おはようございます。
執筆に集中しようと思ってホテルをとったところ、赤ちゃんぐらい寝てしまったキングコング西野です。
#おかげで今日は過去一スッキリしています
さて。
今日は『サービスと恋』というテーマでお話ししたいと思います。
さっそく本題です。
数値化できないサービス
昨日と一昨日、二日間に渡って「世界観」や「エンタメ」が重要…という話をさせていただきました。
確認の為に繰り返しますが、「使いやすい」や「便利」といった『機能』や『品質』が全員に共有され、全員が再現できるようになり、高いところで「どんぐりの背くらべ」が起きていて、加えて、『日本』という条件から見ても、「もう、そこ(機能のゴリ押し)では戦えないな」というのが今です。
となってくると「機能以外の部分で差をつけなきゃ」という話になるわけですが…話がややこしくなる前に言葉を整理しましょう。
「サービス」には2種類あります。
『機能的サービス』と『情緒的サービス』です。
このうち、どんぐりの背比べが始まっている(あるいは日本が分が悪い)のが『機能的サービス』です。
そして、ここ最近、議論しているのが『情緒的サービス』。
「品質はどっちも同じだけど、私はコッチが好き!」や、あるいは、「アッチの方が高いけど、私はコッチを応援してるから、コッチを買う!」といった理由で選ばれるサービス(商品)のことですね。
「世界観」や「エンタメ」や「理念」がモロに影響してくる領域です。
さて。
『情緒的サービス』が重要なことは分かったのですが、それもこれも再現できなければ意味がありません。
では、このことをチームスタッフに共有する時に、一体どう説明するのがイイのでしょうか?
どんな言葉を選べばイイのでしょうか?
答えは結構シンプルで、「惚れさせろ」の一言だと思います。
「正解」よりも「恋」を選べ
ちょっとした話ですが、大切なことだと思うので共有させていだきます。
昨日からホテルに泊まっている僕ですが、ついウッカリして、『スマホの充電器』を家に忘れて来ちゃったんですね。
「(充電器って)よく壊れるし、予備で持っておいてもいいかな?」と思い、近所にあったDOCOMOショップで買おうかとも思ったのですが、外を歩くのは暑そうです。
それに、すぐに仕事をしたい。
#結局寝ちゃったんだけど
というわけで、近所のコンビニに行く途中に、ホテルのフロントに寄って「すみません…スマホの充電器ってお借りできますか?」と訊いたんです。
「もちろんです。部屋にお持ちしますね」と笑顔で返してくださり、僕は無事に『スマホの充電器』をゲットすることができました。
…さて。
この話は「万が一の為に『スマホの充電器』を用意していた素晴らしいホテル」という結論ではありません。
用意していた『スマホの充電器』を、「どうやって渡したか?」という話です。
パターンとしては、事前に全部屋に『スマホの充電器』を備え付けておくこともできたでしょう。
むしろ、その方が、ウッカリ『スマホの充電器』を忘れて来たお客さんの手間が省ける。
サービスとしては「正解」かもしれません。
ただ、「恋」の観点から見るとアウト。
恋させるのならば、「困っているお客さん」を助けた方がイイ。
ここがメチャクチャ繊細なところで、困らせすぎると、今度は、「ただただ配慮が行き届いていないウンコ店」になってしまう。
#いつもエアコンが効きすぎとか
#車内がいつも臭いとか
そういうことは事前に潰した方がいいと思うのですが、エグい話をすると、「『それは、お客さん側に非があるよね』ということを、お客さんも自覚しているような困り事」は、事前に潰さない方がイイと思っています。
一度、問題を起こさせて、その後、「ヒーロー」のように現れて、めちゃくちゃカバーする。
『森のひこうきホテル』を作るのもあって、国内外の安いホテルや高いホテルを回っているのですが、高いホテルのサービスの基本スタンスって「なんとかします」なんです。
冷静に考えたら、長いこと営業しているんだから、「トラブルのパターン」なんてリストアップできていて、事前に潰すことも可能なハズです。
本番中に、お客さん(赤ちゃん)が泣き出したり、本番中に、お客さんがスマホを鳴らしたりして…それに対して、芸人やアーティストがアドリブで対応して、見事に笑いに変えて、コメント欄で称賛されている動画って見たことありません?
あれは、プロからすると、なんてことなくて、お客さんが泣き出したり、スマホを鳴らされたりすることって、日常茶飯事なので、あの時の対応って「アドリブ」でも何でもないんです。
アドリブだと思っているのは、初めて劇場に来たお客さんだけ。
ですが、そのお客さんからすると、「あの大ピンチを救ってくれた芸人さん!好き!」となる。
これは「トラブルが起きていなかったら、生まれなかった感情」です。
なので、高いホテルの「なんとかします」は、「惚れさせる」をゴールにした時の姿勢としては、完全に正しい。
若干、話が脇道にそれたので、話を戻します。
情緒的サービスが重要になってきた現代において、お客さんの対応にあたるスタッフに出す指示(教育)はコレです↓
「『正解』はそうかもしれない。だけど、お客さんが惚れるのはドッチだ?」
以前もサロンに書きましたが…
「開演時間に遅刻してきたお客さん」がいた時に、スタッフは、どう対応すれば、惚れられるチームになるのか?
「遅れたのは自分の責任でしょ?」という態度をとるのか、それとも、「遅れちゃった私に、こんなことまでしてくれるなんて…」と思わせるのか?
ぶっちゃけ、『ディズニーランド』にあって、『ハウステンボス』に無いのは「恋の設計」じゃないですか。
すべては、「『correct answer』or『LOVE』」です。
#なんで急に英語
#余計に分かりづらいんやけど
なので、サービス提供者はシンプルにモテなきゃダメ!
女性にも男性にも。
潤沢な資金なんて無いんだから、僕らが事前に用意できるものなんて決まっているんです。
#ここ大事
遅刻してきたお客さん全員に絵本をプレゼントすることなんてできないんです。
「ステッカー」がいいところかもしれません。
大切なのは、それを、どう出すか?
「なんでもないコト」を、どう見せるか?
この件について、オリラジの中田君が話してくれているので、(自分の話題で恐縮ですが)動画を貼りつけておきます。
情緒的サービスに目を向けること。
「お客さんに恋をさせること」が、これまで以上に大事な時代が始まりました。
現場からは以上です。
【追伸】
「https://salon.jp/nishino」を付けて今日の記事の感想を呟いていただけたら、西野がエゴサーチで見つけ出してニヤニヤします。
宜しくお願いいたします。
https://youtu.be/gNkdIWW4f-s