おはようございます。
帰国一発目の仕事は「台風に備えて、ベランダの排水溝の掃除」だったキングコング西野です。
さて。
今日は「数字の目標(経営者の思惑)だけでは、人は動かせないよねー」という話をさせていただきます。
たぶん全員に関係のある話です。
自発的に動くスタッフの育て方
ただいま帰国しました。
サロン記事からも薄らと漏れていたかとは思いますが、今回のニューヨーク出張で得たもの(ディレクター候補や、作曲家候補との出会いなど)は本当に大きくて、これにより僕らの挑戦はまた一歩前に進みました。
ニューヨーク滞在中はプロデューサーチームと四六時中一緒にいたのですが、おかげでかなり深い部分まで話し合うことができて、「希望」も「課題」も「課題との向き合い方」もクリアに共有することができました。
そんな中、今回、僕の方からブロードウェイ村のプロデューサーおよびクリエイター陣に、
「その数字目標に向けて、そもそも『自分たちはどうあるべきか』『自分達がこれから作るのは何なのか』をあらためて固めませんか?」
というお話をさせていただきました。
見たこともないギリシャ人が日本に一人で乗り込んできて、秋元康さんや米津玄師さんや電通の偉いさん達を会議室に集めて、「日本の芸能の形を見直しましょう」と説くレベルの蛮行で、「お前のメンタル、どうなっとんねん案件」です。
#アメリカ人よりも遥かにメンタルが強い西野氏
西野のメンタルには呆れるばかりですが、ただ、ブロードウェイ村では「動く数字(予算や集客など)」があまりにも大きく、世界中の投資家が集まるゴッリゴリの「ビジネス村」でもあるので、どうしても頭の中が「数字」に追われてしまい、気がつけば「たくさんお客さんを呼ぼう」「たくさん売り上げを作ろう」「週間売上は2億円ぐらいはいかないと」という話になってしまう…が事実であったりします。
しかし、これらは「経営サイドの思惑」であって、お客さんからするとぶっちゃけ知ったこっちゃないし、もっと言えば、現場で汗を流すスタッフからしても知ったこっちゃない話です。
現場スタッフからすると、どれだけお客さんを動員しても、とくに給料が変わるわけでも無いので(ボーナス的なものは出るかもしれませんが)、これ以上、現場スタッフに「数字の目標」を押し付けても仕方がない。
それよりも、現場スタッフ一人一人に「自分達が(これまでにない)どんな価値を提供しているのか?」「自分達が何を創造しているのか?」を持ってもらった方が、能動的に動いてくれそうです。
この「経営者が数字の目標を掲げるだけじゃ、現場スタッフが自発的に動くことはねーよ問題」は、ブロードウェイミュージカルに限った話ではなくて、皆さんの職場でも当たり前に起きていることだと思います。
これに関して、もう少しだけ掘り下げると、「現場スタッフが自発的に動こうとしない」というわけではなくて、「数字の目標(経営者の思惑)だけを掲げられても、(現場スタッフは)何をすればいいか分からない…」というのが実際のところだと思います。
「ミュージカル『えんとつ町のプペル』とは何?」という問いに対して、経営者が「年間ウン億円売り上げる予定のミュージカルです」と言ったところで、現場スタッフは「で、僕らは何をすればいいの?」となるのが関の山。
ならば、「他のどのミュージカルよりも、面白いミュージカルです!」と回答するのはどうでしょう?
きっと現場スタッフは、
「…『面白い』は個人の主観ですよね」
「…で、その為には僕たちは何をすればいいの?」
「今の1.3倍のスピードでお客さんを捌けばいいの? 今よりももう少し大きい声を出せばいいの? …え、違う? ごめん。マジで何をすればいいの?」
となってしまう。
やはり、現場スタッフに能動的に動いてもらうには、もちろん数字目標(経営者の思惑)は共有した上で、
「自分達が提供しているものは何なのか?」
「自分達が創造しているものは何なのか?」
「それによって、お客さんにどんなメリットがあるのか?」
という「意味」や「意義」を共有することが大事で、経営者には、それらを魅力的に語る能力が求められている。
#魅力的に語れないと誰もついてこない
以前、「ミュージカル『えんとつ町のプペル』は【観光】だ」という話をさせていただきましたが、実は今回、ブロードウェイチームの中でもその話になりました。
そして「観光の角度からPRして、観光の角度からマーチャンダイズ(収益化)を考えると面白いね」という話で盛り上がりました。
そんな話の流れで、プロデューサーの方から「ならば、いっそのこと、作品タイトルも『Poupelle of Chimney Town』から『CHIMNEY TOWN』にした方が良くない?」と提案があり、これには一理あると思いました。
日本人は「アメリカ人は全員あらゆる英語を使いこなすことができる」とついつい思いがちですが、たとえばニールダイヤモンドという歌手の自伝的ミュージカルで「A Beautiful Noise」という作品があったのですが、アメリカ人の多くは「A Beautiful Noise」とは呼ばず、ずっと「ニールダイヤモンドのやつ」と呼んでいました。
#こういうことって日本でもあるよね
そういうレベルなので(みんな結構、適当です!)、そもそも「Poupelle」という造語を覚えられないし、うまく発音できないし、スペルなんて絶対に書けない…という問題があります。
「ここをどうにかしなきゃいけないなぁ」と思っていたタイミングで、
「観光地にするんだったら、タイトルから『プペル』を抜いてしまって、『えんとつ町』にして、『プペルを観に行こう』ではなくて、『えんとつ町に行こう!』という会話を創造した方が良くない?」
とプロデューサーから提案されたわけです。
なるほど、なるほど。
(そもそも「プペル」が覚えられない問題との)合わせ技一本で、ブロードウェイ版はミュージカル『CHIMNEY TOWN』でいいような気がしてきました。
今日の記事で押さえておきたいポイントは、プロデューサーから出た「作品タイトルは『CHIMNEY TOWN』の方が良くない?」というアイデアは、数字目標から出たわけではなくて、「自分達は何を提供するのか?」「自分達は何を創造するのか?」という「意義」を定めたから出てきたアイデアであるということ。
これが「自発的に動くスタッフを育てる」の正体なんだと思います。
是非、参考にしてみてください。
現場からは以上です。
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