おはようございます。
今日は『ビジネスの企画を立ち上げる際に気をつけることを、脚本家目線で語ってみます』というテーマでお話ししたいと思います。
今日の記事は短くて、とてもシンプルですが、とても重要です。
ビジネスマン、「何か仕掛けたい人」は全員、身体中の穴をかっぽじって聞いてください。
そのアイデア、大丈夫?
仕事を作るには、とうぜん、企画(サービス)を立ち上げなきゃいけません。
その企画(サービス)の立ち上げ方について、脚本家目線でお話しさせていただきます。
#めずらしい回です
僕は普段、ファンタジーを作っています。
何もない真っ白な紙に文字を書いて、絵を描いて、ストーリーを作り、最終的にお客さんを楽しませるのが僕の仕事です。
それは魔法使いのような仕事で、脚本は「右脳」で書かれるイメージを持たれたりもするのですが、そこには成功すればウン十億円や、ウン百億円や、ウン千億円のお金が動くわけで、当然、世界中のビジネスマンは、それを「魔法使いの仕事」「右脳仕事」と片付けるようなことはしません。
自分達でも「脚本づくり」「ストーリーづくり」を再現できるように、研究するわけですね。
脚本・ストーリーの作り方に関しては、すでに分析され倒していて、それらをまとめた『SAVE THE CAT(の法則)』には、こんな一文があります。
『脚本とは芸術であり、科学である。科学である脚本を支配するこの法則は、不変のものである』
…つまり、「脚本はキチンと勉強し、手順を踏めば僕らにでも作ることができて、その方法というのは、目新しいものではなくて、普遍的なものですよ」ということです。
面白いのはココからです。
『ヒットする脚本(作品)の条件』というのがあって、これがとってもとっても意外な答えなのですが…
「すでに存在している作品に似ていること」
なんです。
「すでに存在している作品と似ちゃダメだ」と思うじゃないですか?
違うんです。
「すでに存在している作品と似ていないとダメ!」なんです。
「似ちゃダメ」じゃなくて、
「似ててイイ」じゃなくて、
「似ていないとダメ」なんです。
というのも、この世に生まれ落ちた作品は全て淘汰されるので、「存在できている作品」というのは、「ニーズがある(お客さんの胸を打つ)作品」なんです。
「すでに存在しているどの作品にも似ていない作品」は、言ってしまえば、「淘汰されてしまった作品に似ている」わけで(※ここ重要!!)
なので、
何かに似せて作ることもOKだし、
作ったものが、たまたま何かに似ていたら、それはそれでガッツポーズなんです。
今、ガツンとくらいましたよね?
#お見通しだぞ
大切なのはココからです。
何かに似ていた方がイイんです。
だけど、“違わなければいけない”。
まるまる同じだと、そりゃダメなんです。
大切なのは「似てるけど、違う」なんです。
ここが一番大きい。
『竜とそばかすの姫』は、『美女と野獣』に似ているけど、違うんです。
『千と千尋の神隠し』は、『不思議の国のアリス』に似ているけど、違うんです。
『バケモノの子』は、『千と千尋の神隠し』に似ているけど、違うんです。
コナン君の友達のラインナップは、のび太の友達のラインナップに似ているけど、違うんです。
あらゆる格闘漫画は『ドラゴンボール』に似ているけど、違うんです。
漫画編集者のコルクの佐渡島さんが「あらゆる格闘漫画の作者は『俺なりのドラゴンボール』を描いている。それがいい!」と言っていたのですが、それがイイんです。
「似ているけど、違う」が一番イイ(最もリターンが大きい)んです。
僕はよく「新しいビジネスモデル」なるものをプレゼンされるのですが、ダメなビジネスモデルの共通点って、何にも似てないんです。
起業家が「思いついた!これ、誰もやってない!オリジナルだー!」という勢いそのまま、形にしてしまっているわけですが、これは脚本の理論でいうと「一番ダメなパターン」です。
なので、会議で、新しい企画が出た時は、
①それは何に似ているのか?
②似ているものと、どこが違うのか?
…のチェックは必ず入れるようにしてください。
以上、西野先生の“今日から役に立つ”ビジネス講座でした。
現場からは以上です。
【追伸】
「https://salon.jp/nishino」を付けて今日の記事の感想を呟いていただけたら、西野がエゴサーチで見つけ出してニヤニヤします。
宜しくお願いいたします。
【追伸②】
プペル歌舞伎の写真(額装済み&保証書付き)の新作『父と息子』(限定20点)が出ました。
まずはサロンで案内させていただいて、数日後に表に出そうかなぁと思っております。
追加生産はしない作品なので、興味がある方は是非。
【限定20枚】プペル歌舞伎『親子』→https://chimneytown.net/products/ebizo-poupelle02