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ロングセラーを整理する

2020.12.05 / 西野亮廣エンタメ研究所

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おはようございます。

今日は梶原君と二人でロケなのですが……そういえば二人でロケをするのは10年ぶりとかなので、モジモジしそうな気がしているキングコング西野です。

さて。

今日は『ロングセラーを整理する』というテーマでお話ししたいと思います。

ロングセラーの整理など誰からも求められていませんが、僕の今後の打ち手を考える時の参考にする為に勝手に整理してみます。

※今日はあくまで『整理』です。

※少しだけ複雑な話になりますが、なんとなく想像しながら読み進めてください。

 

ロングセラーとバズ

先日も『いないいないばあ』の話(※60年前に出た作品なのに、この4年間で100万部増刷されている話)をさせていただきましたが、

幻冬舎の箕輪さん曰く「ビジネス書も同じ傾向」らしく、【新刊】よりも【ロングセラー】が売れているそうです。

国が貧しくなると(お客さんの財布のヒモが固くなると)、ハズレクジを引く余裕などありませんから、これまで以上に【ロングセラー】が選ばれやすくなるでしょう。

ところで、

【ロングセラー】と言っても、そこには様々な【ロングセラー】があります。

分け方の一つに、『2次展開しにくいロングセラー作品(商品)』と、『2次展開しやすいロングセラー作品(商品)』があります。

赤ちゃん向けの絵本『いないいないばあ』は、「グッズ化」や「映画化」といった2次展開がしにくそうです。

『いないいないばあ』を読んで育った子が「グッズ」や「映画」を求める始める頃には、もう、赤ちゃんではなくなっているからです。

ミュージカル『いないいないばあ』を作っても、そこには潜在客がいないんですね。

その点、アンパンマンは絶妙です。

『卒業(アンパンマンを見なくなる時期)』はあるものの、アンパンマンの玩具のパッケージを見ると、対象年齢が「6~8歳」となっているものが多く、玩具の分野では2次展開に成功しています。

【ロングセラー】の対極にある【バズ】です。

【バズ】というのは魅力的に見えますが少し厄介で、バズらない可能性が高い上に、バズったところで刹那的で、すぐに次の【バズ】を作りにいかなきゃいけまけん。

涙の自転車操業です。

ちなみに『100日後に死ぬワニ』の作者さんが、今、何をされているかを把握されてますか?

…バズらせても、そういうことです。

 

自社製品の『位置』を把握する

4象限マトリクスクス(『+』のグラフ)を想像してみてください。

縦軸は、「ロングセラーであるか否か?」の縦軸(上に行くほどロングセラー)。

横軸は、「2次展開できるか否か?」の横軸(右にいくほど2次展開できる)。

『いないいないばあ』は左上で、

『100日後に死ぬワニ』は右下で、

『アンパンマン』は右上です。

どうやら、自転車操業から一番遠いのは右上(ロングセラー×2次展開可能)ですよね。

ここでのポイントは、「左から右への移動は不可能だけど、右下から右上への移動は工夫次第でいけるケースもある」です。

『いないいないばあ』を2次展開できるように持っていくのは難しいですが、バズった絵本を、【バズ】で終わらせずに、【ロングセラー】に持っていく方法はいくつかあります。

たぶん、右下の作品(バズ)を右上(ロングセラー)に持っていく為に必要な条件こんなところです↓

①ファン同士が交流できる場所。

②ファン同士の交流を滞らせない『継ぎ足しのタレ(新ネタ)』

すでに結果が出ていることを例に挙げると分かりやすいと思いますが……

『えんとつ町のプペル』はもとは右下にいたのですが、

スナック『CANDY』や、

『天才万博』や、

国内外での個展といった【①場所】と、

VRやミュージカルといった【②継ぎ足しのタレ】を用意したことで、右下からジワジワと右上に移動しています。

この時、自社製品が「たまたま(自然に)」右上に行ってくれることを期待するのは辞めておいた方がいいと思います。

99.9999%無理です。

右下から右上に持っていくには、

①ファン同士が交流できる場所。

②ファン同士の交流を滞らせない『継ぎ足しのタレ(新ネタ)』。

といった環境を(自前で!)用意しなくてはいけません。

そして、繰り返しになりますが、左から右に持って行くことは“ほぼ”不可能です。

ほら、「パンパース」や「ポリデント」の2次展開って難しいじゃん?

2次展開できない形で生まれたモノを2次展開させるのって、難しいんです。

今日の話は「右上を狙え!」という話ではありません。

届けたいメッセージは…

「自社製品が、どこに位置しているかを把握しておいた方が気持ちの整理もつくし、自転車操業になっている原因も理解できるし、次の打ち手も見えてくるので、自社製品の位置を把握しておきましょうね」

です。

ここを把握しておかないと、左上の商品(例:『いないいないばあ』)の右上化(2次展開案)を考える会議とかやっちゃうので(不毛!)、まずは自社製品の位置を把握しておいた方がいいと思います。

それでは、梶原君とロケをしてきまーす。

若干、寝不足気味ですが、晴れているので、気持ちが良いです。

現場からは以上でーす。

 

【追伸】

サロン記事の感想を呟かれる際は、文章の最後に『salon.jp/nishino』を付けて《本垢》で呟いていただけると、西野がネコのようになつく場合があります。

【※企業様向け】映画『えんとつ町のプペル』のチケット協賛はコチラから↓

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画像制作(築舘さん)→https://www.facebook.com/tsukky739





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