守りを固めて、攻めどころで、とことん攻める

投稿日:2023.07.06 / 西野亮廣エンタメ研究所

※この記事の内容は外部に発信していただいて大丈夫です。


おはようございます。
一年半ぶりに会社に行ったキングコング西野です。
#内装が変わってた

さて。
今日は「守りを固めて、攻めどころで、とことん攻める」というテーマで
話ししたいと思います。
 
 

守りを固める
 

現在『映画 えんとつ町のプペル』や短編アニメーション『ボトルジョージ』
の制作もズイズイ進んでいて、そこでのスタッフの皆様の頑張りもお届けしたくてたまらないのですが(本当に素敵な作品が生まれようとしています!)、「緊急度の高いテーマ」ということで、最近は『テイラー・バートン』と『えんとつ町の踊るハロウィンナイト』の話が多くなっています。
#ていうか一気に何個のプロジェクトが進んでるのよ

そんなわけで、今日も舞台『テイラー・バートン』のお話。

舞台『テイラー・バートン』は今年2月に予算会議をおこない、会議は「予算会議の中で(希望的観測を入れながら)無理矢理収支を合わせる」ということはせず(※そんな予算会議には何の意味もない)、すべて正直に洗い出して、「予算回収までは、あと◯◯万円だね。頑張ろう」という形で締めました

そこまでは凄く良かったのですが、その後がマズくて、「あと◯◯円を集め
なきゃいけない」と分かっていたのにも関わらず、「オンライン配信チケットがたくさん売れたらイケる」という期待を持ち込み、それ以外の手を打っていませんでした。

開幕まで1ヶ月に迫ったタイミングでそれだったので(予算繰りに関して何も手をつけていなかったので)、「このままではたくさんの人に迷惑がかかる」、そして「後輩の挑戦(ニューヨークの案件も含む)全てが終わってしまう」と思い、『テイラー・バートン』の運営を引き取ることにしました。

運営を引き取り、決めたことは二つ。

一つ目は、「予算会議を週一でおこなうこと」。
#現在地の把握

二つ目は、「変動性の高い売上への期待の一切を捨てること」。
#守りを固める

「変動性の高い売上への期待を捨てましょう」と、どれだけ言ったところで、(西野みたいな)よっぽどのサイコパスじゃないかぎり、予算会議で、その期待を綺麗サッパリ捨てるのは難しいのだということがなんとなく分かってきました。
#これはテイラー・バートンの予算会議に限らず

「少しでも早く安心したい」という気持ちが働いてしまうのでしょうか、収支表に「売上の変動が大きい商品」を入れてしまって、頭のどこかで「これが売れたら、◯◯円が入ってくるから…」と考えてしまう。

「死なない経営」を目指すならば、やらなきゃいけないのは「売上の変動が極力小さい商品の売上」だけで採算を合わせるのが吉。

というわけで、昨日の予算会議では「この収支表からオンライン配信チケットの“見込み売上”の枠を消してください」とお願いしました。

目に入ると、どうしても考えちゃうので。

そんなこんなで、舞台『テイラー・バートン』の収支表の「オンライン配信チケット」の枠は「すでに売れたチケットの売上」だけとなりました。
#小さなことだけど凄く大切

何度も言いますが、チーム運営、会社経営は、「ワンアウトでゲームセット」で、リベンジのチャンスはありません。
リベンジのチャンスがあるのは「雇われている人」だけで、経営者にはそんなものはありません。

目を背けたくてたまらない最悪の状況を常に見て、まずは守りを固める。
話はそれからです。

1週間前に、僕が運営を引き取ってから初めての予算会議があり、そこで現状を把握し(メチャクチャひどかったww)、会議後すぐにクラウドファンディングを立ち上げ、とりあえず1週間、手を打ちまくって、昨日、二度目の予算会議がありました。

予算的にはまだ「安全圏」には入っていませんが、しかし(皆さんの応援もあって)、この1週間でかなり前に進みました。

昨日の予算会議でも、ポスターの原価を調べたりしながら、「これが一つ売れたら150円ぐらいの利益が出るよね」という小さな足し算の繰り返し。
これは、制作費がウン千万円でも、ウン億円でも同じことで、一発逆転の裏技なんてありません。
#ニシノコンサルではいつも裏技を求められるけど
#そんなものは無いって何万回言えば分かる?

そして、もう一つ。
 
 

そして、攻める
 

「オンライン配信チケットの売上への期待を捨てましょう」と声をかけましたが、あくまでそれは「期待に体重を乗せた経営をしない!」ということであって、「オンライン配信チケットを売らない」ということではありません。

もちろん「オンライン配信チケット」は売ります。とことん。

そんな中、昨日、提案させていただいた「オンライン配信チケットのプロモーション案」は二つ。

一つ目は、30日(千秋楽)の終わりに、劇場を1時間ほど使えるそうなので、そこで、ミニトークショーをおこなう。
その様子をYouTubeで撮影して、宮迫チャンネルか、西野チャンネルで(一部を)流す。

そして、その動画の最後に、オンライン配信チケットの案内を差し込む…というのが一点。

二つ目は、宮迫チャンネルか、西野チャンネルで、舞台『テイラー・バートン』の前半15分をガッツリと流してしまう…というもの。

『西野と学ぶ◯◯』でやっているような形ですね。
この手の動画は再生回数は見込めないのですが、目的は再生回数ではなくて、「オンライン配信チケット」への誘導です。

買うかどうか迷っている人にしてみれば、中見が分からないモノには手を伸ばせないと思うので、ガッツリと中身を見せてしまう。
舞台の「試食」みたいな感じです。
 
 

まとめ
 

今日は二つの話をさせていただきました。

前半は「守り」の話。
後半は「攻め」の話。 

戦では、どちらか一つが欠けてもダメで、やっぱり両方押さえなきゃいけません。

そして、もう一つ。

打ち手の「順番」を間違ってはいけません。

どうしても「攻め」の方が見映えがするし、やりがいもある。
だけど大切なのは、「まずは守りを固めて、その後に、攻め」です。
#ここの順番が前後してはいけない

「そんなこと何回も言われなくても分かってるよ」と思われる方もいらっしゃると思うのですが、そんなことを西野から何回も言われているハズのウチの後輩がコケる時のパターンは大体コレで、頭では理解できていても、「やりがい」に流れてしまったり、「まわりの人達のリアクション」によってノセられてしまう(おだてられて間違った方向に進んでしまう)のが人間なんだと思います。

どうやら、自分が思っている以上に、自分をコントロールするのは難しいみたいで…なので、今日の「売上の変動が大きい商品の見込み売上は収支表から消す」みたいな感じでルール決めをするも良いのかもしれません。

あ。そうそう。
7月27日18時から「関係者向けの公演」があるのですが、一般の方も入れるように少しだけ一般チケットを出しました。
下にリンクを貼っておきます。
#ピクチャーブック

宜しくお願いいたします。

現場からは以上です。

【追伸①】
https://salon.jp/nishino」を付けて今日の記事の感想を呟いていただけたら、西野がエゴサーチで見つけ出してニヤニヤします。
宜しくお願いいたします。

【追伸②】
舞台『テイラー・バートン』(脚本・演出 西野亮廣)のオンライン配信チケットはコチラから→https://chimneytownusa.zaiko.io/item/354246
#映像はメチャクチャ作り込みます

【キンコン西野】舞台『テイラー・バートン』で演劇の新しい雛型を作りたい!
https://www.picture-book.jp/projects/taylorburton

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