人事を尽くして、天命を待つ

投稿日:2024.04.08 / 西野亮廣エンタメ研究所

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おはようございます。
『万里の長城』が北方騎馬民族の侵入を防ぐ為に築かれたとするのであれば、あの「長さ」は警備兵を分散させるだけだから(攻める方は一点集中でイイから)、絶対的にコスパが悪いと思っているキングコング西野です。

さて。
今日は『人事を尽くして、天命を待つ』というテーマでお話ししたいと思います。

水面下で動いた「数字」を見て、西野がアレやコレやと考える回です。
 
 

世界のレベル
 

ハイブランドで着飾ろうとも思わないし、高級車に乗りたいとも思わないし、高いメシを食いたいとも思わないし、とにもかくにも贅沢の類にまるで興味がないのですが…「面白いもの」を観ることにはシッカリと時間とお金をかけるようにしています。

「エンターテイメントを作るプロとして」という側面もあるけれど、単純に、「客席」が好きなんだと思います。
チケットを握りしめて開演を待つ、あの時間が。

それもあって、忙しくなった今でも、「あの国でやってる◯◯が面白いらしい」と聞けば、すぐに飛行機に飛び乗って観に行っちゃいます。(※今は中国)

ジャンルを問わず、これだけたくさんのエンタメを観ていると、おかげで、「自分達が作っているエンタメが、世界でどれぐらいの位置にいるか?」をかなり冷めた目で判断できるようになりました。
#勘違いが無くなった

プレイヤーとそのファンが「最高だった」と絶賛した作品(イベント)でも、「世界の平均から見ると、おままごと(井の中の蛙)」ということは往々にしてあって、それが悪いというわけではないのですが、それ以上は進まないんだろうなぁと思います。
(本人達がそれで納得していれば、それでいい。世界で戦うことが全てじゃないから)

ただ、僕は違います。

僕は、僕よりも大きなエンタメをする人が存在することを許してしまうのならば、「世界に出なくてもいい」「世界と戦わなくてもいい」「中庸で結構」といった大人びた結論に着地するのならば、25歳のあの日に(タレントとしてものすごく売れていた時に)テレビの世界から足を洗っていなかったわけで…やっぱりやるからにはキチンと世界で一番を獲りにいこうと思います。

そんな中、最新作『ボトルジョージ』のクオリティーは(2024年時点の)世界基準で見てもトップレベルにあると思います。
作り手は自分達が作ったものを過大評価しがちですが、『ボトルジョージ』に関しては、そうではなく、プロの映像屋が100人見れば100人が唸るレベルにあります。
ハッタリだと思うのならば、お近くのプロに聞いてみてください。
#ここを見誤る西野ではありません

問題は、「玄人以外にもどう届けるか?」

見事な映像を作るとついつい「この映像美を見てよ!」とやっちゃいますが(作り手はそう思って当然!)、ただ、多くの人にとって「他人が作った作品」は興味の対象外で、「わぁ、綺麗!」「So cool!」みたいなリアクションはもらえるかもしれませんが、それより後が続かない。

特に、短編アニメーションの世界では、この歴史が繰り返されてきたように思います。
 
 

大事を貫くため、小事を譲る
 

「どうすれば『ボトルジョージ』を見つけてもらえるんだろう?」
最近は、そればかり考えています。

気をつけていることは、「可能性を潰さないこと」。
何も考えずに既存の方法で進めたり、結果を急いでしまうと、「あれさえ、やってなければ」と後で後悔することになりがち。

それこそ、DVD化やBlu-ray化をしてしまうと、アート作品として売る(世界の誰か一人に売る)といった攻め方はできなくなります。

急いで映画館で公開してしまうと、たとえば「『映画 えんとつ町のプペル ~約束の時計台~』(2025年公開予定)と同時上映」という選択肢も消えてしまいます。

今のところ「同時上映」の話は出てきていませんが、「一人でも多くの方に映画館で観てもらう」というのであれば、プペルと同時上映が最も現実的です。
そういった可能性を潰してはいけません。

「どう仕掛けるかなぁ」と思いながら、毎日チョコチョコとジャブを打っているのですが、そういえば先日、トレーラー(ダイジェスト映像)を公開した直後に、裏でコッソリと動いた「数字」がありました。

それは、美容室『NORA @南青山』さんで現在開催中の『ボトルジョージ展』で展示している「アートパネル」です。

※コチラ→https://www.picture-book.jp/projects/bottlegeorge-nora
#個展は4月27日まで

トレーラー公開後、1枚20万円の「アートパネル」が一気に7〜8枚ほど売れました。

トレーラーで『ボトルジョージ』のことを知った方が購入して下さったかもしれませんし、あの90秒の映像の出来から作品の将来性を見た人が「投資」(いずれ転売する)として購入してくださったのかもしれません。

理由は分かりませんが、とにもかくにも「アートパネル」の数字が水面下で大きく動きました。

『ボトルジョージ』の収支は現在【―1409万7840円】で、こうしてアートパネルが売れて、ここの数字(赤字)が減れば減るほど、「結果を急いだあまり可能性を潰してしまった」という事故リスクを減らすことができます。

大切なのは…

「大丈夫。『ボトルジョージ』の予算はもう回収できているから、世間に最大のインパクトを与えるアプローチができるタイミングを待とう!」

という状態を作ることだと思います。
だからこそ、「①トレーラー公開→②アートパネルが売れる」は大きかった。

あとはジックリと時間をかけて、『ボトルジョージ』のファンを作ることが大事。

映画館で公開するその日が、ファンの皆様の特別なお祭りになるように。
特に今は映画館に足を運ぶ理由が「祭り」以外にあまりないので。

iPhoneの発売日のような、古くは『ドラゴンクエスト3』の発売日のような、あの「お祭り感」が今の映画には求められています。

公開してからの番狂わせはほとんどなくて、「公開するまでにどれだけファンコミュニティーを温めているか?」が全て。
それは2025年に公開される『映画 えんとつ町のプペル ~約束の時計台〜』も同じこと。

そんなこんなで、本日(朝7時)、コマ撮り短編映画『ボトルジョージ』の大阪試写会(6月1日 15時〜)の参加権が出ます。
(大阪試写会の参加券をお求めの方はコチラ→
https://www.picture-book.jp/projects/bottle-george-movie

今は試写会終わりに「交流会」ができる場所を探していて、「ファンコミュニティーを温める」という意味では、ここは必須だと考えています。

ここまで「タイミングが来るまで、待とう」と叫び続けているプロジェクトは僕史上初めてなのですが、「短編アニメーションをたくさんの人に届ける」というゲームは、それだけ難しいのでしょう。
#勢いで逃げ切れる戦いじゃない

望むところです。

キチンと準備をして、時代が隙を見せたタイミングで一気にたたみかけてやろうと思います。
応援よろしくお願いします。

そうこうしている間に、もうすぐ7時ですね。
大阪の皆様へ。6月1日は劇場でお待ちしています。

現場からは以上です。

【追伸①】
https://salon.jp/nishino」と「#レターポット」を付けて今日の記事の感想をXでポストした後、この記事のコメント欄に“ご自身の”レターポットのリンクを貼ってくださった方に5レター(ciao!)を贈らせていただきます。

【追伸②】
《大阪平野の夜景を一人占め》HIBARI GOLF(宝塚市)のVIPラウンジ『星の絨毯』(2024年9月オープン)の【年間3日×7年分】の貸し切り利用権をお求めの方はコチラまで。
↓↓
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『星の絨毯』の【1日利用権】は仮予約コチラまで↓↓
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【コマ撮り短編映画『ボトルジョージ』個展を大成功させたい!】
https://www.picture-book.jp/projects/bottlegeorge-nora

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