たくさん売ろうとするな!価値を作れ!

投稿日:2021.09.09 / 西野亮廣エンタメ研究所

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おはようございます。
インパルスの堤下アツシ君が誕生日だったので、「たんじょび下おめでし!」とLINEして、【既読】がつかないキングコング西野です。
#一人孤独にスベってる

さて。
今日は『たくさん売ろうとするな!価値を作れ!』というテーマでお話ししたいと思います。
前半は、ちょっと耳の痛い話かもしれませんが、頑張って聞いてください!

 

「価値」だ!「価値」を見ろ!
 

『えんとつ町のプペル』の本当に素敵なイラストを描かれるイラストレーターさんがいらっしゃったので、「eluで販売してみては?」と提案したところ、高価格帯で(これはいいんだけど!)、“大量に”出品されていて、1秒で御自身の作品の価値を落としていて、非常に勿体無いと思いました。

世界中の人がダイヤモンドを持っていたら、ダイヤモンドには何の価値もない(1円にもならない)わけで、サービス提供者は『流通量』をコントロールしなくてはいけません。


「プペルだし、たくさんファンがいるし、たくさん売ってまえぇぇー」でたくさん出品して、一つも売れないパターンです。

以前、「仕事とは『手足を動かすこと』ではなく、『価値を提供すること』(価値を創造すること)」というお話をさせていただきましたが、大切なのは「価値が提供できたか否か?」であって、極論、「70億人にダイヤモンドを売ること」は仕事じゃないんです。
#そもそも売れない

おそらく「大量生産・大量消費」で上手くまわった時代があったから、その名残だと思うのですが、日本では「たくさん売る教」に洗脳されている人が少なくありません。

「価値とは何か?」を考え、整理できている人が、あまりにも少ない。

「たくさん知られている」というのは絶対的な価値ですが、「たくさん売られている」は、時と場合によります。

そもそも「たくさん売る」という勝負は、絶対に(これはもうどう考えたって!)「たくさん売れる人(商圏の大きい人)」が勝つんです。

「100人相手にたくさん売ろうとする人」と「100万人相手にたくさん売ろうとする人」とでは、同じ商品でも、値段が大きく変わってくるわけで、「100人相手にたくさん売ろうとする人」に勝ち目なんてないんです。

このへんの話は11月の『サーカス(@日本武道館)』で、もっともっと整理してガッツリ喋ろうと思っているのですが、、一つだけ。

「たくさん売った方が利益が出る」と「価値を売った方が利益が出る」を分けるライン(商圏サイズ)があって、サービス提供者さんは、このラインは絶対に押さえて(把握して)おいた方がいいと思います。

 

アート作品でマネタイズをする歌舞伎
 

今日は朝から市川海老蔵さんとオンライン打ち合わせ(プチ勉強会)がありました。

「『歌舞伎』という文化をどう残していくか?」というテーマです。
もっと踏み込んだ話をすると、「歌舞伎のビジネスモデルの見直し」です。

そこで、「公演期間外も収益が生まれる商品(サービス)の開発が必要不可欠だと思います」と提案させていただきました。

「チケット」ではなく、オンラインで販売する(※当然、会場でも販売する)ような「グッズ」などです。

それは「実写の市川海老蔵」をあしらったグッズでなく、まずは、どんな形のグッズにも対応できるように、『歌舞伎版プペルのオリジナルロゴ』と『歌舞伎版プペルのオリジナルキャラクター』の開発が必要で、そのロゴやキャラクターをブランド化していくことが、グッズの横展開を加速させます。

『CHIMNEYTOWN』のロゴやキャラクターのように。

チョイ踏み込んだ話をすると、『映画 えんとつ町のプペル』のタイトルロゴって、自由には使えないんです。
(※いろんな企業が出資している作品なので、タイトルロゴの使用には都度都度許可取りが必要)

…ということは分かっていたので、「映画で最大限に作品が露出するタイミングで、『CHIMNEYTOWN』というブランド(ロゴやキャラ)を作り、(自分達が独占して権利を握っている)そのロゴやキャラを、映画のグッズに使用する」というウルトラCをぶちこんで今に至ります。
 
https://elu.jp/item/a1fZgQIdLwb0qBD1jBFp?fbclid=IwAR2NAAHFqczzARldCVFksbOkqgb6ZjEzaE6F_to1-XAttkj3Z3YOT2zdLfg

 

海老蔵さんには「自分達が全ての権利を持ったロゴやキャラを開発し、グッズ展開し、その利益を公演の制作費に充てましょう」と提案しました。

その時の“こぼれ話”が今日の主題なのですが……『A』という商品を300円で千個売ったところで、原価を差っ引いて、利益は10万円程度でしょう。

千個も売って、10万円です。

それならば、『A』を限定1個で(世界に一つだけのものとして)11万円で販売した方が実入りは大きい。
#たぶん売れると思います

というような考えから、「グッズをたくさん売る」ではなくて、「グッズに価値をつけて、少なく売る」という打ち手は全然あるなぁと思っていて……たとえば、「数年に一度の公演の度に、メインビジュアルを新たに描いて、【限定10点】のアート作品(キャンバス)として販売する」というやり方はありそうです。

とくに、歴史が紐づいている『歌舞伎』なんかは、「大量販売」よりも、「価値」の方が相性が良さそうなので、このラインでチョット攻めてみようかなぁと思います。

歌舞伎のキャッシュポイントが「アート作品」というのも、上品でイケているので。

ちょっと、いろいろ試してみて、また進捗状況を共有しますね。
歌舞伎のことは、まだナイショにしておいてください。

今日は「大量販売」で売上を支えるのではなくて、「価値販売」で売上を支える方法があるんじゃねぇの?…という話をさせていただきました。

現場からは以上でーす。

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