※この記事の内容は外部に発信していただいて大丈夫です。

キャラクターの掘り下げ方

2024.12.14 / 西野亮廣エンタメ研究所

おはようございます。
一晩で三年分ぐらいの肉を食ったキングコング西野です。
#この話はまた今度

さて。
今日は『キャラクターの掘り下げ方』というテーマで、僕が物語(脚本)を書く時におこなっている儀式をチラ見せしたいと思います。

先日の『Blueprint』(のチラ見せ)は「イベント運営」に関するイロハでしたが、今日は「イベントの中身」について…というか、普段あまり表に出ることがない「西野の本業」のチラ見せ回でございます。

「なるほど、西野のクリエイティブは、こんなところから始まってるのね」という感じで面白がっていただけると嬉しいです。

本題に入る前にコチラの話題から。

 

BackStoryの最新話にドキドキした
 

密着ドキュメンタリー『BackStory』の最新話が配信されました。

コチラ→ https://youtu.be/OYhXBGGueS4

このあたりは来週の『BackStory』で描かれると思うのですが、「絵本」から始まった僕の創作活動は元々ずっと一人ぼっちの作業で、さらには日本中から叩かれていたものですから、輪をかけて一人ぼっちで、ずっと仲間との共創に憧れを持っていました。

文化祭が大好きなパリピ学生だったので(笑)

昨日ご覧いただいた映像は、来る日も来る日も0.03ミリのボールペン一本でカリカリと描き続けていたあの日に見た夢で、もう夢は叶っているのだということを知りました。
「アレいいよねー」「コレいいよねー」と言いながら、仲間と共に創ることが僕の夢だったのだから。

あとは結果を残すだけです。

今朝のVoicyで昨日の動画の裏側を喋っておりますので、合わせて聴いてやってください。
これからもドキドキしていたいし、ドキドキさせたいですわ。

そんなこんなで本題です。

 

キャラクターの日記
 

僕が脚本を書く際に一番最初に手をつけるのは「ストーリー」ではなく「キャラクター」で、キャラクターがしっかりとしていれば、ストーリーは勝手に展開されます。

「キャラクターがしっかりとしていれば、ストーリーは勝手に展開される」をおもくそ簡単に説明すると…

【ジャイアン】=いじめっこ
【のび太】=いじめられっこ
【ドラえもん】=のび太を助ける人

という三人の「キャラクター」がいた場合、

①のび太とジャイアンが街でバッタリ会う
②のび太がジャイアンにイジメられる
③のび太がドラえもんに泣きつく

…という「ストーリー」は、作者が意図しなくても、自動的に書かれます。
「まぁ、A君とB君が出会ったら、その展開になるよね」みたいな話です。

なので、脚本を書くときは「キャラクター」が先で、「キャラクターを掘り下げること」がメチャクチャ大事です。

とくに『ミュージカル』となってくると、今度はそこに「作曲」という作業が加わってくるわけで、そうなってくると作曲家さんには、作曲のヒントとして、「ストーリー」だけでなく、「キャラクター(このキャラクターには、こんなバックボーンがありますよ)」をお渡しする必要があります。

脚本を書く自分の為にも、作曲家さんの為にも「キャラクターの掘り下げ」は必要なんです。

さて。

気になるのは(気になっているのか?)「西野がどんな形でキャラクターを掘り下げているのか?」といったところ。

これには、西野独自のやり方がありまして…僕がキャラクターを掘り下げる時はいつも『キャラクター目線の日記』を書いているんです。

「そのキャラクターが自分の気持ちを整理する為に書いた日記」を、まず書くんです。
そして、その日記を脚本家・西野亮廣に手渡し、作曲家さんに手渡します。

というわけで今日は最後に、『キャラクター目線の日記』を公開したいと思います。

主人公の母親「ローラ」が書いた日記です。

「なるほど。『えんとつ町のプペル』って、こんなところから作ってるのね」といった感じで面白がっていただけると嬉しいです。

それでは、どうぞ。
現場からは以上です。

〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

 

「灯火」
 

今日は息子の帰りが遅い。
「事故に遭ったのではないか」「誰かに連れ去られたのではないか」
そんな思いが頭を駆け巡る。
手の震えを抑えるように、私は何度も深呼吸を試みたが、うまくいかなかった。
何度も玄関の外を見やり、風の音や犬の遠吠えに心が揺さぶられる。
最悪の想像が頭をよぎり、胸が締め付けられるようだった。

玄関の扉が開く音がしたのは、それからしばらくしてからのことだった。
音を聞いた瞬間、私は立ち上がり、玄関へ走った。
そこに立つ息子の姿を見た瞬間、張り詰めていた感情が一気に溢れ出した。

何を叫んだのかはもう覚えていない。
ただ、胸から出てきた言葉を怒りに任せて息子にぶつけていた。
息子は少し驚いたような、そして困惑したような表情で立ち尽くしていた。

やがて、私の声が震え、途切れた。
息子がそこにいる。無事でいる。
それがわかった瞬間、体の力が抜けていった。

息子がそこにいる、それだけで十分だった。

そして私は、この制御できぬ感情が、恐れの裏返しだということを知った。
私は怯えているのだ。

秋の風が煙突の間をすり抜け、かすかに乾いた煤の匂いが漂っている。
私は縁側に腰掛けて、揺れる玄関の灯をぼんやりと見つめていた。
その灯は、あの日からずっと消さないでいるものだ。
消したら、彼が本当にいなくなってしまう気がして。

夫が波に飲まれたと聞かされたとき、涙は流れなかった。
それどころか、体のどこかが麻痺したように、感情そのものが抜け落ちたようだった。
あまりにも突然で、受け止めきれない現実が、涙を流す余裕すら奪っていたのだと思う。
彼を送り出した後悔を抱え、私はただひたすら、「そうか」と呟くだけだった。

それからというもの、「行ってきます」という言葉を聞くたびに胸がざわつくようになった。
その言葉の背後に、「もう戻らないかもしれない」が隠れているように思えるのだ。
そう思うたびに、私は玄関の灯を灯す。
この灯は帰りを待つ祈りであり、私自身の心を落ち着けるための小さな儀式でもある。

そして、また私は送り出さなければならなかった。
今度は息子だ。

旅に出る覚悟を決めた息子の目には、夫と同じ光が宿っていた。
その光は眩しくて、どこか遠い世界を見つめているように感じた。
私はその目に向かって、精一杯の笑顔を作り、「行ってらっしゃい」と言った。
彼を送り出したときと同じように。

扉が閉まる音に、あの日の波の音が重なり、夫と息子の姿が交互に浮かび上がる。
「行ってらっしゃい」と送り出すたび、何か大切なものを手放してしまうようで胸が痛んだ。
「行かないで」と叫べたら、どんなにラクだろう。
見送るということは、こんなにも苦しいものだっただろうか。
夫を送り出したときよりも、ずっと胸が痛い。
きっと私はもう「送り出す」ことに慣れたくないのだと思う。

それから私はまた灯を灯した。暗い玄関が怖かった。
灯を消してしまえば、あの子が帰る場所がなくなるような気がしたからだ。

夜の町の最後の夜。
黒く重い煙が晴れ、満天の星空が広がった夜。
星明かりに連れられて、息子が帰ってきた。

「ただいま」

そう息子が言った瞬間、私は息子を抱きしめた。
今度は涙が止まらなかった。
私は、どれほどこの言葉を聞きたかったのだろう。

声を震わせながら「おかえり」と言う私の背中を、息子がそっと撫でた。
この子は、いつの間に、こんなにたくましくなったのだろう。
きっと、あの冒険のせいだ。
大変な冒険だったのだろう。

私は今日も玄関の灯を灯し続けている。
今は「帰りを祈る灯」ではなく、「いつでも帰ってきていいよ」と背中を押すための灯だ。

私は、あの日から少しだけ前に進めたのかもしれない。

ローラ

〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

【追伸①】
「 https://salon.jp/nishino 」と「#レターポット」を付けて今日の記事の感想をXでポストした後、この記事のコメント欄に“ご自身の”レターポットのリンクを貼ってくださった方に5レター(ciao!)を贈らせていただきます。

【追伸②】
《大阪平野の夜景を一人占め》HIBARI GOLF(宝塚市)のVIPラウンジ『星の絨毯』(2024年9月オープン)の【共同オーナー】(年間3日×7年分の貸し切り利用権)をお求めの方はコチラまで。
↓↓
https://chimney.town/hoshino-jutan/

『星の絨毯』の【1日利用権】は仮予約コチラまで↓↓
https://forms.gle/oc3QADMxAcgHEAtYA

【総製作費4億円】美術デザイン初披露!「クオリティで負けることはない」
https://youtu.be/OYhXBGGueS4

\公式LINEができました/
▼西野亮廣 公式LINEはコチラ↓
https://lstep.app/q7b4Mlz

※この記事にコメントしたい方はFacebook連携が必要です。

ルール

内容はシェア・口外禁止です。

※ただし、投稿から1年が経過した記事はサロンメンバー特典として、
口外 ( コピペ ) OK!でも「右上にマル秘マーク」のあるものは
公開しないようにお願いします。

AI解説音声

Google NotebookLMで自動で生成された音声です。
サロン記事
×
いいね
×
  • 今門凪海
  • 稲吉 英樹
  • 伊藤 剛広
  • 杉本一基
  • 飯野 啓介いのすけ
  • 花澤 照明
  • 竹内 雄大
  • シボハラ タツヤ
  • 林大祐
  • 田口 和行
  • 和田 裕夢
  • Mei Nose
  • Masaru Arai
  • くれじ
  • 渡部正和
  • 松田裕