物語の書き方

投稿日:2022.07.30 / 西野亮廣エンタメ研究所

※この記事の内容は外部に発信していただいて大丈夫です。


おはようございます。
「最近、コンビニに黒ビール置いてなくないっすか?」と言い続けて、誰からの共感も得ていないキングコング西野です。

さて。
今日は『物語の書き方』というテーマでお話ししたいと思います。
「脚本論」とまでは言わないですが、「ココをこうすると、ちょっとイイ感じになるよ」というような話っす。

 

はじめに


現在、僕は『映画 えんとつ町のプペル ~約束の時計台~』の脚本執筆中でございます。
その前は、ショートアニメーション『ボトルジョージ』を書いて、その前は絵本『夢幻鉄道(タイトルを「眠りの国のトラム」にするかも)』を2本書きました。
これらは、まだ世には出ていない作品です。

世の中に発表したものでいうと、絵本だと『Dr.インクの星空キネマ』『Zip &Candy』『オルゴールワールド』『えんとつ町のプペル』『ほんやのポンチョ』『チックタック ~約束の時計台~』『みにくいマルコ ~えんとつ町に咲いた花~』です。

小説は『グッドコマーシャル』で、

舞台は『ドーナツ博士とGOGOピクニック』『THE大航海デイズ』『グッドコマーシャル』『ダイヤル38』『ピラミッドだぁ』『テイラー・バートン』などなど…(他にも山ほど書いた)。

映画とミュージカルは、ご存知『えんとつ町のプペル』です。

こうして振り返ってみると、ものすごくたくさん書いています。

あと、大々的に言っていませんが、絵本は累計100万部を突破していて、実はコッソリと売れっ子作家をやらせてもらっていて…何が言いたいかというと、これから皆さんにお話しするのは、「結果を出しているヤツの話」だということ。

鼻につく言い方で申し訳ないですが、僕自身、何も売ったことがない人の「マーケティング論」は聞く気になれないし、同じように、大勢の人の胸を突き刺す作品を書いたことがない人の「脚本論」は聞く気になれないので、「今回は、そういうのじゃないよ」ということを先にお伝えしておきます。

 

物語って、どうやって書くの?


さて。
「物語」は、どうやって書くのでしょうか?
「物語を書く力」はどうやって養うのでしょうか?

そんなことを細かく言っていけばキリが無いので(いつか、そんな勉強会もしたいですね)、今日は二つだけ。

まず、一つ目は「途中で面白くなくなっても、最後まで書き切る」ということ。

僕自身、最後まで書き切って、(面白くないから)世に出していない作品が山ほどあるのですが、それでも、めげずにいつも最後まで書き切っています。
これは、ブログでも、noteでも、ビジネス書でも、サロン記事でも同じですが、大切なのは「書き切る力(着地力」で、こればっかりは「書き切る」ことを何度も何度も繰り返さないと養うことができません。

物語(話)が明後日の方向に進んでしまって、収拾がつかなくなっても、そこで投げ捨てずに、そこから「それなりに納得感のある場所」に強引に着地する。
というのも、最初から最後まで、煮詰まることなく書き進められることはほとんどなく、基本的には、途中で必ず壁に当たります。

仮に、お時間ある時に、頭の中で「物語」を作ってみてください。
面白そうな設定と、面白そうなキャラクターが出たとしても、「終わらせ方」が見当たらないと思います。
とくに「ファンタジー(世界観から作る)」となると、始めるのは簡単なのですが、終わらせる(納得感のある場所に着地させる)のが本当に難しい。

ここを突破するコツは、「最後まで書き切る」を何度も何度も何度も何度もやるしかありません。
もし、「物語を書く人になりたいんだけど、上手く書けないんだよなぁ」と悩んでいるのならば、最初に思いついた設定が面白くなくてもいいから、途中で捨てずに、最後まで書き切ってください。
面白い物語(文章)が書けるようになるのは、その後です。

 

「思い入れ」を作る


「サロンメンバーさんって、こんな話に興味があるんだっけ?」と思いながらも、話を進めます。
#ゴメンやで

一つ目のアドバイスは、どちらかというと「根性論(最後までやりきれ!)」でしたが、二つ目は「コツ」です。つまり、今すぐに始められることです。

僕の経験上、物語を書く一番のコツは、「キャラクターに名前をつける」ということです。
物語を書き進めてから名前をつけるのではなくて、「まず最初に名前をつける」。

先日、「キャラクターが勝手に動き出す理由」について書かせていただきましたが(※まだ読まれていない方は読んでください)、「キャラクター」というのは「ルール(制限)」で、ルールが明確であればあるほど、そのキャラクターがとるアクションの選択肢が少なくなります。

それによって「ここに(おしゃべり)スコップがいるんだから、喋らせなきゃいけないよな」と作者が引っ張られ、物語が展開していきます。

この際、キャラクターの名前を「煙突掃除屋A」とするか、「スーさん」とするかで、キャラクターからもらうヒントの量が変わってきて、「煙突掃除屋A」という無味無臭なルールにしてしまうと、作者が「煙突掃除屋A」をどう動かすか?を都度都度考えなきゃいけなくなる。つまり、コストがめちゃくちゃかかるんですね。

なので、ストーリーを書くまえに、まずは「名前をつける」という儀式をした方がいい。
名前にはルールが内包されていて、そのルール(キャラクターの動かし方のガイドライン)が作者にヒントをくれます。

どうしても名前が思いつかない場合は、「仮」で、「実際に存在する人」の名前をつけておくといいでしょう。

今、僕が書いている『映画 えんとつ町のプペル ~約束の時計台~』の(今回のお話の)主人公の名前は「チックタック」なのですが、自分的には、あまりシックリきていません。
#原作ではチックタックです

映画版は、酒場で不良仲間達と酒をくらいながらポーカーをするシーンから始まるのですが、その振る舞いが「チックタック」というイメージから、少しかけ離れているんです。

なので、ちょっとフザけた話ですが、今は、キャラクター名を「海老蔵(仮)」にしています。(笑)
そうすることで、「このシーンは、海老蔵さんだったら、どう動くかな?」という思考になる。実際に存在するキャラクターがヒントをくれるわけですね。

とにもかくにも、「まず名前をつける」というのは超オススメです。
またいつか、こんな話も差し込みたいと思います。

現場からは以上です。

【追伸】
 
https://salon.jp/nishino」を付けて今日の記事の感想を呟いていただけたら、西野がエゴサーチで見つけ出してニヤニヤします。
宜しくお願いいたします。

https://nishino.thebase.in/

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