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仕入れた手札を切り、また新しい手札を探す

2021.03.05 / 西野亮廣エンタメ研究所

見出し画像こんにちは。

「西野さんが次にやりたいことは何ですか?」と訊かれたので、「サーフィン」という大胆な嘘をついたキングコング西野です。

さて。

今日は「仕入れた手札を切り、また新しい手札を探す」というテーマでお話ししたいと思います。

たぶん、現代の生き残り戦略の基本みたいな話です。

 

現場感覚を持ちながら……

マーケティングを語るYouTuberが再生回数&チャンネル登録者数を稼いでいなかったりすることはザラにありますし、

経営コンサルタントに起業させても、はたして上手くいくかどうか。

世の中には有益な情報がたくさん溢れていて、知らないより知っていた方がいいとは思うのですが、どっこい、現場は一筋縄ではいきません。

サロンや、ビジネス書で僕が語るのは、「僕が試してみた結果、こうでした」という体験談で、自分自身、それを一番信用しています。

ハズレてもいいから、とにかくテストを繰り返し、「何がハズレで、何がアタリなのか?」、そのデータを収集します。

このサロンに昔から参加してくださっている方は薄々お気づきかと思いますが、西野はプロジェクトの度に実験を繰り返し、そこでプラスに転んだ打ち手を、次のプロジェクトに転用しています。

「おお、今度は、ここで『意味変』を使ってきたかー」という。

とくに今の時代は『勝ちパターン』の賞味期限が短いので、実験から(違う仕事への)転用までの回転速度が求められているように思います。

『映画 えんとつ町のプペル』のマーケティングの大きな大きな収穫の一つに、「映画のギフト化」がありました。

クラウドファンディング上で「映画を観たい子供達」と「子供達に映画を観せてあげたい大人達」をマッチングすることによって、映画を贈り物にすることに成功しました。

こういうことをテレビで説明したら「詐欺師」と言われるので、いいかげん、テレビで説明するのを辞めようかとも思います。

しかし、時代は待ったなし。

日本の所得格差は緩やかに拡大していて、現場に立ってみると、生々しい話、「お金に余裕のある人からお金をいただいて、お金に余裕がない人をカバーできるように設計されたサービス」でないと、回すのが厳しくなってきています。

一律料金制ではなく、「いかに『VIP席』をデザインするか?」というテーマです。

この問題から目を背けると、明るい未来は待っていません。(キッパリ!)

これが現場の声です。

 

小さな字を書くな。ここは2021年の日本だぞ

僕のビジネス書の文字は大きいです。

そのことを受けて、(ときどき)文字の大きさを小馬鹿にするような人がいますが、つくづくビジネスセンスがありません。

町を歩いている日本人を10人掴まえて、平均視力を計ってみるといいです。

ここは世界一の高齢者大国。

1990年代の日本と違って、石を投げれば「字が小さくて読めない」という人に当たります。

本をデザインする時に、「現代の自国民の視力」がチェック項目から抜け落ちてしまっている人間に“売れるビジネス書”なんぞ作れるハズがありません。

わざわざお客さんを減らしてどうする。

#他者への想像力はどうした

これは、「美味しい/美味しくない」という以前の問題で、「食べることができない」という問題です。

絵本も同じことが言えます。

一律料金制(=全員一人一冊、2000円払ってね)を敷いてしまうと、現代は、その時点でターゲットから外れてしまうお客さんがたくさん発生してしまいます。

「面白い/面白くない」ではなく金銭的な理由で、(たとえば)シングル家庭の子供達に絵本を届けることができなかったりします。

#シングル家庭はあくまで喩えです

ここを突破するとなると、『映画 えんとつ町のプペル』の時に仕掛けた「ギフト化」という打ち手が一つあるのかもしれないなぁと思います。

しかしながら、「ギフト化」に必要なのは、「ギフト商品の認知度」や「ギフトの商品の信頼度」です。

『えんとつ町のプペル』には、それがありましたが、今度発売する『みにくいマルコ ~えんとつ町に咲いた花~』に、それがあるかは分かりません。

そうなってきた時に、『みにくいマルコ ~えんとつ町に咲いた花~』はギフトとして回すことができるのでしょうか?

「西野」や「えんとつ町のプペル」の貯金があゆような気もするし、無いような気もします。

ここはちょっと試してみたいので、よかったら実験にお付き合いください。

「うちの施設の子供達(小学校低学年以下)に、絵本『みにくいマルコ ~えんとつ町に咲いた花~』をプレゼントして欲しい」という子供施設の代表の方がいらっしゃったら、「①施設名、②人数、③地域名」をご記入の上、コメント欄まで御一報ください。

後々、「この施設の子供達に贈りたい」という人も募りたいのですが、その前に「欲しい」という需要があるか確認したいです。

とにかくテストを繰り返して、打ち手を見つけ出して、別のプロジェクトに転用できるかどうか、またテスト。

果てしないマーケティングの旅でございます。

たぶん、皆さんのサービスでも「ギフト化」は考えておいた方がいいと思うので、ここからの一部始終を参考にしてみてください。

現場からは以上でーす。

【追伸】

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  • 玉木皓一