続・こんなところで差が出てくるサステナブル

投稿日:2021.08.01 / 西野亮廣エンタメ研究所

※この記事の内容は外部に発信していただいて大丈夫です。


おはようございます。

今日は日曜日なので、仕事の話をお休みして、毎度のごとく“サンデーポエマー”としてブイブイ言わせてやろうかと思ったのですが、昨日の記事のコメント欄を見て、全員には上手く伝わっていないような気がして(※ごめんなさい!僕の表現力不足です!)、ここをあんまりウヤムヤにしたくないなぁと思ったので…

今日は昨日の記事の「補足・解説」をさせてください。
たぶん、大事な話なので。

#そんなことより
#サンデーポエマーって何

 

 未来に寄与しているか?


「ここまでは❌、ここから先は⭕」といったような「ゼロor100」の話であれば、余計な勘違いは生まれないのですが、「グラデーションのある話」は、いつも理解と誤解が入り交じってしまいます。

たとえば、僕は「お金稼ぎ」にはまるで興味がありませんが、「○○で、これだけの売り上げが出た」という話をよくします。
 

これって、「○○で、いくら稼げた」と言い換えることもできるわけで、「お金稼ぎの話をしてるじゃん!」というツッコミが飛んでくると思うんですね。

ただ、キチンと見ていくと、僕が話しているのは「この仕事が稼げますよー」という話ではなくて、「今、ここに、こんな価値が生まれていますよ」という【価値の話】をしています。

「アフィリエイトで、いくら売り上げた」という話と、「口約束の限定のデジタルデータ(elu)が売れた」という話は、全然違っていて、後者は「デジタルの価値が認められはじめてきている」という研究結果のようなもので、「…てことは、こんな仕事や、あんな仕事を作れるよね」に繋がります。

これ、本人が説明しちゃっているので、どうしても言い訳がましく聞こえちゃうのですが、やっぱり「お金稼ぎ」には興味がなくて(※興味がある人を悪いとも思ってません)、「価値(生きる選択肢)をゼロから創造すること」に強い興味を抱いています。

昨日、絵本のページオーナーのNFTのオークションがあって、1ページが、それぞれ100万円~150万円で取り引きされました。
もちろん僕は1円もいりません。

協力してくださったスタッフさんのギャランティーや、あとはCHIMNEY TOWNの活動費や支援などに全額充てていただきます。


興味があるのは一点。
『ページオーナー(NFT)は成り立つのか?』です。
ここが成り立てば、救われる作家さんがたくさんいるので。


ここの踏み込んだ話は、ちょっと面白すぎるので、明日の記事でタップリと書かせていただきます。
西野が『絵本×NFT』で、何を仕掛けようとしているか? という話です。

前半部分の話を一言でまとめると、「後世のクリエイターの選択肢の創造に興味がある」という話です。
ここに「売上」の話が絡んでくるので、どうしても、「お金稼ぎでしょ?」という意見を持ってしまう人が出てきちゃうわけですが、そうではありません。

 

昨日話した「社会的意義」とは何か?


「社会的に意義があるか?」の議論もまたグラデーションです。
お腹を空かせているお客さんに御飯を提供したり、悲しんでいるお客さんの前で漫才をしてを笑わせたり……そういったものも、社会的に大いに意義があります。

ただ、それって「サービス(商売)って、そもそも、そういうもんでしょ?」という話なんです。
何か問題を抱えている人がいて、それを解決することで、お金が発生している。


昨日のコメント欄で「(※例)英語が苦手な子を一人でも減らす為に英会話教室を頑張っています」といった感じのコメントがいくつかあって……たしかに社会に貢献しているのですが、それって、やっぱり「商売」だと思います。

「商売」は、どこまでいっても「自分の為」です。
「より相手を勝たせた方が勝つ」という世界線なので。
それはそれでイイと思っています。

※くれぐれも「商売」を否定しているわけではありません。僕も商売をしている身なので。


昨日、僕がお話ししたのは「その【商売】をしたことによって、(分かりすく言ってしまえば)お客さんと自分以外に誰が救われるの?」という話です。

気づいている方は気づいていると思いますが、僕、「クラウドファンディング」なんて、しなくていいんです。
「リターン(返礼品)」を販売しているわけですから、普通にECショップで「リターン」を販売すればいいだけなんです。

クラウドファンディングをすれば、支援金額(=リターンの売上)が表に出ます。
その額が大きければ大きいほど、たくさんの嫉妬や、たくさんの妬みを買ってしまいます。

それを回避することは容易いですが、それを回避すると「クラウドファンディング」という選択肢を知らないままの、生活が追い込まれてしまうクリエイターがいます。

わざわざ吉本興業でクラウドファンディングを立ち上げた理由はそれで、「30人のファンがいれば食っていける」という生き方を創造する為です。
あれ(ダイレクト課金)がなかったら、「テレビに呼ばれないから食っていけない」「営業に呼ばれないから食っていけない」という芸人が、たくさん生まれてしまいます。

コロナ禍なんて、とくに。


多くの場合、「社会的意義がある活動」と、「心ない批判」はトレードオフです。
自分のことを攻撃してくる人達が、自分が開発した道具を使っていることなんてザラにあります。

「こんな方法もあるよ」という提案は後世の人を救いますが、当人は理不尽の連続です。
それこそ、地動説を唱えたジョルダーノ・ブルーノは殺されています。
僕はよく「お前、昔だったら、8回ぐらい処刑されてるよ」と言われます。

これは「それでも、社会の為に、業界の為に声を上げられるか?」という問いであり、【商売】とは一線を画するものです。

昨日、お話ししたのは、「それら理不尽の類いを背負っている人間に『才能』が集まる」という話です。

いきなり大それたことは無理だとしても、自分ができる小さなことから…まずは「どうすれば世の中が今よりも良くなるのかな?」と想像するところから始めるのがいいのかなぁと思っています。

ファミリーミュージカル『えんとつ町のプペル』チームは、「ミュージカルをお金持ちだけの娯楽にするのではなく、子供達にもミュージカルを届ける為にはどうすれば?」という問いと正面から向き合っています。

誤解されては、説明をして、また誤解されては、説明をして…の繰り返しです。

しかし、だから、ミュージカル界の才能が集まっています。


僕は、このことを、現場から伝えていきたいです。
誹謗中傷や論破合戦に終始するのではなく、今よりももっと生きるに値する世界にすることが、僕のお仕事です。

キミはどうだ?

それでは素敵な日曜日をお過ごしください。


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