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リソース(手持ちの資源)を正しく使う

2022.07.27 / 西野亮廣エンタメ研究所


 
 

おはようございます。
「まきまきウンコ」の裏側を描かせたら、人によって答えが変わってくることを発見したキングコング西野です。
#何しとんねん
#働け
 
さて。
今日は『リソース(手持ちの資源)を正しく使う』というテーマでお話ししたいと思います。
 
昨日、一昨日と、脚本執筆に関するお話をさせていただいて、実はまだまだ話しきれていないことがあるのですが、それはまた今度にして、今日は「次のプロジェクト」についてのお話しです。
 
「普段、西野が企画を立ち上げる時の手順は、こんな感じですよー」みたいな話です。
 
 

2022年下半期は「大阪」が熱くなりそう
 

ミュージカル『えんとつ町のプペル』の大阪公演(12月3日~)が決まり、それとは別で、ハロウィンの時期に大阪で何やら面白いイベントをサロンメンバーさんが仕掛けています。

主催者さんが、どこまで情報を出しているか分からないので、まだ、ここだけの話にしておいていただきたいのですが、酒場がたくさん入っている大阪の名物ビルを、「その日(昼から夕方まで)はまるまる貸しきろう」という(えんとつ町テイストの)ハロウィンイベントです。
 
参加に必要なのは、「ビルの入場券」で、ビルの入場券を買った人達が、小さな酒場を7~8軒ハシゴする流れです。
 
えんとつ町に「この指とまれ」で集まった同じコミュニティーの人達とのコミュニケーションが楽しくならないわけがなく(※ハウステンボスやサン・セバスティアンで経験済み)、「主役を観に行くイベントではない」「同時多発的にいろんなところで、いろんなことが起きている」というところが実に今っぽくて、分散型的で、素敵です。
 
主催者さん的には、そこに集まった人達を、第二部では、そのビルの「ホール」に集めて、大阪在住のアーティストのライブを見せたいらしいのですが、そちらは、まぁコケると思います(笑)。
どこにでもあるイベント(誰でもやれるイベント)だし、そもそも、お客さんが集まった理由はそれじゃないので。
#知らないアーティストの知らない曲を延々と聴かれるのはツライ
#お金を払ってキャバクラ嬢をやりたくない
 
おそらく『天才万博』に感化された企画だと思うのですが、『天才万博』は「知らないアーティストの知らない曲」が聴きたくなる為のギミックをプロがふんだんに盛り込んでいるから成立しているので、真似をすると確実に失敗します。
 
ちなみに、僕が当日、参加できたとしても「第二部(大阪のアーティストさんのライブ)」には興味がないので、第一部で出会った人達とビルを出て、二軒目(実質は8軒目ぐらい)に流れると思います。
ていうか、ほとんどが、その動きをする。
 
となると、「大阪のアーティストさん」達は、ガラガラのホールで、自分達に興味がないお客さん相手にライブをすることになるので、地獄中の地獄です。
 
これは、占いや、ヤマ勘で言っているわけではなくて、「経験」に基づいて言っています。
 
主催者さんには、そのことはお伝えしたのですが、どうにもこうにも第二部(ライブ)をやりたいみたいで(※もしかしたらアーティストさんと約束をしちゃって引き下がれないのかも)、今のところは、第二部をやる方向で進んでいるみたいです。
 
まぁ、第二部は確実にコケますが、第一部(飲み屋ビルを貸し切る飲み会)は、うまくやれば、ハロウィンイベントとして根付くでしょう。
ハロウィンは「主役を観に行くイベントではなくて、自分が主役になるイベント」なので。
 
「待ち合わせ場所」として、貸し切ることになる各店舗に『一日ママ』を立てておけば最高。
「スナック小谷」「スナック田村」「スナック白土楊子」などが20軒ほど並んでいるビルの貸し切りイベントです。
#完全に勝ちパターン
 
そんなこんなで、「なんとなく、2022年の下半期は、大阪に面白そうなイベントが集中してるなぁ」と思っていた矢先、大阪の“とある有名ホテル”から、お声がけいただきました。
 
重なる時は重なるもんです。
 
 

ホテルの多目的スペースで何ができる?
 

ホテル側のオファーは、シンプルで「『えんとつ町のプペル』と何か御一緒できないですかね?」です。
 
超人気ホテルではあるのですが、「ファミリー層」をとれていないみたいで、そこで『えんとつ町のプペル』に白羽の矢が立ちました。
 
ホテル側からは「多目的スペース(けっこう広い)は、ガンガン使っちゃってください」と話をいただいていて、一応、仮の企画書を見させていただきました。
 
①多目的ホールで「光る絵本展」。
②多目的ホールで、ミュージカル『えんとつ町のプペル』のミニライブ。
③多目的ホールで、ミュージカル『えんとつ町のプペル』の衣装展示。
④プペルをイメージした「食事」をご提供。
 
…などなど。
①に関しては、他所では、入場無料(もしくは数百円)でやっているものなので、お客さんが、わざわざ、そのホテルに行く理由にはならない上に、1日限りのイベントだと、設営&撤収のコストが見合わない。
#こういうところを意外と考えるやつなんです。
 
②に関しては、結構難しいところで、「多目的ホール」って、何にでも使えるようで、ほぼ、何にも使えないんです。
というのも、無味無臭の空間を装飾していって、「おお、すげえ!」というラインまで持っていくには、メチャクチャお金がかかるからです。
 
であれば、えんとつ町の雰囲気に近い『東京キネマ倶楽部』を装飾して、えんとつ町を作った方が安い。
 
中には『東京キネマ倶楽部』でおこなわれたミュージカル『えんとつ町のプペル』と比べる方もいらっしゃるでしょう。
その方からすると、多目的ホールでおこなわれるミニライブは、地方のデパートの屋上のライブのような印象を受ける。
期待値を越えてこないので、これもダメ。
 
③と④に関しては、そもそも、それを理由に、そこそこ高いホテルに泊まろうとは思わないから、ダメ。
 
先方さんには、やんわりと「全部ダメっすね」とお伝えしたわけですが、せっかくのお誘いですから、可能性は探りたいところ。
 
そこで、考えてみました。
 
まず、「そこそこ高級なホテル」という性格を利用した方が良さそう。
 
高級感のある壁や照明を、下手に装飾して、潰してしまうのは勿体無い。
「セットを組む」というのが、そもそも相性が悪いんでしょうね。
 
さて、この雰囲気を活かしたイベントは何があるでしょう?
できれば、あまり予算がかからない方が先方さん的には嬉しいハズです。
 
そこで、ミュージカル『えんとつ町のプペル』の「フィルムコンサート」を提案してみました。
 
多目的ホールの大きなスクリーンで、YouTubeの映像(全編無料公開)を流して、スクリーンの脇に「オーケストラ(生バンド)」を用意して、映像に合わせて生演奏。
 
当然、映像にも音楽はありますが、ミュージカル『えんとつ町のプペル』(東京公演)の生バンドは三人だけだったので、「足りていない音」はあります。
 
映像と生でピアノを連弾することもできるし、フィドルやコントラバスを足すこともできる。
 
こうすれば、
ホテルの雰囲気を活かしつつ、
設営&撤収のコストもかけずに済み、
予算に関しては生バンドの方の出演ギャラだけで済み、そのうえで、ご提案いただいた①②③④の満足度を軽々越えられると思います。
 
フィルムコンサートを観ながら、呑めたら最高じゃないですか。
#そのままホテルに泊まれる
 
ホテルの方に提案してみたところ、「それ、いいっすね!」と言われたので、もしかしたら、実現するかもです。
 
今日の記事のタイトルは「リソースを正しく使う」です。
サービスは、自分にしかできないことを探すことが、とっても大事だと思います。
 
現場からは以上です。
 
【追伸】
 
https://salon.jp/nishino」を付けて今日の記事の感想を呟いていただけたら、西野がエゴサーチで見つけ出してニヤニヤします。
宜しくお願いいたします。
 
https://www.youtube.com/watch?v=AfnCUNz-CpI

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