【面白さ】を下支えしている【強さ(ビジネスモデル)】の共有

投稿日:2022.06.08 / 西野亮廣エンタメ研究所

※この記事の内容は外部に発信していただいて大丈夫です。


 
 

おはようございます。
メキシコのエンタメを勉強しながら、オンラインで化粧品(CHIMNEYTOWNの新商品)の打ち合わせをしているキングコング西野こと「お前の職業、なんやねん」です。
 
さて。
今日は『【面白さ】を下支えしている【強さ(ビジネスモデル)】の共有』というテーマでお話ししたいと思います。
 
 

お前の優しさや面白さが続かない理由は、お前が「弱い」からだ。
 

CHIMNEYTOWNの後輩達には常日頃「優しくなりたければ(優しくしたければ)強くなれ」と言っています。
 
ここでいう「強さ」というのは、シンプルに「お金の問題をクリアする力」のことです。

キャストさんやスタッフさんやお客さんを経済的に追い込んでしまうようなプロジェクトは必ず終わりが来るので、「ビジネスを徹底的に学んで、プロジェクトに関わる人間を全員守りぬき、かつ、他のコンテンツを圧倒的できるだけの予算を確保しろ」と西野先輩。
 
日本のエンタメシーンでこの問題と向き合うと必ず批判が起きるので、おかげで日本のエンタメ人は経済的に追い込まれていますし、おかげで日本のエンタメはコンテンツに大きな予算を割けずにいます。
 
【強さ】を持ち合わせていないばかりに、【優しさ】と、【面白さ】が犠牲になってしまっているので本末転倒です。
 
もちろんウチの後輩がそんな仕事をしたら、「お前、ナメんなよ!」と胸ぐらを掴むぐらいの怖さを含んだ「そこはキチンとやった方がいいね(笑)」という声をかけます。
#逆に怖いパターン
 
そんなこんなで、僕が(世界的に名が知れた)エンタメを観に行く時は、「面白さ」と「強さ」の両方を見るようにしています。
「この面白さを下支えしている強さ(ビジネス)は何だ?」という感じで。
 
というわけで、今日はメキシコ(カンクン)で大人気のテーマパーク『Xplor(エクスプロール)』に朝から行ってまいりました。
 
ジャングルの上をジップライン(人間ロープウェイ)でギュイーンと飛んだり、
ジャングルの中を(自分で運転する)小型ジープで爆走したり、
鍾乳洞の中をイカダで進んだり泳いだりする“本気のジャングルクルーズ”です。
#ヘトヘトになります
 
世界中からお客さんを呼んでいるだけあって、面白いのは間違いないのですが、やっぱり気になるのは「この面白さを下支えしている強さ」です。
 
『チケットの売り上げ』だけでは、この面白さは表現できません(予算が足りません)。
 
さて、『Xplor(エクスプロール)』は一体、何で売り上げを作っているのでしょうか?
 
 

テーマパークの顔をした『写真屋さん』
 

『Xplor(エクスプロール)』の強さの秘密は「写真」にありました。
 
鍾乳洞の中を歩いたり、泳いだりするもんですから、入り口で『ヘルメット』を渡されるのですが、この『ヘルメット』がクセもの。
 
受付でヘルメットを受け取った時に、「写真サービスをつけますか?」と訊かれ、絶叫マシーンの出口とかにあるアレ(自分が写っている写真を後から買うやつ)のことかなぁと思っていたら、『Xplor(エクスプロール)』の写真サービスは一味違います。
 
パーク(ジャングル)内を歩いていると、「ここで写真を撮りたいなぁ」と思ったポイントに必ず固定カメラ(とシャッターボタン)があって、そこでシャッターを押したら、カメラがパチリと。
 
これがまぁよくできていて、入り口で受け取った(まんまと被っているヘルメット)の中には「ICチップ」が内臓されていて(ヘルメットの番号が振られていて)、帰宅後、オンラインでヘルメットの番号を入力したら、パーク内で撮られた“自分の写真だけ”が送られてくるようになっています。
 
「ICチップ」の見事なお仕事もさることながら、これは…
 
①写真サービス関係無しに全員が『ヘルメット』を被らなきゃいけない。
②水でズブ濡れになるからスマホを持ち歩けない。
 
…という『Xplor(エクスプロール)』ならではの二つの環境(ともすれば悪条件)を見事に逆手にとった仕掛けで、来園者のほとんどが、この写真サービスをオプションで付けます(追加購入します)。 
 
写真サービスは入り口で買わなくても、途中からでも、帰り道でも買うことができるので、途中、ノリで撮っちゃった(シャッターボタンを押しちゃった)人も、「あそこでせっかく撮ったし…やっぱり買っとこっか」となります。
 
簡単に言うと、『Xplor(エクスプロール)』って、写真でメチャクチャ売り上げを生んでいるんです。
#テーマパークの顔をした写真屋さん
 
だから、パークで働くスタッフさんにキチンと給料をお支払いすることができて、
だから、極端にコストをかけたアトラクションを作り、運営することができるんですね。
 
優しくて、面白いサービスには、必ず「強さ」があります。
なので、優しくて、面白いサービスを受ける時は、それらを下支えしている「強さ」を探す癖をつけましょう。
 
そのうち、自分達のサービスに転用できるような(あるいはヒントとなるような)「強さ」が見つかると思います。
 
現場からは以上でーす。
 
【追伸】
 
https://salon.jp/nishino」を付けて今日の記事の感想を呟いていただけたら、西野がエゴサーチで見つけ出してニヤニヤします。
宜しくお願いいたします。

 

↑このヘルメットが凄い!
 

 
 
 
 
 
 

 

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