プロセスエコノミーと相性が良いコンテンツか否か

投稿日:2021.01.30 / 西野亮廣エンタメ研究所

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おはようございます。

超高齢化社会(老眼化社会)に突入する中、新聞社は引き続き小さい文字で新聞を作り続け、「ハズキルーペ」を買収したらいいと思っているキングコング西野です。

さて。

今日は『プロセスエコノミーと相性が良いコンテンツか否か?』というテーマでお話ししたいと思います。

 

短編アニメーションを狙う

日頃より「ディズニーを超える」とか言っちゃってますが、その目標を実現させる為の条件は極めてシンプルで、「ディズニーよりも早いスピードで成長する」になってきます。

相手は『スター・ウォーズ』(ルーカスフィルム)を買収しちゃったりするので、その成長速度を超えようと思ったら、そりゃぁもう大変ですよ旦那。

ただ、  

相手が大きければ大きいほど考えなければいけないコト&やらなければコトが増えるので楽しいです。

今回の映画も「同日公開のポケモンをどう攻略するか?」を考えるのは、やっぱりメチャクチャ楽しかったです。

#次の目標は200万人動員

どんな勝負であろうと作戦は一つ。

「死ぬほどやる!」です。

そんなこんなで、昨日の記事で「ミュージカルの原作・脚本・演出をやる!」と発表したばかりですが、短編アニメーションの制作もやります。

※あわよくば、(米)アカデミー短編アニメ賞も貰おうとしています。

現在、ピクサーのアートディレクターを務められていた堤大介さん率いる「トンコハウス」さんと共同で、『ボトルジョージ』という絵本を制作しているのですが、そちらの絵本を短編アニメ化しようと思っとります。

#夢幻鉄道という絵本も同時進行で作ってる

そんなこんなで、短編アニメーション業界に首を突っ込んでみたのですが、知れば知るほど、短編アニメーションはビジネスモデル(収益化までの流れ)が確立していません。

現在の短編アニメーションは、監督かスタジオの名前を売る為のものになっており、収益化は、「名前を売った後に制作する長編作品でどうにかこうにか」といった感じです。

短編作品単体で成立できない現状に疑問を持ったクリエイター達が、「オムニバス」という形で映画館での上映を試みたりしていますが、お客さんに足を運んでいただくのは、なかなか厳しいそうです。

オムニバスにお客さんが集まらない理由は何となく分かります。

現代人の消費活動(購買理由)は、「得をしたい」ではなくて「損をしたくない」が前に出てきているので、オムニバスに対しては、「たくさん入っていてお得!」ではなく、「ハズレが混じっている確立が上がっている!」と考えていることでしょう。

これは、ショートフィルムのオムニバスに限った話ではなくて、全てのサービスに通ずる話なので要注意です。

※「全部盛り」で、お客さんを逃しているサービスをよく見かけます(クラファンのリターンとか)。

単体(10分弱の作品)でお客さんを呼ぶのは難しいし、オムニバスにしてもお客さんを呼ぶのは難しい。

そんなこんなで、収益化が手詰まりになっているのが短編アニメーション業界です。

このサロンに長くいらっしゃる方は、おそらくこの時点で、「短編アニメーションの収益化の打ち手」が見えていると思うのですが……(今、貴方の脳裏に出ていている案が)まさにそのとおりで、短編アニメーションはメインコンテンツで収益化することはとっとと諦めて、メイキングを販売し、そこで収益化すればいいと思います。

プロセスエコノミーです。

 

“プロセスが売りやすい短編アニメーション”はどんな形をしているのだろう?

ここで僕たちは冷静に考えなければなりません。

作品には、「プロセスが売りやすい作品」と、「プロセスが売りにくい作品」があるということを。

短編アニメーションの場合でいうと、メインコンテンツの収益化は“ほぼ”壊滅状態にあるので、「プロセスが売りやすい作品」にプロジェクトの重心をのせておかないと、短編アニメーション単体で生計を立てていくことは不可能です。

そんな中、

先日、堤さんから「ボトルジョージのアニメーションは、コマ撮りアニメ(人形アニメ)で作りませんか?」という提案をいただいて、西野は昇天しました。  

昇天した理由は2つ。

一つ目は、(ビジネスのことを一切抜きにして)僕個人的に、コマ撮りアニメのアナログ感(カクカク動く感)がものすごーく好きだということ。

#体温を感じるじゃん

そして、二つ目は、コマ撮りアニメが「プロセスエコノミー向きである」ということ。

コマ撮りアニメとなると、パソコン上で作る3Dアニメと違って、実際にスタジオにミニチュアセットを組むわけで、ミニチュアセットが出来上がっていくまでの過程は、オンライン配信でも、スタジオ見学でも、販売することができます。

物理的に存在していることが、プロセスを販売する上で強烈な強みになる。

少し踏み込んだ話をすると……

パソコン上で作るアニメーションよりも、コマ撮りアニメーションの方が制作費はかかるかもしれませんが、

パソコン上で作るアニメーションよりも、コマ撮りアニメーションの方がプロセスを販売しやすい(=制作しながら収益化できる)ので、結果的に安くなる。

極端な話、コマ撮りアニメーションであれば、10分間の作品に1億円をかけて、完成までに収益化することができるなぁと思いました。

ハリウッドやディズニーといった巨人に隙があるとするのであればココで、彼らは契約(守秘義務)をバッキバキに決め込んでくるので、プロセスエコノミー(完成までのメイキングの販売)の自由度が低い。

強大ですが、崩せない相手じゃないなぁと思っています。

エンタメで世界を獲ります。

『ボトルジョージ』プロジェクト、お楽しみに。

現場からは以上でーす。

 

【追伸】

サロン記事の感想を呟かれる際は、文章の最後に『salon.jp/nishino』を付けて《本垢》で呟いていただけると、西野がネコのようになつく場合があります。

 

【追伸②】

本日18時に、コチラを解禁します↓

https://youtu.be/qGwQJh7M0DY

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