も「プペルパッチを作ろう!」みたいな話になったのですが、その時は、「カラフル」じゃなくて、まだまだ「ゴミのツギハギ」でした(※それも大好きなんだけども)。
investor公演は1月18日、19日なので、まだ2ヶ月あります。
そこまでに「プペルパッチ」を完成させて、衣装にして持っていきたいと思っています。
うまくハマれば、2025年の東京公演も、同じ方向で進めたいなぁと思っています。
今日のサロン記事はゴッリゴリのクリエイティブのお話でございました。
こんな記事を書いていて、あらためて感じるのは、「『えんとつ町のプペル』は、まだ完成していない」ということ。
そして「世界的に愛される作品を作るには本当に時間がかかる(何千回もやり直さなきゃいけない)」ということ。
日本だと「いつまで同じ作品をこすっとんねん」と言われたりするのですが(ホントに日本だけ!)、その考え方だと定番作品なんて一生作れないなぁと再確認した1日でした。
最後にプペル衣装(プペル柄)のイメージ画像を貼っておきます。
現場からは以上です。
【追伸①】
「https://salon.jp/nishino」を付けて今日の記事の感想を呟いていただけたら、西野がエゴサーチで見つけ出してニヤニヤします。
宜しくお願いいたします。
【追伸②】
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