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これから価値が落ちていくモノと、これから価値が上がっていくモノ

2019.06.03 / 西野亮廣エンタメ研究所

おはようございます。

お尻がとても綺麗なキングコング西野です。

(#忙しい日は挨拶が雑になります)

さて。

ブロードウェイミュージカル『Frozen(アナと雪の女王)』を観てきました。

昨日、『ウィキッド』の「感想・メモ・転用例」をサロンに公開したところ、メチャクチャ評判が良かったので、今日も『Frozen』のメモを公開しつつ、「これから価値が落ちていくモノと、これから価値が上がっていくモノ」について考えていきたいと思います。

先に『Frozen』の感想から申し上げますと、個人的には、これまで観てきたブロードウェイミュージカルの中で最低でした。

ただ、そもそも勉強目的で観に行っているので、『最低』というのは「何故、ダメなのか?」を考える余白だらけで、学んだことは本当に大きかったです。

 

ミュージカル『Frozen』が背負っている運命

大ヒット映画のミュージカル版ですから、観客はどうしても「映画あのシーンをどう再現するんだろう?」と期待して観てしまいますし、制作陣も「映画のシーンを再現するぞ!」と意気込むのですが、映画のシーンを再現すればするほど、一方通行エンタメになってしまい、双方向エンタメである『舞台』との相性がすこぶる悪かったです。

ハイクオリティーの映像作品の舞台化はやっぱり難しいようで、エルサが出す『氷』はプロジェクションマッピングで表現され、エルサが作る『氷の橋』はスクリーンに映像で出され…「これだと、映画でいいな」という感想を持ちました。

(※でも、『Let it go』は最高でした!)

ミュージカル『Frozen』の最大の失敗は「映像作品を映像で表現してしまったせいで、比較対象がハイクオリティーの映像作品になってしまった」の一点だと思います。

ここは映画『えんとつ町のプペル』から、ミュージカル『えんとつ町のプペル』を作る際に、メチャクチャ気をつけなきゃいけない部分ですね。

「絵本作品の舞台化」なら、映像を使用しても多少は許容されると思いますが、

「映像作品の舞台化」に僕らが心の奥底で期待しているのは、きっとコレだと思います。

「あの映像を、どうやってアナログで表現してくれるんだろう?」

映画公開後の舞台『えんとつ町のプペル』で僕らが見せなきゃいけないのは、プロジェクションマッピングや映像ではなく、圧倒的なアナログ(フィジカル)で、お手本は『ロンドン五輪の開会式』だと思います。

https://youtu.be/TZ0pXUb5jVU

今もミュージカル『ライオンキング』や、ミュージカル『キャッツ』が古くなっていないのは、「最新テクノロジーは腐りが早く、オリンピック競技やサグラ・ダ・ファミリアのような“誰でも理屈は理解できるけど、凡人には表現できない『圧倒的フィジカル』”は未来永劫腐らない」という世の理に従っているからです。

「ミュージカル『Frozen』は最新テクノロジーで舞台を構成してしまっている以上、日に日に古臭くなり、時間が経てば経つほど価値が落ちてしまう運命にありますよ」という話です。

最新テクノロジーはあくまで「誘い球」「客寄せパンダ」にしておいて、『圧倒的フィジカル(変態的なアナログ)』にコストを割くことが、これからとっても大切になってくるなぁと、ミュージカル『Frozen』を観て思いました。

『えんとつ町のプペル美術館』では、凄まじいスベリ台と、強烈なスカイサイクルと、楽しすぎるボールプールを作ってやります。

「それは、はたして美術館なのか?」というツッコミが入る前に、スタジオにお返しします。

現場からは以上です。

https://www.amazon.co.jp/dp/4048964550/ref=cm_sw_r_tw_awdo_c_x_UCe9CbXJ1N13X

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