日曜日の今日は、肩の力を抜いた日記をお届け

おはようございます。

日曜日の今日は仕事のゴリゴリした話をお休みして(とは言っても仕事しかしていないから仕事の話なんだけど)、肩の力を抜いた日記をお届けしたいと思います。

 

千年砦

緊急度の高さから、最近は『テイラー・バートン』や『えんとつ町の踊るハロウィンナイト』の記事が続いておりますが、その裏で、『映画 えんとつ町のプペル ～約束の時計台～』の制作をコツコツと進めております。

今週、我慢できずにイレギュラーで映画のことを投稿してしまいましたが(Twitterみたいに)、それぐらい『映画 えんとつ町のプペル ～約束の時計台～』は僕の中では大きな宿題であり、大きな希望です。
#もちろん不安や恐怖もあります

今回の物語は主人公の煙突掃除屋の少年・ルビッチが、大切な人との間で「止まってしまった時計の針」を再び進める為に、『千年砦』と呼ばれる変な国に向かいます。

(※詳しくはコチラ↓)
https://note.com/nishinoakihiro/n/nb2e182bd24df

『千年砦』は「世界中の時間が集まる場所」で、この設定の下地になっているのは、古典落語の演目の一つである『死神』です。

『死神』に出てくる洞窟には、たくさんのロウソクが並んでいて、それら全てが誰かの「命」なんです。
なので、ロウソクの火が消えちゃうと、その人の命も尽きる。

『千年砦』も同じく、たくさんの時計が並んでいて(砦の中は時計だらけ！)、それら全てが誰かの命です。
止まってしまった時計は時計師によって“砦内の内海”に沈められるのですが(水葬)、この千年砦の中に一つだけ、「壊れていないのに止まってしまった時計」があり、壊れていないので、水に沈められずに残っていたりなんかします。

いろんなところでチョコチョコと話していますが、これは僕の思い出で、ある日突然止まってしまった20代の頃のキングコングの物語です。

超スピード出世による仕事のプレッシャー(同業者からの嫌がらせも本当に多かった)で精神が潰れ、ドロップアウト(失踪)した梶原君を、誰もいない部屋でひたすら待った時間が僕にはあったのですが、今回の物語は、その当時の自分とコンタクトをとりながら書きました。

「キングコング 無期限の活動休止」というニュースが出て、昨日までパンパンに埋まっていた仕事を全て失って、部屋と淀川の河川敷をあてもなく行ったり来たりしていたあの頃。

最初はドロップアウトした梶原君に腹を立てていたんだけれど、梶原君がいなくなって2ヶ月ぐらいが経った頃、何がキッカケだったのかもう忘れたけれど「もう一回、キングコングの時計の針を動かせないかな」と思うようになり、「ずっと待つ」というアクションを選びました。

キングコングの活動休止の発表から3ヶ月半が過ぎたある日、梶原君から「直接、謝りに行きたい」と連絡があって、大阪の僕の部屋で二人で会いました。

部屋に入るやいなや「ごめんなさい！」と頭を下げた梶原君に対しては、もう1ミリも怒りの感情なんてなくて、「そんなことはどうだっていいから、もう一回一緒にやろう」と伝えました。

二人っきりで「大丈夫。まだ間に合う」と話したあの時間が僕にとって宝物で、今作では、あの時間がとても綺麗に、とても正直に書くことができました。

だからもう、ラストシーンを書いている時は泣いちゃって泣いちゃって大変でした(笑)

僕は足が速いのか体力がバカになっているのか分かりませんが、子供の頃から(今も)「待つこと」が多いのですが、待っている間は何もしていないわけじゃなくて、「待っている人」も、「待たせている人」も止まっているわけじゃなくて、何をすれば良いか分からず、ただ“もがいて”いて……きっと、この経験は皆にあるんだと思います。

先日の会議で、スタッフ全員が体重を乗せて議論しているところを見て、ふと、そんなことを思いました。
「きっと、この人にも待った過去や、待たせてしまった過去があるんだろうな」と。

僕の仕事は、そういった皆の痛みをファンタジーに乗せることで、今ここで皆さんに言えることは「綺麗に、正直に書けたから、すっごく期待しておいてください」ということ。

子供の頃に観た『グーニーズ』や『ネバーエンディングストーリー』という冒険ファンタジーが好きで、今作は、僕が知るかぎり一番の冒険ファンタジーとなりそうです。

完成までは長い長い長い道のりですが、真っ直ぐ前を見て、丁寧に一歩ずつ足を前に出していこうと思います。

本当にすごいやつを作っちゃうからね！
ちょっと待ってて！

それでは素敵な日曜日をお過ごしください。

西野亮廣(キングコング)

【追伸①】
「 https://salon.jp/nishino 」を付けて今日の記事の感想を呟いていただけたら、西野がエゴサーチで見つけ出してニヤニヤします。
宜しくお願いいたします。

【追伸②】
舞台『テイラー・バートン』(脚本・演出 西野亮廣)のオンライン配信チケットはコチラから
→ https://chimneytownusa.zaiko.io/e/tayler-burton
#映像はメチャクチャ作り込みます

【『映画 えんとつ町のプぺル』「TVCM ブレイブ編」大ヒット上映中】
→ https://youtu.be/Jv8ymgIo-Qo

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