ほんやのポンチョがだいたいできました

投稿日:2018.02.18 / 西野亮廣エンタメ研究所

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だいたい、できた


「こうした方がもっと簡潔に、もっとリズム良くなるよー」という御意見、お待ちしております。
 




ほんやのポンチョ

ポンポンポンチョは、ほんやさん。

あさ は はたけ のおてつだい  ひる は ばあば の にもつ もち。

いつも みんなのおてつだい  じぶんの ことは あとまわし。

(お婆さんの荷物を持っているポンチョ)



おかげで おみせは、かんこどり。

きょうも おきゃくが おりません……

(本屋の中で肩肘をつくポンチョ)



ところがどっこい ポンポンポンチョ

おきゃく のかずなど きにもせず  すきな どくしょに むちゅう です

(本棚から一冊の本を取り出すポンチョ)



そしてついにはポンポンポンチョ  おみせの おきゃく に うる ほん の

すきなページに おりめ をつけて  だいじなぶぶん に せん をひき

きづいたことを メモリンチョ。

(ペンを片手に本を読むポンチョ)



ほんは、すっかり しるし だらけで  これでは おきゃく に うれません。

ところがどっこいポンポンポンチョ、

「ガハハハ。これじゃあ、売れねえや」

(気づけば「しるし」だらけになった本を片手に、笑うポンチョ)



あるとき おみせにやってきた  ちいさなちいさな おんなのこ。

たくさん つまれた ほん のやまから  そのこがえらんだ いっさつは

ポンチョがうっかり しるし をいれた  うれなくなった『しるしぼん』

(しるし本を手に取る少女)



「ごめんなさいな おじょうちゃん  そのほん よごれているだろう?

 オイラがうっかり しるし をいれて うれなくなった ほん なんだ」

ところがどっこい おんなのこ  

「この本、とっても おもしろい」

(しるし本を読み進める少女。困惑するポンチョ)



「しるしのおかげでポンポンポンチョの  みているところがよくわかる

 しるしのおかげでポンポンポンチョの  ドキドキワクワクよくわかる

 これは せかい にひとつだけ  とってもステキな『しるしぼん』」

(しるし本の良さを熱弁する少女)



「ガハハハ そりゃもう うれない本だ  気にいったのなら もってきな」

とっても うれしい おんなのこ  「ほん の おれいに これどうぞ」

ポンポンポンチョがうけとったのは  かわいい いぬ の ぬいぐるみ

おんなのこからのプレゼント

(耳が折れ曲がった犬のヌイグルミを受け取るポンチョ)



まもなく まちのひとたち が うわさをききつけ おしよせた

「ポンチョの しるし が はいった ほんを  いっさつ うってくださいな」

みんな まえから きになっていた  ポンポンポンチョのみているところ

(店の前に大行列)



ポンチョがつくる『しるしぼん』

せん を ひいては「はいどうぞ」  おりめ を いれては「まいどあり」

あっという ま に だいはんじょう  ポンチョのほんや は おおいそがし

(大盛況の本屋。しるし本を作っているポンチョ)



あるひ のんきな ひるさがり  ポンチョが てつだい していると

ちゅうざいさん が かけてきて  こえ も からがら さけびます

「ポンチョの ほんや が もえてるぞ」

(荷物持ちのお手伝いをしているポンチョのもとに、駐在さんが走ってきて、叫ぶ)



ばりばりバチバチ ごうごうと  ポンチョの ほんや は やけていく

ほのお は おおきくなるばかり  みんながあきらめた そのとき

(町の人達が消化活動にあたるが、勢いよく燃え上がる『熊八書店』)



「オイラの たから を たすけなきゃ!」 

おおきこえをはりあげて  ポンポンポンチョが はしりだす

まわりがとめても ふりほどき  ポンポンポンチョは ひ のなかへ

(炎の中に飛び込んでいくポンチョ)



そらまでモクモク くろけむり  おろおろハラハラ まちのひと

ちかづくことも ままならず ポンチョの ぶじ を ねがうだけ

(火の勢いを前に、何もできない町の人達)



ごうごうもえる おみせのなか から  やっとでてきた くろこげポンチョ

まちのひとたち かけよって  ポンチョの むね みて おどろいた

(炎の中から、命からがら飛び出してくるポンチョ)



くろこげポンチョ が だいていたのは あのこ がくれた ぬいぐるみ

おみせ や ほん が やけたというのに ポンチョ は かまわず ガハハのハ

「オイラの たから を たすけたぞ」

(犬のヌイグルミを持って笑うポンチョ。唖然とする町の人達)



くろこげ やけあと まいったな   ポンチョが とほう にくれてると

あのこが ふたたび やってきて  もってきたのは ふるい ほん

「おねがい ポンチョ このほん に  しるし をいれてくださいな

しるしのはいった『しるしぼん』  おみせ で うってくださいな」

(焼け跡に佇むポンチョに、古本を渡す少女)



あとにつづいた まちのひと  いえ から ふるほん もってきて  

くちをそろえて こういった

「おねがい ポンチョ このほん に  しるし をいれてくださいな

しるしのはいった『しるしぼん』  おみせ で うってくださいな」

(古本を持った人々が焼け跡に集まる)

20

びっくりぎょうてん やまもりだ

まちをあいしたポンポンポンチョを こんどは みんな で ささえるぞ

ポンポンポンチョに えがお がもどる

「こいつは ないちゃ いられない たくさんつくるぞ『しるしぼん』」

(焼け跡に極端なぐらい山積みになった本)

21

みな から もらった ふるほん の  すてきなページに おりめ をつけて、

だいじなぶぶんに せん をひき  きづいたことを メモリンチョ。

みんながまってる『しるしぼん』  せかいにひとつの『しるしぼん』

(しるしを入れるポンチョ)

22

いっぷうかわった ふるほんや  ポンポンポンチョのほんやさん

ここからはじまる ものがたり

(『しるし書店』という看板が出ている。賑わっている)

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