新刊『夢と金』の執筆と、夏にやる舞台の準備と、『映画 えんとつ町のプペル ~約束の時計台~』の制作と、新作アニメーション『ボトルジョージ』の制作と、ファミリーミュージカル『えんとつ町のプペル@NY』の制作と、バンドザウルスの運営が重なって、過去最高に忙しくなっていますが、どう考えても「バンドザウルスの運営」はやらなくても良いハズのキングコング西野です。
#スタッフLINEはバンドザウルスでいっぱい
さて。
今日は『ビジネス芸人興亡史 ~プラットフォームの敗北~』という完全に踏み込んだ内容をお届けしたいと思います。
先日、幻冬舎の箕輪さんと酒場で話した内容です。
そのうち、箕輪さんの方からも詳しい内容が発信されるかもです。
ビジネス芸人興亡史(本音編)
ビジネス芸人興亡史(入口編)に関しては先日放送のVoicy(https://r.voicy.jp/nEmNdlqkVXk)でお話しさせていただいたので、時間がある時にでも聴いてやってください。
今日は、Voicyで喋った内容よりも、もっと踏み込んだ話です。
あの頃(2018~2019年とか?)に確かに起きていた『ビジネス書ブーム(ビジネス芸人本ブーム)』も、今はすっかり落ち着いたんもんです。
「ブーム」は落ち着くものなので、ブームが落ち着いたこと自体は想定どおりで、慌てる必要も、手を打つ必要もないと思っています。
「そりゃ、そういうものだ」といったところ。
ただ、Voicyでは「夢が覚めた(答え合わせがされてしまった)」という表現で止めておきましたが、「どんな決着がついたのか?」は掘り下げて考えた方が良いと思っています。
じゃないと次に進めないので。
サロンなので言葉を包まずに言うと、「ビジネス芸人本ブームの終焉」というのは、「日本のプラットフォームの敗北」だったと思います。
「プラットフォーマーとして世界を目指したけど、力負けした」という。
そして、応援してくれていたお客さんも、(口にはできないけれど)そのことに気づいている。
このあたりかなぁと思います。
けんすうサン曰く「50兆円のVC投資があるアメリカに、VC投資が5000億の日本が挑む!」みたいな規模感だそうで(※VC=お金を出してくれる人)、圧倒的に分が悪い。
とくに日本のプラットフォームの場合は、サービスを運営していくには「インフルエンサーとの癒着」が大きな割合を占めますので、「サービスのクオリティー」が後回しになってしまう。
誰かがサボっているわけじゃなくて、中途半場なサイズの島国で(特殊な言語で)サービスをやるとなると、その展開を回避するのはなかなか難しい。
箕輪さんとは、「『プラットフォームじゃ勝てなかった』を認めないと、次に進めないよね」というお話をさせていただきました。
そして、ここからが本題です。
いつも敗戦から始まっている
箕輪さんと「ビジネス芸人興亡史」の話をする1ヶ月ほど前に、広島県・呉市にある『戦艦大和ミュージアム』に行ってきました。
昭和16年12月に竣工し、これといった活躍を見せないまま、昭和20年4月に鹿児島県坊ノ岬沖で米軍機の猛攻を受けて沈没した、当時、世界最大(世界最高技術)の戦艦『大和』の歴史が残るミュージアムです。
御存知の方も多いと思いますが、戦艦『大和』の敗因は、戦争が『戦艦戦』から『航空機戦』に移ったタイミングで生まれたことです。
生まれるのがもう少し早ければ、あるいは『航空機戦』の始まりがもう少し遅ければ、まったく違う歴史を築いていたことでしょう。
戦艦大和から学ぶことは、「才能を何に投下するか?」で、『戦艦』に投下された才能に光が当たることはありませんでした。
ここから今日の話に繋げると…
日本の才能は、「プラットフォーム」に投下している場合じゃなくて、もうガッツリとハンドルを切って、「コンテンツ」に投下した方が良さそうです。
日本が「プラットフォーム」で世界を制した歴史を僕はあまり知らなくて、世界を制したのは、自動車や、家電や、食や、キャラクターIPなどの「コンテンツ」です。
#家電は今は厳しいけど
地政学的にも、性格的に日本人はコンテンツ職人なんだと思います。
戦艦大和の負け(日本の敗戦)には、まだ続きがあって、戦争でミソッカスにやられて、「軍事力」を取り上げられた(諦めさせられた)日本は、そこから僅か数年で世界の覇者になります。
戦後。
世界最高水準で戦艦を作っていた日本の技術者の元に、世界中から造船のオファーがきて、そこから彼らは「輸出船の製造」でバッキバキに成り上がります。
戦闘機の技術者達は「もう戦闘機とか作っちゃダメ!」と言われ、仕方無しに「車の製造」にお引っ越しして、言わずもがな、世界王者となりました。
日本が世界を獲る前には、いつもこういったグレートリセットがあるので、「思いっきり負けて、全力で諦める」は、かなり前向きな打ち手だと思います。
戦闘機エンジニアが車エンジニアに活きたように、プラットフォームの開発&運営に充てた時間というのは、まったく無駄じゃなくて、そこで養った知見をコンテンツ制作にフル投下するのがイイのかなぁと思います。
超優秀なコンテンツクリエイターを雇うか、コンテンツメーカーとズブズブの関係になるのが良さそう。
いずれにせよ、「終わらせないと始まらない」というのがあるので、変に延命処置などはせず(戦争と違って延命できてしまうから余計に)、「オッケー分かった!負けたっ!次っ!」ぐらいの潔さが求められます。
20代の子達を見ていると、最初からプラットフォームは捨てて、コンテンツメーカーを目指していたりするのですが、それよりも、30~50代ぐらいの(プラットフォームに時間を費やして)知見も体力もある大人がコンテンツメーカーに振り切る展開の方が面白そうです。
どうなることやら?
ビジネス芸人興亡史の第2ラウンドに期待です。
僕はバンドザウルスを頑張ります。
#お前はバンドザウルス以外を頑張れ
現場からは以上です。
【追伸】
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