※この記事の内容は外部に発信していただいて大丈夫です。

数字の目標(経営者の思惑)だけでは、人は動かせないよねー

2024.08.26 / 西野亮廣エンタメ研究所


 

おはようございます。
帰国一発目の仕事は「台風に備えて、ベランダの排水溝の掃除」だったキングコング西野です。

さて。
今日は「数字の目標(経営者の思惑)だけでは、人は動かせないよねー」という話をさせていただきます。

たぶん全員に関係のある話です。
 
 

自発的に動くスタッフの育て方
 

ただいま帰国しました。

サロン記事からも薄らと漏れていたかとは思いますが、今回のニューヨーク出張で得たもの(ディレクター候補や、作曲家候補との出会いなど)は本当に大きくて、これにより僕らの挑戦はまた一歩前に進みました。

ニューヨーク滞在中はプロデューサーチームと四六時中一緒にいたのですが、おかげでかなり深い部分まで話し合うことができて、「希望」も「課題」も「課題との向き合い方」もクリアに共有することができました。

そんな中、今回、僕の方からブロードウェイ村のプロデューサーおよびクリエイター陣に、

「その数字目標に向けて、そもそも『自分たちはどうあるべきか』『自分達がこれから作るのは何なのか』をあらためて固めませんか?」

というお話をさせていただきました。

見たこともないギリシャ人が日本に一人で乗り込んできて、秋元康さんや米津玄師さんや電通の偉いさん達を会議室に集めて、「日本の芸能の形を見直しましょう」と説くレベルの蛮行で、「お前のメンタル、どうなっとんねん案件」です。
#アメリカ人よりも遥かにメンタルが強い西野氏

西野のメンタルには呆れるばかりですが、ただ、ブロードウェイ村では「動く数字(予算や集客など)」があまりにも大きく、世界中の投資家が集まるゴッリゴリの「ビジネス村」でもあるので、どうしても頭の中が「数字」に追われてしまい、気がつけば「たくさんお客さんを呼ぼう」「たくさん売り上げを作ろう」「週間売上は2億円ぐらいはいかないと」という話になってしまう…が事実であったりします。

しかし、これらは「経営サイドの思惑」であって、お客さんからするとぶっちゃけ知ったこっちゃないし、もっと言えば、現場で汗を流すスタッフからしても知ったこっちゃない話です。

現場スタッフからすると、どれだけお客さんを動員しても、とくに給料が変わるわけでも無いので(ボーナス的なものは出るかもしれませんが)、これ以上、現場スタッフに「数字の目標」を押し付けても仕方がない。

それよりも、現場スタッフ一人一人に「自分達が(これまでにない)どんな価値を提供しているのか?」「自分達が何を創造しているのか?」を持ってもらった方が、能動的に動いてくれそうです。

この「経営者が数字の目標を掲げるだけじゃ、現場スタッフが自発的に動くことはねーよ問題」は、ブロードウェイミュージカルに限った話ではなくて、皆さんの職場でも当たり前に起きていることだと思います。

これに関して、もう少しだけ掘り下げると、「現場スタッフが自発的に動こうとしない」というわけではなくて、「数字の目標(経営者の思惑)だけを掲げられても、(現場スタッフは)何をすればいいか分からない…」というのが実際のところだと思います。

「ミュージカル『えんとつ町のプペル』とは何?」という問いに対して、経営者が「年間ウン億円売り上げる予定のミュージカルです」と言ったところで、現場スタッフは「で、僕らは何をすればいいの?」となるのが関の山。

ならば、「他のどのミュージカルよりも、面白いミュージカルです!」と回答するのはどうでしょう?

きっと現場スタッフは、
「…『面白い』は個人の主観ですよね」
「…で、その為には僕たちは何をすればいいの?」
「今の1.3倍のスピードでお客さんを捌けばいいの? 今よりももう少し大きい声を出せばいいの? …え、違う? ごめん。マジで何をすればいいの?」
となってしまう。

やはり、現場スタッフに能動的に動いてもらうには、もちろん数字目標(経営者の思惑)は共有した上で、
「自分達が提供しているものは何なのか?」
「自分達が創造しているものは何なのか?」
「それによって、お客さんにどんなメリットがあるのか?」
という「意味」や「意義」を共有することが大事で、経営者には、それらを魅力的に語る能力が求められている。
#魅力的に語れないと誰もついてこない

以前、「ミュージカル『えんとつ町のプペル』は【観光】だ」という話をさせていただきましたが、実は今回、ブロードウェイチームの中でもその話になりました。

そして「観光の角度からPRして、観光の角度からマーチャンダイズ(収益化)を考えると面白いね」という話で盛り上がりました。

そんな話の流れで、プロデューサーの方から「ならば、いっそのこと、作品タイトルも『Poupelle of Chimney Town』から『CHIMNEY TOWN』にした方が良くない?」と提案があり、これには一理あると思いました。

日本人は「アメリカ人は全員あらゆる英語を使いこなすことができる」とついつい思いがちですが、たとえばニールダイヤモンドという歌手の自伝的ミュージカルで「A Beautiful Noise」という作品があったのですが、アメリカ人の多くは「A Beautiful Noise」とは呼ばず、ずっと「ニールダイヤモンドのやつ」と呼んでいました。
#こういうことって日本でもあるよね

そういうレベルなので(みんな結構、適当です!)、そもそも「Poupelle」という造語を覚えられないし、うまく発音できないし、スペルなんて絶対に書けない…という問題があります。

「ここをどうにかしなきゃいけないなぁ」と思っていたタイミングで、

「観光地にするんだったら、タイトルから『プペル』を抜いてしまって、『えんとつ町』にして、『プペルを観に行こう』ではなくて、『えんとつ町に行こう!』という会話を創造した方が良くない?」

とプロデューサーから提案されたわけです。

なるほど、なるほど。

(そもそも「プペル」が覚えられない問題との)合わせ技一本で、ブロードウェイ版はミュージカル『CHIMNEY TOWN』でいいような気がしてきました。

今日の記事で押さえておきたいポイントは、プロデューサーから出た「作品タイトルは『CHIMNEY TOWN』の方が良くない?」というアイデアは、数字目標から出たわけではなくて、「自分達は何を提供するのか?」「自分達は何を創造するのか?」という「意義」を定めたから出てきたアイデアであるということ。

これが「自発的に動くスタッフを育てる」の正体なんだと思います。

是非、参考にしてみてください。

現場からは以上です。

【追伸①】
https://salon.jp/nishino」と「#レターポット」を付けて今日の記事の感想をXでポストした後、この記事のコメント欄に“ご自身の”レターポットのリンクを貼ってくださった方に5レター(ciao!)を贈らせていただきます。

【追伸②】
《大阪平野の夜景を一人占め》HIBARI GOLF(宝塚市)のVIPラウンジ『星の絨毯』(2024年9月オープン)の【共同オーナー】(年間3日×7年分の貸し切り利用権)をお求めの方はコチラまで。
↓↓
https://chimney.town/hoshino-jutan/

『星の絨毯』の【1日利用権】は仮予約コチラまで↓↓
https://forms.gle/oc3QADMxAcgHEAtYA

【密着映像スポンサー権】2025年8月公演ファミリーミュージカル「えんとつ町のプペル」
https://chimneytown.net/products/youtube2025?variant=46876542107885

\公式LINEができました/
▼西野亮廣 公式LINEはコチラ↓
https://lstep.app/q7b4Mlz

※この記事にコメントしたい方はFacebook連携が必要です。

ルール

内容はシェア・口外禁止です。

※ただし、投稿から1年が経過した記事はサロンメンバー特典として、
口外 ( コピペ ) OK!でも「右上にマル秘マーク」のあるものは
公開しないようにお願いします。

AI解説音声

Google NotebookLMで自動で生成された音声です。
サロン記事
×
いいね
×
  • 阪本 優
  • 稲船 洋行
  • 竹内 雄大
  • 松田裕
  • くれじ
  • snowdance
  • Masaru Arai
  • 猪井和博
  • 藤澤直子
  • 八角尭明
  • 田口 和行
  • 林大祐
  • Yasuyuki Takusagawa
  • 権藤 大樹
  • 永守 智子
  • Nakamura Masatatsu
  • 花澤 照明
  • 江見竜一
  • ひろかわ じゅんき
  • 三野裕太
  • Soma Wada
  • Yayoi Kozawa
  • 伊藤 聖吾
  • 小柴 大地
  • 谷田洋史
  • 松本 雄平
  • 伊藤 剛広
  • 福山慎吾
  • 宇谷 元希