負ける可能性を潰す

投稿日:2022.09.24 / 西野亮廣エンタメ研究所

※この記事の内容は外部に発信していただいて大丈夫です。



 

おはようございます。
母親から「あんた、ミッドジャーニーって知ってるか? コンピューターが絵を描ける時代が来てるで。大変やで!」と連絡があったキングコング西野です。
#テレビでやってたみたい
#コンピューターの時代やで

さて。
今日は『負ける可能性を潰す』というテーマでお話ししたいと思います。
#昨日の記事の延長みたいな話っす

 

博打をするな
 

たとえば、芸人が単独ライブをやる時には、収益源となる「グッズ」のロット数(生産数)を毎度悩んでいます。

すぐに売り切れたら「もっと作っておけば良かった!」となるし、逆に売れ残ってしまうと、売上を作ろうと思っていたグッズで赤字を作ることになってしまう。
そんなこんなで「オリジナルTシャツは、何枚ぐらい作ったらええんやろか?」という会議をしていたりします。

つまり「グッズ販売」を博打にしちゃっているわけですね。

このやり方はやっぱり良くなくて、「成功する方法」は分からないですが、「失敗する確率」は、工夫次第で潰せるわけで、まずは、そこに手をつけた方がいい。

この場合だと『3ヶ月後にある単独ライブでオリジナルTシャツを作りたい』というクラウドファンディングを「ALL or NOTHING(目標金額に達成しなかったら返金)」で立ち上げて、リターン(返礼品)でオリジナルTシャツを出せばいい。

事前にニーズが確認できるので、オリジナルTシャツを作りすぎることも、不足することも無くなり、グッズ販売が博打じゃなくなります。

ちなみに、これ(グッズのニーズをクラファンで確認する)は10年前に僕が実施したことですが、残念なことに、今(2022年)も、グッズ販売を博打で進めて、爆死している単独ライブが後を絶ちません。

『森の飛行機ホテル』にしても、「NFT」という選択肢を持っていないと、「10億円ぐらいかけて、ホテル作りました!さぁ、お客さんは来てくれるのか? どっちなんだい!(なかやまきんに君)」という博打になっていたわけで…博打を潰す為には、やはり「知識(情報)」が必要です。

挑戦する以上、不安が尽きることはありません。

ですが、そこには「事前に潰せる不安」があって、それらは全て潰した方がいい。
「ここまでやった上で失敗したら、そりゃ、もう仕方ないよね」というラインまで追い込むことが大切なのですが、多くの人は、それをやらない。

知識がないからできない。
だから、いちいち博打になってしまうし、いちいち「勇気」みたいなものを持ち合わせなきゃいけなくなる。

戦の基本スタンスは、「勝ち戦しかしないこと」です。

能書きを垂れるのはこのへんにして、ここからは実践編です。

 

宮くんのクラウドファンディング
 

先日、「スリランカから飛行機を持って来て」という雑務を振られたインターン生の宮君から「クラファンの設計で悩んでます」という相談がありました。
テレビに出る時(スベる時)の梶原さんぐらい瞳孔が開ききっていて、「確実に負ける奴の顔」になっていたので笑っちゃいました。
#そういう人を見ながらニヤニヤするのが好きです

「リターンの設計」で悩んでいるみたいで、「ちなみに現時点で、どんなリターンの候補が上がってるの?」と聞くと、見事に要らないものばかり(笑)。

中には、「ホテルの部屋の中に看板を作って、その看板枠を売る」というのもありました。
#高いお金を払って広告だらけのホテルに誰が泊まりたいねん

宮君は、お客さんから、いろいろアイデアをいただいたそうですが、「お客さんからいただいたアイデア」と「お客さんが実際に買うもの」は、まったく別です。

お客さんの言う「こんな商品があればいいんじゃない?」「富裕層って、こういうものを買いそうじゃない?」は当てずっぽうもいいとこで、有名な話でいうと、『マクドナルドのサラダマック事件」があります。

「ヘルシーなものが食べたい」「サラダメニューを追加して欲しい」という“お客様の声”に応えて、ヘルシーバーガー『サラダマック』を開発&販売したところ、地獄的に売れなくて、全国のマクドナルドの奥の部屋から「アンタらが欲しいって言ったんじゃないかっ!」という叫びが聞こえてきた事件です。

とくに「富裕層って、こういうものを欲しがりそうじゃない?」は危険で、本人が富裕層か、あるいは実際に富裕層向けのサービスをやっている人(富裕層と付き合いがある人)じゃないと、その答えは出せません。

富裕層の気持ちを知らないまま富裕層向けのサービスをデザインすると、クラファンの高額リターンに、「詰め合わせセット」みたいなものを用意してしまう事故が起きます。
#クラファンあるある

「でも、僕は富裕層じゃないし、富裕層の知り合いなんて、あまりいないし…じゃあ、どんなリターンを用意すればいいんだろう?」
「どんなリターンが実際に売れるんだろう?」
というのが宮君の今の悩みだと思うのですが、悩む必要なんて1ミリもありません。

使えるものを正しく使えば、宮君がやろうとしているクラファンの博打性なんて、2秒で潰せます。

解決策はメチャクチャ単純で、過去に僕もやりましたが…

① オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』のタイムラインに、クラウドファンディングのプレゼン文を投げる。

② その記事のコメント欄に「リターン(画像付き)」候補を投げる。リターンを5個用意しているなら、コメントを5回に分ける。

③ 実際に「私は、このリターンを確実に買うわよ」というもの(コメント)に『いいね』を押してもらう。

このスリーステップを踏めばいいだけ。

アイデアを出してもらうのではなくて、「これなら買います」を事前に表明してもらう。

「50万円のリターンに、10個『いいね』がついていれば、50万円のリターンを10個出す。30万円のリターンに、『いいね』が一つもついていなければ、30万円のリターンは出さない」…ただそれだけの話です。

「負ける人」の共通点は「博打をする人」です。
潰せる博打は徹底的に潰した方がいい。
というわけで、宮君、頑張ってね。

現場からは以上ですわ。

【追伸】

https://salon.jp/nishino」を付けて今日の記事の感想を呟いていただけたら、西野がエゴサーチで見つけ出してニヤニヤします。
宜しくお願いいたします。

https://youtu.be/AN-3pbC_PqM

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