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AI時代 ~女王ネズミ「ホーラ」の誕生秘話~

2022.11.19 / 西野亮廣エンタメ研究所

おはようございます。
全ての友人に『ニホン・オノコージ・ハクナマタタ』や『イリオモテ・ツツミシタ』といった学名を付けているキングコング西野です。

さて。
今日は『AI時代 ~女王ネズミ「ホーラ」の誕生秘話~』というテーマでお話ししたいと思います。

皆さんからしてみれば、そこまで興味のない話なのかもしれませんが、個人的には、自分の創作史に残る出来事であったので、ここに記しておきます。
 
 

西野亮廣の本気


ミュージカル『えんとつ町のプペル』の大阪公演が「補助金問題(プロデューサーおたんこなす問題!)」で揺れる中、西野亮廣は大阪公演のフォローにまわりつつも、本業である創作活動にゴリゴリ向き合っています。

日本が世界を獲るには、「(体重別の)スポーツ」か「食」か「観光」か「エンタメ」ぐらいしかないと思っていて…ありがたいことに、(目的から逆算した「手段としてのエンタメ」ではなく)たまたま小学2年の頃から「エンタメ」に恋していたものですから、ここを撃ち抜くっきゃないよね。
 
そして、こんなことを言うと、誰かに怒られちゃうかもしれませんが……世界のエンタメをある程度観てまわりましたが(まだまだ足りないけど!)、すっごい技術を持っている人はたくさんいるのですが、「なんという世界を創り上げるんだよ。お前の頭の中、どうなってるんだよ!」と思える人は数える程しかいなくて、「死ぬ気でやれば世界は獲れる」という結論に至っております。
#驚愕の世界観が作れてもストーリーを作る能力が平均点というパターンもある

そんな中、僕は今、『映画 えんとつ町のプペル ~約束の時計台~』の制作にベッタリでございます。
 
 

AI時代のクリエイティブ


朝から晩まで脚本と睨めっこをして、キャラクターに憑依して、微調整微調整微調整。
せっかく「背泳ぎ」で矯正した猫背もストレートネックもカムバックですわ。
昨日(というか今日)も朝6時まで、ずっと脚本をチマチマとイジっておりました。

自分の中で、ここまで勢いがついている理由は「ストーリーとビジュアルにおいて前作を超えた」という確信があるからで、「もう、トコトンやってやろう!」というモードに突入しております。
半年前までの「まだ疑っていた頃」と比べて、創作にかける勢いが明らかに違うので…あらためて、「確信」のラインを越えること(そこまで粘ること)の重要性を知りました。
「イケる」と思える強さって、ありますよね。

さて。

そんな『映画 えんとつ町のプペル ~約束の時計台~』ですが、御存知の方も多いかとは思いますが、実は映画公開前にすでに脚本(第3稿)を表に出しています。
 
※こちら→https://note.com/nishinoakihiro/n/ncd9dc2a032c5

有料(800円)ですが、観ようと思えば誰でも観れますし、鋼の心臓さえ持ち合わせておけば誰でもパクれます。

公開しているのは「第3稿」で、勿論、ここから「第4稿」「第5稿」…とブラッシュアップしていくわけですが(※ちなみに第4稿は先日書き終わりました。またnoteに公開します)、面白いのが、この脚本に合わせて「お客さん」が、AIアートで挿絵を描いてくださっている…という点です。

InstagramやTwitterにアップされた『映画 えんとつ町のプペル ~約束の時計台~』の脚本の「挿絵」を、西野が選んで脚本に載せていく…ということを今日も続けていて、日を追うごとに、脚本が色鮮やかになっていきます。
#成長する脚本

「AIアート元年ならではの動きだなぁ」と思いながら、今日もニヤニヤと「お客さんが描くAI挿絵」を漁っていると、あるお客さんが今作の重要キャラである女王ネズミの『ホーラ』をAIで描かれていたんです。

『ホーラ』は千年砦の番人で、全ての時間を司るバケモノネズミです。
その方も、「いかにもバケモノネズミ」をAIで描かれていたのですが、いくつか描かれた『ホーラ』の没案として、「ネズミの耳をつけた少女」がいたんです。
もしかしたら、AIが誤って生成したものかもしれません。

その『ホーラ』を見た瞬間に電気が走りました。
#そうか人間か

すぐにスケッチブックを開き、最新の『ホーラ』のビジュアルを描く西野先生。
 
※その時描いたのがコレ→https://elu.jp/item/1FBb8jdqHc8LEPV6RUX

そこで殴り描きした『ホーラ』がメチャクチャ良かったのですが…時間は朝5時。

日本人は全員寝てそうだったので、スペインにいる「かんかんサン」に、「これ、どうっ!」と投げ、突然の巻き込み事故に遭う「かんかんサン」。

そこでの反応が良かったので、結局、朝5時半に映画スタッフに女王ネズミ『ホーラ』の設定資料を送ります。
その時、スタッフに送った文章がコチラ↓

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▼女王ネズミ「ホーラ」について。

ナギは植物なので100年前と見た目に違いはありませんが、ガスの「老い」や、ナギの弟分達の成長から分かるとおり、千年砦では、やはり時間が進んでいます。

そんな中、千年砦の時間の番人『ホーラ』は、もう何万年も前から千年砦を見続けてきて、今も生きています。
これまでは「ご長寿のお婆ちゃんネズミ」をイメージしていたのですが、いっそのこと「時間が止まっている存在(老いない存在)」にしちゃった方が良さそうだなぁと思いました。

そう考えると…ルビッチ同様「外の世界から迷い込んできた人間」とするのが良いのかなぁと。
※ルビッチが千年砦にいた間、現実世界の時計は1秒も進んでいない。

ホーラは大昔に千年砦に迷い込んで、帰ることを拒んだか、あるいは返り方を忘れた(帰れなくなった)かして、悲しみにうちひしがれてた時に唯一相手をしてくれた「ネズミ達」の長として、そのまま千年砦に棲みついた……とすれば、ホーラが帰らなかった(帰れなくなった)理由に物語性が出て、面白いんじゃないかなぁと思いました。

ちなみに、ホーラの凄みを出すために、ホーラの両脇には用心棒たる巨大ネズミが立っていると良いかも。

2022年11月19日 西野亮廣

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もちろん、映画は僕一人で作っているわけではないので、この案が通るかどうか分かりませんが(この方が絶対にイイ!)、ここで、お話ししたいのは、「お客さんが描いたAIアート(イメージボード)からこの展開が生まれた」ということです。

これ、今年の夏前まで(AIアートが爆誕する前まで)なら、確実に生まれていない流れなんです。

「キャラクターデザイン」や「背景デザイン」は、プロのお仕事だったハズなのに、そこに、ジワリジワリと「お客さん&AI」が入り込んできている。
そして、お客さん&AIを入り込ませる(お客さん&AIに手伝ってもらう)には、内容(脚本)を公開する必要がある。

世間はまだこの動きに気がついていませんが、アニメーション映画の作り方が大きく変わった一歩だと思います。
たくさん勉強して、たくさん試して、引き続き、可能性を探っていきたいと思います。

脚本の第4稿は間もなく公開します。お楽しみに。

現場からは以上です。

【追伸】
 
https://salon.jp/nishino」を付けて今日の記事の感想を呟いていただけたら、西野がエゴサーチで見つけ出してニヤニヤします。
宜しくお願いいたします。


 
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