こういう意図があって、こうしようと思ってるよ〜

投稿日:2021.12.27 / 西野亮廣エンタメ研究所

※この記事の内容は外部に発信していただいて大丈夫です。


 
おはようございます。
日本に帰ったら一番最初に堤下食堂に行きたいキングコング西野です。
 
さて。
#今日は地味回です
 
何度も言いますが、今回のアメリカ遠征は、これまでの海外遠征とは違って、かなり中枢まで潜り込んで、いろんなものに触れているので、これまで以上の「気づき」をいただいております。「百聞は一見にしかず」というやつです。
せっかくなので英語で言うと「Seeing is believing」です。
 
ぶっちゃけ、世界が相手であろうと「入っているパンチ」も何発かあって、それは、そのまま引き続き精度を上げていくとして、一方で、「見直さなきゃいけない部分」もあると感じでいます。
 
うちは「世界のエンタメのバックステージの覗き見」を売りにしているオンラインサロンですから、(地味ですが)こういった「軌道修正」もマメに共有した方がいいと思っていて、今日は「こういう意図があって、こうしようと思ってるよ〜」というような話をさせていただきます。
 
 

『夢幻鉄道』について
 

ミュージカルと歌舞伎の制作(僕が担当する部分)が落ち着いて、新作絵本の制作がポコポコと再開し始めています。
 
今日は、夕方に元・ピクサーのアートディレクターの堤大介さんと新作絵本『ボトルジョージ』の打ち合わせが入っています。
人生のファーストチャレンジが上手くいかず、酒に溺れ、酒に飲まれ、そのまま酒瓶に入ってしまった男のセカンドチャレンジの物語です。
 
映像化を見越して(映像化できるように)絵本を設計しているのですが、こちらの作品を映像化したら、扱いとしては「短編作品」になるでしょう。
ただ、ぶっちゃけ「短編作品」を作っても、活躍の場は「映画祭」ぐらい。
商業化する(一般のお客さんに触れられる)のは、なかなか難しかったりします。
誰も、たった10分の映像作品の為に、映画館には行かないんですね。
 
とは言うものの、出しどころがなければ、自分で(強引に)出しどころを開拓すればいいだけで、いざ、『ボトルジョージ』の短編映像作品を作るとなったら、その時はオラオラやってやろうかなぁと思っております。
世界戦を経験した後でも、『ボトルジョージ』に関しては、今のまま制作を進めて問題ないと判断しています。
 
問題は、もう一つの新作絵本『夢幻鉄道』です。
 
ここでストーリーを話してしまうと、ものすごーく長くなってしまうので、こちらのMVで物語の雰囲気を掴んでください。
 
『夢幻鉄道』
https://youtu.be/qGwQJh7M0DY

個人的にも、かなり思い入れの強い作品で、「夢幻鉄道」というタイトルの字面や響きも気に入っています。
ただ、ここにきて「絵本のタイトルは変えた方がいいかなぁ」と思っています。
#曲のタイトルはそのまま
 
『ファウンダー ~ハンバーガー帝国のヒミツ』という映画は、ご覧になられましたでしょうか?
 
マクドナルドを作った「マクドナルド兄弟」と、マクドナルドを乗っ取って(?)マクドナルドを世界最大のハンバーガーチェーンに育て上げた「レイ・クロック」のドロドロの攻防戦です。
「マクドナルド兄弟=正義」と「レイ=悪」という単純な話じゃなくて、「ビジネスって、そういうものだよね」ということが上手く描かれた作品で、結構オススメです。
 
この中で、レイが「マクドナルド」を買収した理由が語られているのですが、「味」や「システム」は勿論のこと、『マクドナルド』という「名前(響き)」がとても大きかったそう。
ついには、マクドナルド兄弟が出すお店に「マクドナルド」という名前を使うことを禁止するぐらいに、レイは「マクドナルド」という名前にこだわりました。
 
この話、個人的に超共感できるんです。
 
ついさっき、僕が「『夢幻鉄道』というタイトルを変えようと思うんだよね」と言った時に、「え?せっかく良いタイトルなのに勿体無い」と思った人は少なくないと思います。
まさに、それです。
 
「タイトルの力」というのは確実にあって、ただ、だからこそ「『夢幻鉄道』というタイトルが全世代に対して力を持っているのか? 果ては、海外の方に対しても力を持っているのか?」を僕たちは真剣に考える必要がありそうです。
 
『夢幻鉄道』という字面(響き)の美しさをキャッチできるのは、かなり限られた世代、限られた地域の人達だと思っていて、世界展開を見越すのであれば、今の段階で、ネーミングを改めた方が良さそう。
 
作り手としても「タイトルに引っ張られる(会社なら「社名」に引っ張られる)」というのは実際にあって、『えんとつ町のプペル』が、『少年とゴミ人間』というタイトルだったら、もっとストイックな(玄人ウケな)作品になっていたでしょう。
 
「たかがタイトル、されどタイトル」で、今回の世界戦を通じて「『夢幻鉄道』だと、賢く収まってしまうなぁ」と直感しました。
かといって対案は無いのですが(※誰か考えて!)、とりあえずこのタイミングでブレーキを踏んでおきます。
 
 

アマプラで配信が始まった『映画 えんとつ町のプペル』
 

直近のニュースといえば、Amazonプライムビデオで『映画 えんとつ町のプペル』の配信がスタートしたこと。
#レビューに感想を書いてもらえると嬉しいです
 
日本のプレミアムSVOD市場(配信系のアレ)の会員数は、今年の8月末時点で合計4400万人。
そのうち、「Amazon プライムビデオ」の加入者数は1460万人で33%のシェアを占め、「Netflix」は600万人、「Disney+」は180万人だそう。
日本だと、Amazonプライムビデオがメッチャ強いんです。
 
要するに、たくさんの人がいつでも『映画 えんとつ町のプペル』を観れるようになったわけですが、これが「映画館」にどのような影響をもたらすのかを、これからチェックするところ。
「Amazonプライムビデオでいつでも観れる映画を観る為に、人は映画館に足を運ぶのか?」という実験です。
 
一般的には、「配信で観れる映画を、映画館で観る人なんていないよね」と考えられていますが、ルビッチ的には「やってみなくちゃ分からない」です。
もしかすると、「いつも家で観ている映画を、映画館で観たい」というニーズがあるかもしれません。
 
特に、『映画 えんとつ町のプペル』は、そういった形で「イベント」として押し出して、「毎年ハロウィンに上映する」ができれば最高で、そこに向けて、いろいろテストしていこうと思います。
 
とりいそぎ、1月24日には沖縄で、1月31日には東京で、それぞれ『映画 えんとつ町のプペル』のDTSX(音響がメチャクソいいやつ!)の上映会をおこないます。
「映画を観たい」ではなくて、「映画を体験したい」というニーズは結構あるような気がしていて、そのニーズを掘り起こすことができれば、「配信」と「映画館」の共存は可能です。
 
駆け足でバーと説明しちゃいましたが、「世界の流れ」や「時代の流れ」に常に耳を傾けながら、微妙にマイナーチェンジを続け、そしてその様子をサロンメンバーの皆様に共有していこうと思います。
皆さんのサービスも、半年前と同じやり方でいいのか、一度、問いかけてみてください。
 
現場からは以上で〜す。
 
【追伸】
サロン記事の感想を呟かれる際は、文章の最後に『salon.jp/nishino』を付けてTwitter(本アカ)で呟いていただけると、西野がネコのようになついて、フォローさせていただく場合がありますので、感想よろ!
 
#沖縄と東京のサロンメンバーさん
#1月のスケジュール空けといてね

https://poupelle.com/news/?p=1353

※この記事にコメントしたい方はFacebook連携が必要です。
4/19
2024
チラ見せ
教育できることと、教育できないこと
4/18
2024
チラ見せ
確実に勝ちに行って、皆も勝たせる
4/17
2024
チラ見せ
外貨を稼ぐ練習(外貨を稼ぐ身体づくり)
4/16
2024
チラ見せ
星の絨毯

ルール

内容はシェア・口外禁止です。

※ただし、投稿から1年が経過した記事はサロンメンバー特典として、
口外 ( コピペ ) OK!でも「右上にマル秘マーク」のあるものは
公開しないようにお願いします。