チームの引っ張り方

投稿日:2023.03.06 / 西野亮廣エンタメ研究所

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おはようございます。
「補い合う」が言えないキングコング西野です。
 
さて。
今日は『チームの引っ張り方』というテーマで、チームの大小は関係なく「プロジェクトリーダー」の立ち回り方についてお話ししたいと思います。
 
ちなみに、オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』では、“社員研修”向けのサービスとして、会社単位で契約ができる「法人会員」なるものをやっているのですが、それで言うと、今日は法人会員向けの内容になると思います。
 
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リーダーは自分の「頑張りどころ」を把握しておこう
 

とてつもない才能が功を奏し、19〜20歳の頃にはすでに「冠番組」を何本か持たせていただいていました。『はねるのトびら』もその一つです。
いわゆる「座長」と呼ばれるポジションで、自分で点を獲りたい真っ盛りのお年頃なのに、「チームをまとめる」に意識を向けなければいけない環境にいました。
自分でシュートを決めた日にゃ、「お前がシュートを決めたら、お前のチームに参加するヤツの取り分が減るだろ!」と怒られたもんです。
 
当時は、それなりにストレスがありましたが、他の誰よりも「リーダーの英才教育」は受けさせてもらったのは確かで、今となっては大きな財産です。

さて。
「速く行きたければ一人で行け。遠くに行きたければ皆で行け」とはよく言うものの、実際のところは「皆で行ったところで遠くに行けるとは限らない」といったところではないでしょうか?
やはり「皆で行く」には「皆で行く技術」が必要ですし、さらには「遠くに行こうと思っている皆」じゃないと、遠くには行けません。
 
仕事柄、いろんな業界のリーダーとお話しさせていただくのですが、多くのリーダーの悩みは、「一人で速く行くことを捨てて、遠くに行く為に皆で行くことを選んだのに、皆が進んでくれない!&ムカつく!&やる気出せよ!&孤独で寂しい!」です。
ちなみに、「孤独で寂しい!」に関しては完全にキモイと思っています。そんな人間みたいな感情を持ち合わせているザコは今すぐリーダーを辞めろ。ここは、お前が住む場所じゃない。
 
それ以外の思いは、僕自身、これは19歳の頃から8万回ぐらい経験しているので、よ〜くわかります。
コチラが頑張れば頑張るほど、「ラッキー💖」とばかりに、しっかりと甘えてくる人間(クソ豚)は確実にいます。
エンタメの場合はプロジェクトごとに集合と解散をすることが多いので、そういったクソ豚はプロジェクト終了と同時に切れば済む話ですが、一般社会だとそうはいきません。
「指示待ち人間をどうマネジメントしていくか?」というのもリーダーの仕事で、19歳の頃から、そちらも、たくさん経験してきました。
 
リーダーの時間や体力や精神力は無限にあるわけではありません。
なので、リーダーは「指示待ち人間を変える為の力の入れどころ」を把握しておくことがすっごく大切です。
というのも、指示待ち人間のフォローを延々と続けていると、「俺、何の為に仕事してんだろ?」という介護疲れのようなものが起きて、先にリーダーの精神がやられちゃうので。
 
 

「内向的動機」のスイッチを押すことがリーダーの仕事
 

昨日の記事(ミュージカル発足時の話)で、「『この作品で世界を獲る』という匂いが出ていなかった」という話の後に、「『この作品なら世界を獲れる』と思ってもらうことが大事」という話をさせていただきましたが、ぶっちゃけリーダーの仕事はソレ(「イケるかも」と思わせること)が9割です。
そこにリーダーのコストを集中投下する。
 
チームマネジメントの話になると、決まって「外交的動機」と「内向的動機」という言葉が出てきます。
仕事にあたるスタッフの感情は以下の6つと言われています。
 
①やりたくない
②しかたない
③やらなくちゃ
④やるべき
⑤やろう
⑥やりたい
 
このうち①〜④が「外交的動機」で、⑤〜⑥が「内向的動機」です。
「命令」や「報酬」や「義務」や「必然性」によって生まれる感情が①〜④で、
「目的と自分の価値観の一致」や「好奇心」によって生まれる感情が⑤〜⑥です。
そして、お分かりだと思いますが、①〜④が「指示待ち人間」で、⑤〜⑥が「自発(自主)的人間」です。
 
「遠くに行くチーム」を作るリーダーの仕事は、①〜④にいるスタッフを、⑤〜⑥にエスコートすることです。
つまり、それは「命令」や「報酬」や「義務」や「必然性」でスタッフを動かすのではなく、「チームの目的とスタッフの価値観を一致させること」や、「スタッフの好奇心」に呼び掛けることです。
 
「船を造りたいのなら、材木を集めるために人を集めたり、彼らに仕事や作業を割り当てたりするな。彼らに海の無限の広さへの憧れを教えよ」(byサン・テグジュペリ)というヤツです。
 
リーダーは、スタッフに「もっとやれ!」「○○だから、やれ!」と言うのではなく(※実際はコレも言わなきゃいけないと思う!)、「頑張った先に待っている景色」をチラ見せしてあげることが大事です。
 
「ここで頑張れば、こんな景色が見れるんだ」「もっと頑張れば、もっと素晴らしい景色が見れるかも。見たいな」と思ってもらうこと。
「頑張れば、あそこにイケる」と思ってもらうこと。
これこそがリーダーの仕事で、ここがリーダーの頑張りどころで、その為には徹夜でも何でもしなきゃいけない。
 
高い高い壁を前にした時に、「さすがに登れないよな」と思っているスタッフと、
「本気で頑張れば登れる」と思っているスタッフとでは馬力が全然違ってきます。
「さすがに登れないよな」と思っているスタッフに「やる気出せ〜!」と檄を飛ばすのはリーダーの仕事ではありません。
「さすがに登れないよな」と思っているスタッフが眠っている間に、壁の前の地面に“盛り土”をしておいて、目の前にそびえ立つ壁を「本気で頑張れば登れる」と思える高さに調整しておくことがリーダーの仕事です。
 
繰り返しますが、リーダーの時間や体力や精神力には限界があります。
なので、リーダーはポイントを絞って動かねばなりません。
ミュージカル『えんとつ町のプペル』の立ち上げ時の僕の仕事は、キャストやスタッフが「この作品なら世界を獲れる」と思えるところまで連れていくことでした。
 
現在、プロジェクトリーダーを務められている方は、今一度、リーダーとしての自分の仕事(力の入れどころ)を見直してみてください。
①〜④にいるスタッフに声を掛け続けても無駄です。
 
現場からは以上です。
 
【追伸】
 
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宜しくお願いいたします。
 
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