※この記事の内容は外部に発信していただいて大丈夫です。

ミュージカルスタッフへの業務連絡

2021.02.22 / 西野亮廣エンタメ研究所

見出し画像

おはようございます。

串で突き刺すことで崩れを押さえている背の高いハンバーガーの食べ方がよく分からないキングコング西野です。

#あれってバラバラにしちゃっていいの?

#それとも決死の覚悟でかぶりつくの?

さて。

今日は『ミュージカルスタッフへの業務連絡』をお届けしたいと思います。

(株)CHIMNEY TOWNや、ミュージカル『Poupelle of Chimney Town』のスタッフに向けた内々の内容ではありますが、どうにか、参考にできるところを探しだして、参考にしてみてください。

 

ミュージカルの問題点を整理してみよう!

どこから手をつければ良いのか分からないので、まずは、「ミュージカルの問題点」を整理してみましょう。

現状、(一般的な)ミュージカルのマネタイズは以下の3つ。

① 「チケット」

② 「企業スポンサー」

③ 「グッズ」

…基本的にはこの3つだと思います。

僕は「成功する方法を探る」というよりも「失敗する可能性を潰す」というやり方をする人間なので、気になるところからメスを入れていきます。

まず、

「企業スポンサーが見つからないと回らない」というビジネスモデルは、常に首元に鎌を当てられている状態なので、やめておいたほうがイイと思います。

「スポンサーが突然降りる」は可能性として全然あります。

#とくにコロナ禍は

基本的には、“お客様からいただいたお金だけで成立するビジネスモデル”を作っておいて、「企業スポンサー」は〝臨時ボーナス〟として捉えておいた方がイイと思います。

なので、企業スポンサーは「無いもの」として考えておきましょう。

#そもそも普通の舞台に企業スポンサーなんて付かないしね

その上で!

今、世の中にある多くの舞台は「チケット」と「グッズ」の売り上げだけでは満足にマネタイズできていないから、「チケット代が高くなる」「役者やスタッフが薄給になる」という問題が起きています。

なので、僕らのチームは、こことキチンと向き合って、キチンとクリアしましょう。

さて。

現状、多くのミュージカル(および舞台)は、言葉を包まずに言うと「利益が足りてない」ということだと思うんですね。

だから、その対策として「チケット単価を上げる」ということと、「人件費を下げる」という手を打っている。

それらの打ち手の、それぞれのデメリットを割り出すと……

チケット単価を上げる

→「大衆化しない」

人件費を下げる

→「クルーの生活に負担をかける」

→「才能が集まってこない」

……と、なにかと問題があります。。

どちらの打ち手もあまり健康的じゃないので、どうやら他の方法で「利益」を作った方が良さそうです。

僕は、ミュージカルに限らず、どんなサービスであろうと、「追加で利益を作る方法」は二つあると思っています。

それがこちら…

・キャッシュポイント(収益を生む機会)を増やす。

・意味変をする(売る相手を変える)。

です。

#これは西野が普段から言っていることですね

どうやら、僕らがやらなくちゃいけないのはココなので、順に説明しますね。

 

キャッシュポイントを増やす ~プロセスの売り方を整理しよう~

まず、「キャッシュポイントを増やす」は、僕らのミュージカルの場合だと、「メイキングの販売」があります。

#プロセスエコノミー

少し踏み込んだ話になりますが、

ミュージカルの【上演期間】は11月14日〜28日のせいぜい「2週間」です。

それに対して、

今日からミュージカルの初日まで【メイキング期間】は「8ヶ月半」。

シンプルに考えて、「メイキング」の方が販売期間が長いです。

どれだけダラダラ売っても、普通に頭を使えば、「チケットの売り上げ」よりは「メイキングの売り上げ」の方が大きくなるよね。

メイキング販売は「下見を覗き見できる権」「稽古風景の配信を観れる権」「台本」以外にも色々とありそうです。

稽古場のレンタル費用が一日5万円とかなら、稽古場の一日(個人)スポンサーなんかも、あるかもしれません。

#あくまで個人

「今日の稽古場は○○さんからの提供です」といった。

こちらはリターンとして○○さんに、役者(もしくは西野から)御礼のビデオメッセージを贈る。

『制作費1億円』と聞くと卒倒しそうですが、そういった感じで、必要経費を細かく区切って、マネタイズしていくと、一つ一つの課題(クリアしなきゃいけないハードル)が「5万円」とか「3万円」とかになってくるので、マネタイズの打ち手が見えてくると思います。

その積み重ねで、キチンとやれば、公開初日までには制作費のほとんどを回収できると思うので、知恵を絞ってみてください。

#知恵の絞り方は教えたよ

※必要経費を区切ってマネタイズすることをしない人(今回の場合だと一気に1億円を回収しようとする人)は、だいたい「一発逆転の施策」に出ますが、ここ(資金繰り)は博打をする場面じゃないので、そんなことはやっちゃダメよダメダメ。

 

意味変 ~「売るお客さん」を変えよう~

ミュージカル(舞台)の主な収益源として『グッズ』があります。

ここでは、「どんなグッズを開発して、どう売ればいいのか?」という話をします。

そもそも『グッズ』がどの場面で売れるかというと、「イベント当日」です。

そして、よく見られる『グッズ』として、『出演者の写真がズラリと並んだパンフレット』などがあります。

イケメン俳優が出ている舞台では、『俳優の写真がプリントされたキーホルダー』があったりしますね。

これらを買っているのは誰かと言うと、『俳優のファンで、イベント当日に参加している人』です。

ここが、舞台のグッズのターゲット層になっているわけですね。

ただ……

普通に考えて、世界のほとんどの人が『俳優のファンではなくて、イベント当日に参加していない人』です。

そっちの方が市場が大きいんですね。

ちなみに、

アパレルブランドで時価総額世界一になったユニクロのターゲット層は「ファッションに興味がない人」です。

世界的に見たら、「ファッションに興味がない人」の方が多いのだから、アパレルブランドとしては、そちらを狙った方が得策です。

ミュージカル(舞台)も同じで、「ミュージカルに興味がない人」「俳優に興味がない人」「イベントに参加しない人」の方が多いのだから、ミュージカルのグッズは、そっちの人達に向けて作った方がいいと思います。

そして、一年中、オンラインショップで売り続ける。

そうなってくると、グッズのデザインの中に俳優を入れ込むのは絶対NGです。

俳優を入れ込まないことによって、イベント当日のグッズ(※熱狂的なファンから)の売り上げが落ちようとも、トータルで見たら、365日売れ続けるグッズを作った方がプラスです。

つまり、

ミュージカル『Poupelle of Chimney Town』の独自ブランドを作った方がいいと思います。

たぶん、今回は「ダーク感」があった方がよくて……イラストレーターの松並良仁(マツボックリン)さんとかにグッズのイラストをお願いするといいかもしれません。

#かんかんサンに監修に入ってもらった方がいいかも

グッズを「ダーク」で統一しておくと、僕なら「ファミリー」な『CHIMNEY TOWN』のグッズと両方欲しくなっちゃう。

『手帳』や『ティッシュ』などの消耗品(生活用品)の定番商品を生み出すことに成功すれば、ミュージカル『Poupelle of Chimney Town』の運営は安定するでしょう。

とりあえず、グッズのターゲットを「コアファン以外」に設定して、売れ続けるグッズを開発&販売してみてください。

#コアファン向けの商品はグッズではなく体験の方がいいと思うよ

#そもそもロット数が少ないものを作っちゃうと利益率が低い

頑張ってねー。

そんなこんなで、僕は脚本執筆に戻ります。

あとは、宜しくです。

現場からは以上でーす。

【追伸】

サロン記事の感想を呟かれる際は、文章の最後に『salon.jp/nishino』を付けて《本垢》で呟いていただけると、西野がネコのようになつく場合があります。

https://www.youtube.com/watch?v=t77OVW3Omco

※この記事にコメントしたい方はFacebook連携が必要です。

ルール

内容はシェア・口外禁止です。

※ただし、投稿から1年が経過した記事はサロンメンバー特典として、
口外 ( コピペ ) OK!でも「右上にマル秘マーク」のあるものは
公開しないようにお願いします。

AI解説音声

Google NotebookLMで自動で生成された音声です。
サロン記事
×
いいね
×
  • すだ まさひろ
  • 藤岡智也