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「任せる」という大きな挑戦

2022.11.20 / 西野亮廣エンタメ研究所



おはようございます。

今回は「CHIMNEYTOWN」がハンドリングしない(運営を外部に委託する)初めての公演で、ミュージカル『えんとつ町のブペル』を運営&管理するCHIMNEYTOWN USAとしても「任せる」という大きな挑戦でした。

サロンだから、ぶっちゃけた話をすると、当時、大阪公演のプロデューサーのジョーさんから打診いただいた時に、CHIMNEYTOWN USAは後ろ向きでした。
自分達が命懸けで生んだ作品を傷つけられたくなかったからです。

しかし、「任せる力」は任せることでしか身に付きません。
任せる力を身につけないとCHIMNEYTOWN USAは次のステージには進めません。

『はやく行きたければ一人で行け。遠くに行きたければ皆で行け』というやつです。

何度も何度も話し合い、時には「そんな覚悟ではお任せできませんっ!」と叱ったり叱らなかったりして、最後は「ウチの子を宜しくお願いします」とお任せしたそう。

大阪公演のプロデューサーのジョーさんは、『えんとつ町のプペル』という作品を受け取って初めて知った「重さ」があったでしょう。

この規模の舞台を仕掛けるのも初めてでしょうし、何よりCHIMNEYTOWNが仕掛ける作品は、他の作品と違い「採算度外視」もいいところで(ホントに!)、それを可能にする為に、スタッフは普段から「予算」の勉強や、「予算を生むための信用」の獲得(発信やドブ板営業、そして応援していただく為の姿勢作り)に時間を割いています。

それは日本の多くのクリエイターが後回しにしている活動であり、ともすれば、経営リテラシーの低い人達(「予算を作る」という概念がない人達)からは「銭ゲバ」と揶揄されるような活動だったりするので、日本のクリエイター達の間ではまるで体系化されていません。

CHIMNEYTOWN ではインターン生のうちから「ここでウン千万円を確保する為には…」みたいな話に巻き込まれます。

そして、「何も知らないヤツが、何も知らないウチに頭を使うな!もっと見ろ!見ることに時間を使え!この、ウンコ味のウンコ野郎!!」という西野の凄まじいパワハラを浴びて育てられます。

1000万円を集めるには…5000万円を集めるには…1億円を集めるには…、
そして、
圧倒的なエンターテイメントを作り続け、
スタッフ(とその家族)を守り抜く為には何をすればいいのか?
何をしてはいけないのか?

CHIMNEYTOWNでは(とくに西野にベタ付きのクリエイティブ部門では)、これを朝から晩まで考え抜き(酒場で延々とその話)、仮説&検証を繰り返し、そのスピード感と物量に耐えられずに脱落する人間もいます。
#CHIMNEYTOWNあらため男塾です

勇気と覚悟だけでは間に合わないことだらけです。
ジョーさんは、「いけます!やれます!」と手を挙げたものの、相当、面を食らったと思います。
「こ、こんなに重いのっ!?」と。

そういえば、「…あぶないな」と思ったことがありました。
#サロンなので全部ぶっちゃけて喋ります

ミュージカル『えんとつ町のプペル』の利用料について、ちょっと嫌な予感がしたので、CHIMNEYTOWNサイドのプロデューサーの瀬戸口に「そういえば、ミュージカルの利用料って、いくらで契約したの?」と聞いたところ、想像以上に高い金額でした。

ヘタなカンパニーに渡して、作品の信用を落とされてはかなわないので、「入り口(利用料)のハードルを上げて、作品を守る」というのは、よくある手です。
決して間違ってはいません。

ただ、それにしても高すぎたので、すぐに値下げの提案をするように伝えました。
契約を結んだ後に、大元(親)から「もっと値段を下げませんか?」と提案するなんて前代未聞です。

ですが、そうしないと、大阪チームが壊れてしまう。

気になったのは、最初の金額でOKを出したジョーさんのこと。
やりたい気持ちが先走って、明らかにソロバンをはじけていませんでした。

今回は、たまたま西野が気がついて「値下げ」に成功しましたが、あのまま進めていたら、大阪チームは大変なことになっていたと思います。

「やりたい!」という気持ちが先行して、なんでもかんでもOKを出してしまう危うさがありました。
西野亮廣がよく使う手です。

ただ、(これはジョーさんだけに言っているわけではなく、皆様に向けて…)、西野亮廣のその部分は絶対に真似しないでいただきたいです。

たしかに、西野亮廣は「どうしてもやりたい表現」に出くわした時に、ウン千万円や、場合によっては1億円以上の「追加料金」を支払うことがあります。

六本木でやった「光る絵本展」も、エッフェル塔でやった「光る絵本展」も、入場料を「無料」にしたので、その時点で合計5000万円が吹き飛びました。

満願寺でやった個展もそんな感じです。

ついには「採算なんて取ってたら、想定内のものしかできないんだろっ!」という破滅宣言までする始末。

ただ、西野亮廣は、そこでブチ込んだウン千万円や1億円チョイを、必ず自分で用意します。
用意できるだけの体力と少しの知識を持ち合わせています。

「最後は僕が予算を用意するから、やっちゃえ!」というやつです。

これは一般の人には無理だし、芸能人でもできません。
300〜500万円を用意するので、やっとだと思います。

お金の話ばかりして申し訳ありません。
だけど、大切な話なので、させてください。

ウン千万円や、ウン億円というお金は、人やチームを破壊するには十分な金額です。
ただの「勇気」で手をつけていい金額ではありませんし、守る人がいるなら尚更。

こちらから作品利用料の値下げを提案させていただいた時に覚えた不安は、「プロデューサーが、この調子で『面白いから、やっちゃいましょう!!』という西野芸を繰り返していたら、大阪チームが崩壊しちゃう…」というものでした。

さて。

ミュージカル『えんとつ町のプペル』の大阪チームは今、「あれも手配してなかった」「これも手配してなかった」「こんな変なことをやっちゃっていた」という、プロデューサーのジョーさんの「勇者モード(無謀なチャレンジ)」のツケを払わされています。

ここまで話を聞くと、「ジョー!何やってんだよっ!オママゴトじゃねぇぞ!」となるじゃないですか?
#皆さんなってるでしょ ?

ただ、当事者達(大阪公演のキャスト&スタッフ)は、どうかというと、「ジョーさんには、公演終了後に腹パンするとして、今は、公演を成功させる為に僕らができることをやろう!」と覚悟を決めて、方々で発信をしたり、なんなら稽古場に活動予算を集める募金箱を置いたり。

個人の失態をいつまでも責めるようなことはしていません。

それは本当に美しいし、ジョーさんもジョーさんで、「こんなになってもまだ応援してもらえる信頼関係」を仲間と築いてこられたのだと思います。

ミュージカル『えんとつ町のプペル』大阪公演の制作現場(バックヤード)で起きているドラマ(スポ根!)は、本編に勝るとも劣らない内容で、すっかり『裏・えんとつ町のプペル』です。
 
もう少しで「星はあるんだよっ!」と誰かが言い出しそうな勢い(笑)。

そのジタバタっぷりを見ているうちに、「彼らを負けさせたくないな」という気持ちが沸々と湧いてきました。

23日の10時から、補助金用に確保していた招待席の約半分(1167席)を解放するそうです。#チケットぴあにて

公演10日前の出来事です。

補助金が採択できなかったら(22日判断)、残りの「848席」は、もうチケットぴあは間に合わないので「手売り」で販売するそう。
#パンクロックかよ

もう、絵に描いたような大ピンチですが(笑)…見ていてください。

絶対に負けさせないので。

僕らは、この程度のピンチを過去何度も味わってきていますし、いつも、なんとかしてきました。

先日、『映画 えんとつ町のプペル ~約束の時計台~』の脚本(第4稿)と『ボトルジョージ』の脚本が書き上がって、ちょうど退屈していたので、望むところです。

「仲間のミスは全員でカバーして、全員で並んでゴールテープをきった後に、体育館裏に呼び出して腹パンする」で話はまとまりました。 
#ジョーさんは腹筋を鍛えておいてください

残り12日。

来週のサロン記事は、この話題が多めになりそうですが、よかったらお付き合いください。
…いや、全員手伝ってください。
昭和のスポ根だぜ。

よし、やるぞ。

西野亮廣(キングコング)

【追伸①】

https://salon.jp/nishino」を付けて今日の記事の感想を呟いていただけたら、西野がエゴサーチで見つけ出してニヤニヤします。
宜しくお願いいたします。

【追伸②】

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面白いです😁

https://www.youtube.com/watch?v=PUAHVlgzPAM

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