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バトンを渡す

2022.06.28 / 西野亮廣エンタメ研究所


 

おはようございます。
これだけ色んな挑戦をしている癖に『肩甲骨はがし』に怯えているキングコング西野です。
#ベリベリッとなるの ?

さて。
今日は『バトンを渡す』というテーマで、どちらかというと世の「上司」の皆様にお届けしたいと思います。

 

立場が人を育てる


渋谷のど真ん中に店舗を構えるコーヒー屋さん『CHIMNEYCOFFEE』。

その運営会社である(株)CHIMNEYCOFFEE代表の山邊(26歳?)が「CHIMNEYTOWNから独立して、会社を立ち上げたいんですけど…」という相談を持ちかけてきたあの日から、昨日でちょうど1年が経ったそうです。
#CHIMNEYCOFFEEのスタートは2021年7月7日

昨日、その山邊から「ご報告と相談があるんですけど…」と連絡があって、二人で喋りました。

「報告」は、『CHIMNEYCOFFEE』が出している「カフェオレベース」が売上1万本を突破したというもの。
こちらの「カフェオレベース」は僕も取り寄せていて、毎日飲んでいます。
贔屓目抜きに本当に美味しいです。
#僕は甘いやつが好きです

※コチラ→https://chimney-coffee.com/products/shibuya-chimney-coffee-cafeaulaitbase-sweet?variant=40491170463922

小技に走らず、「本当にイイものを作り、丁寧に届ける」をやっているので、「1万本」は出るべくして出た結果だと思います。

巷に溢れる“実績のないマーケター”が書籍や動画で叫ぶ“お手軽ノウハウ”は全て寝言で、やはり最後は「クオリティー」と「コミュニティー」と「足(で稼ぐ)」がモノを言う。

「失敗したくない消費」の現代は、とくに。

これからも『CHIMNEYCOFFEE』には丁寧な仕事を続けて欲しいと思いました。

山邊からは「新しい店舗のデザイン案」についての話もありました。

そういえば2ヶ月ほど前だったか、「リーダーとして正しい判断するには、『見てきた数』が少なすぎる」とかなんとか言って、飛行機と宿のチケットをとって(意外と優しい先輩なんです!)、彼を北海道の“とある場所”に飛ばしました。

その旅で得たものがあったらしく、今回の店舗デザインにそれを活かすそう。
ラフデザインを見せてもらったのですが、とても素敵なデザインでした。

初めて会った時は、山形からやってきた悲劇的にダサい大学生(「論破」に憧れる典型的なアホ)だった山邊ですが、「立場が人を育てる」とはよく言ったもんで、昨日は経営者の顔になっていました。

僕の仕事は、作品制作がメインです。
しかし「次の世代」を育てないと、僕らが描いているゴールには辿り着くことができません。

とはいうものの「教育」なんて手探りもいいこころ。
相手が「新入社員」や「インターン生」だったら、こっちは「上司1年生」です。

しかも、人間は(一般的には)「1日20時間×365日」というペースで働けないようなので、僕のペースで教えてしまうと、相手が潰れてしまいます。
#梶原君がそうでした

「何をどう教えてあげればいいのか?」と考え始めると、最後にはいつも、「僕は、あんまり上手に教えられないから、せめて、打席にはたくさん立たせてあげよう」という結論に至ります。

それは、「若手が三振して帰ってきても、死なないチームを作ること」と同義です。

「教育」を掲げ、「立場が人を育てる」というのであれば、なるべく早いうちに立場を任せてあげた方がいいことは分かっていても、上の人間はいつも二の足を踏みます。 

理由は、きっと次の2つ。

1つ目は「若手の失敗をリカバリーできるほどの余力がチーム(会社)に無い」ということ。
CHIMNEYTOWNでは時々若手が四桁万円の失敗をブチ上げることがありますが、一般的な中小企業だと、こんなのは一発でゲームオーバーです。

2つ目は「若手に席を明け渡したくない」という感情の問題。
これは老人ホームの形をした日本列島のいたるところで起きている問題です。

個人的には2つ目の方が厄介だなぁと思っています。
どうやら人間は「苦労して手に入れたもの」を簡単には渡したくないようです。

気持ちはすごく分かるのですが、個人的には、「個人の目先の取り分」なんかよりも「チーム(集落)の生産性」を優先した方が、個人の満足度が高いと思っています。

「裁量権を1年目から持たせるパターン」と「40歳になるまで裁量権を持たせないパターン」のABテストをしたわけではないので(前者しか試していない)、僕のこの結論にはあまり説得力はありませんが、しかしながら、先輩(上司)が自分の取り分を減らして、その分を、後輩(部下)への投資に充てた時に見る景色は、まんざら悪いものではありませんでした。

それは、やってみなくちゃ見えない景色で、その景色を前にすると、地位や名誉や名声や貯金など屁みたいなもんです。

結局、ブロードウェイでもハイボールを呑んで、「すごいねー」と言っていたのですが、結構楽しかったです。
#生活レベルを上げる必要がないことを確信した

もちろん若手にチャレンジさせることで会社の信用が地に落ちたり、会社のキャッシュが尽きてしまうと元も子もないので、そこは死ぬ気で守りつつ、「感情や不安や承認欲求を理由に若手に席を明け渡さない」という自分がそこにいたのなら、一度、考えてみてもいいのかもしれません。
#僕は責任はとれないのであくまで自己責任で

あと、「渡してみないと、渡す技術が向上しない」というのもありますね。

聞くところによると「還暦」を向かえても、僕らは、あと40年ぐらい生きるらしいです。
参考までに。

現場からは以上です。

【追伸】
https://salon.jp/nishino」を付けて今日の記事の感想を呟いていただけたら、西野がエゴサーチで見つけ出してニヤニヤします。
宜しくお願いいたします。

【お知らせ】
山邊(CHIMNEYCOFFEE)がオンラインサロンを立ち上げるそうです。
立ち上げに向けての意気込みを一度読んでやってください↓
https://note.com/beyamaekiden/n/n7cad202f33b3

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